「リズムゲーム」と「リズムゲームではないリズムゲーム」

「リズムゲーム」の違い

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 Nintendo Switch版の『THUMPER リズム・バイオレンスゲーム』をプレイしたのだが、クリアまで遊べず途中で投げ出すことを決意したゲームは久々である。本作は特に不出来というわけではないが(とはいえ目視できる余裕のない壁はムカつく)、では何が気に入らなかったかといえば、リズムゲームだとは思えなかったからだ。

 本作は、輝く甲虫を操作して障害物を避けるゲームである。青い光があればAボタンを押し、左右に壁があればそれぞれの方向に入力し、時にはボスを攻撃するような場面も。うまく操作するとBGMに沿ったプレイになり、リズムに乗れるというわけだ。よって本作は「リズム・バイオレンスゲーム」ということらしい。

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 とはいえ、これがリズムゲームかと言われると甚だ疑問である。おそらくこのゲームは『BIT.TRIP RUNNER』のようなオートラン系アクションの系譜であり、パターンを覚えたり反射神経を活かしてプレイするタイプの作品だ。しかし、僕にとってリズムゲームというのは『リズム天国』のようなリズムに乗ることを重視しているゲームなのである。

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 一口にリズムゲームと言ってもいくつかのパターンが存在する……、というより『リズム天国』が革新的すぎたというところが大きいのだろうが、いずれにせよゲームジャンルというものはひどく曖昧なものである。どちらもリズムゲームではあるが、同じリズムゲームではない。
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カービィとカービィの違い 『星のカービィ64』『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』

どこか不気味な世界観のカービィ

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 2017年は『星のカービィ』25周年イヤーということで、引き続き関連シリーズ作品を遊んでいる。ひとまず手を出したのはニンテンドウ64の『星のカービィ64』だ。この作品は『星のカービィ2』『星のカービィ3』に続く下村真一氏がディレクションするシリーズとなっている。

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 『星のカービィ3』はやたらと制限が多くてつらかったが、こちらはいくらかマシだ。コピー能力を二種類あわせて新たな能力を合成するシステムは楽しい……ものの、やはり妙に使いづらすぎる能力があったりするのは相変わらず。収集品も集める謎解きも複数回プレイ前提のようなところがあり、コンプリートする気にはなれなかった。

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 また、「リボン」や「アドレーヌ」といった人型キャラクターが世界観に合っていないように思える。これはこの後のシリーズ作品を見ているのからそう思うのかもしれないが、コピー能力の「カッター」でカービィが自分の体をちぎって飛ばしたりする点、そもそもカービィの表情がやたらと邪悪であることなどを顧みても、やはりどこか異質であると考えても良いのかもしれない。


ネタバレ:ケーキを盗んだ犯人はデデデ

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 そして、ニンテンドーDSの『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』も遊んだ。こちらは比較的近年(2006年)に出たゲームということもあって快適にプレイできて一安心といったところ。本作も収集品集めが前提になっているゲームではあるのだが、どれも難易度が低いうえ取り逃してもステージが短いためやり直しも容易だ。難なくフルコンプできるだろう。

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 とはいえ、フラグシップが開発を担当しているためか毛色が違うところがいくつかある。たとえば技の入力がしづらいところ。「ファイア」の突進攻撃を空中で出すにはジャンプしてすぐボタンを押さねばならないし、「アニマル」のドリル攻撃は事前にダッシュを入力していると投げに化ける。情けない話だが、このあたりのチューニングの甘さは今になって気づいた。

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 やたらと“属性”を推してくるのも特徴か。「ファイアソード」や「アイスソード」のみならず「ホイール」や「トルネード」は属性に関するものに触れれば攻撃の特徴が変化したりと、このあたりは新しい試みだ。まァ、大して意味はないのでその後のシリーズに続かないのも当然なのだが。

 かつてのカービィを改めて見てみると、すべてまったく同じものでなくそれぞれで表情に差があるとわかる。そういえば、初代『星のカービィ』の顔が怖すぎると言っている人もいたくらいだし、25年という時の中では絶えず変化が起こっていたのだ。そしておそらく、これからも。
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遊んでいてつらいと思ったカービィははじめてかもしれない 『星のカービィ3』

忘れたままでよかったかもしれないゲーム

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 そういえばきちんとプレイしたことがなかったような気がしたので、Wii Uで『星のカービィ3』を遊んだ。

 本作は、ゲームボーイで発売された『星のカービィ2』の続編にあたるスーパーファミコン用タイトルだ。「リック」「カイン」「クー」のほか、「ナゴ」「チュチュ」「ピッチ」といった動物の仲間たちと冒険を繰り広げていく2Dアクションゲーム。ほんわかとしたビジュアルが特徴で、一緒に冒険する仲間によってコピー能力が変化するのも独特である。

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 ところで、『星のカービィ』シリーズはむしろナンバリングタイトルのほうが異色という不思議なゲームタイトルである。スーパーファミコンでは1996年に『星のカービィ スーパーデラックス』が発売されており、こちらのほうはかなりの人気を博していた。一方で1998年に出た『星のカービィ3』はそれに比べるとマイナーで、スーパーファミコン後期にしても注目されていなかったような気もする。

 ナンバリングなのになぜと思っていたが、プレイしてすぐにわかった。本作はディレクターが桜井政博氏ではない(『星のカービィ2』と同じ下村真一氏である)ためか、ゲームの性質がやたら違うのである。そして、遊んでいてつらい。

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 『星のカービィ3』の特徴は何かといえば、ポップでかわいい(たまに不気味な)世界を多数の仲間と冒険するところであろう。確かにその見た目はいいのだが、むやみに難易度が高い。そういえば『星のカービィ2』を遊んだ時も「なんでカービィなのにこんな無意味に難しいのだろう?」と思ったものだ。

 とはいえ難易度が高いこと自体はいいのだ。問題は難しい理由で、本作はとにかく制約が多いのである。一言で言えば操作性が悪く、ホバリングを解除する際に足を止めなければならなかったり、バーニングは連続で使うとすぐ使い物にならなくなったりする。他にもスクロールは遅いし、ボスは面倒なランダムパターンが多かったりと、むやみに苦労を強いるのだ。しかも、どれも調整不足というより意図的に見えるのが弱る。

 また、仲間キャラクターは癖が強すぎて使いづらいことが多く、コピー能力の選択が面倒なのも相まって、カービィがひとりでスライディングを連打しているのが一番楽だった。ステージ構成もいまいちで、無価値な直線や単調な上下の登り降りでうんざりしたし、黒い扉に擬態する敵、あまり褒められない謎解きなども単純にきつい。何より、過去を尊重しつつ新たな挑戦をしていた『星のカービィ スーパーデラックス』と比べてしまうと、『星のカービィ3』は“惰性で作った続編”という印象を受けてもおかしくないだろう。

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 無論、遊んでいて最もつらい理由は古いからなのだと思われる。なんせ20年前のゲームなのだから。
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恐怖はちんちんへと変わる 『Outlast』

こわいけどちんちんでてる……

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 アメリカの精神病院でね、……出るんですよ。いや、幽霊じゃなくてちんちんが。

 Red Barrelsが開発した『Outlast』をプレイした。本作はとてつもなく怖いと有名なホラーゲームなのだが……。いや、確に怖かった。怖かったことは怖かったのだが……。

 フリージャーナリストであるマイルズ・アップシャーは、何やら危険な実験を行っているらしい「マーコッフコーポレーション」が運営する精神病院へとビデオカメラを手に調査へ向かう。本作において最も怖いのはこの精神病院に入る前だと言える。

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 中に入ると“治療”を受けた不気味な人間たちがたくさんいる。どいつもこいつもブツクサつぶやいているだけと思いきや、時にはバァーンといきなり出てきてこちらを驚かしたり、ついでに手に持っている刃物でぶち殺そうとしてくるのだ。ああ、なんてこわい……。

 しかし、あることに気づいたあとはそちらのほうが気になってしまった。この精神病院ではゴア表現が激しく、同時にそういったものに修正がない。そして裸のやつらに出会うこともある。つまり……、「こわいけどちんちん出てる……」となるのだ。

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 なんかびっくりするけどちんちん出てる……。すごいグロい手術を受けた人がいるけどちんちん出てる……、と思ったらちんちん取られてる……。DLCを遊ぶとさらにちんちんエピソードがあってちんちん出てる……。

 相手のちんちんが出ていることがわかれば恐怖はすぐに慣れへと変貌し、視線は股間へと向かう。『Outlast』はびっくり系ホラーゲームからちんちん系ホラーゲームへと変化するような作品であった。
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マックスの友情に対する姿勢がストレンジ 『ライフ イズ ストレンジ』

引き続きタイムリープでアドベンチャー

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 マックス! あんな不良少女と付き合うのはやめなさい。冷静に考えてみれば、彼女は君に迷惑をかけてばかりだろう? 5年間も連絡を取っていなかったということは君もそのあたりをわかっていたのではないか? ……『ライフ イズ ストレンジ(Life Is Strange)』はそんな余計なお世話を言いたくなるゲームであった。

 DONTNOD Entertainmentが開発したこの青春アドベンチャーゲームは、一言でいうと“どれだけ親友に思い入れを持てるか”で評価が決まる。時を巻き戻せる女子高校生「マックス」は、久々に再会した親友「クロエ」と共に女子学生の失踪事件を調べることになるのだが、前述のようにその探偵ごっこの相棒が困った存在なのである。

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 しかし本作、かなりの出来栄えだ。挿入歌を流す際にイヤホンをつけるという自然で綺麗な演出があったり、アーティストたちが集まる高校が舞台ということもあってシャレたオブジェクトばかりだったりと、世界を構成するものすべてにこだわりを感じられる。本筋はかなり陰鬱なゲームなのだが、それでも光と影のコントラストが美しい場面が多かった印象が強い。

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 また、プレイヤーの選択で過去・現在・未来が変わるという謳い文句があるのだが、『ウォーキング・デッド』と異なり本作ではそれなりに効果的になっている(2015年のゲームなので当然か)。なぜ有効なのかといえばキャラクターの丁寧な描写が理由である。スクールカーストによって登場人物の印象付けが容易だし、主人公の日記帳に詳細なプロフィールもあり、ついでに寮の部屋に置かれた小物や文章のおかげでそれぞれのパーソナリティが丁寧に描写されているのだ。こうなると、学校の友人に対してどのような応対を取るかという、物語の骨子にほとんど関係ない選択肢でも悩むことができる。

むしろ本作の主役と言える「クロエ」

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 丁寧なキャラクター描写は親友の「クロエ」に対してもそうである。彼女は子供のころに父親を亡くし、そのせいか幼いころから一緒だった親友は連絡をくれなくなり、その後にようやく出会った新たな親友はどこかへ消えてしまった。更に、父親のことを忘れられないまま新たな義理の父親(それも面倒な性格のヤツ)が家に来たせいもあり、彼女はひねくれてすっかりロクデナシになってしまった。しかし、マックスはそんなロクデナシの親友と過ごす楽しさを知り、ともすれば恋慕の情すら抱くかもしれない──。

 というのが本作の流れのはずなのだが、僕はどうしてもクロエが好きになれなかった。彼女は忠告しても話を聞き入れてくれないし、マックスが時を戻して体調を崩しても大して気にかけないし、他の友達からかかってきた電話(しかも重要な話)を取るとキレるし、計画性がなくふざけた理由で借金をするし、身内から銃を盗むし、望まないことを言ったらすぐすねるし、マックスに大きな迷惑がかかるはずなのに金を盗もうとするし、探索パートでは役に立たないどころか面倒なビン集めを命令するし、事件をうまく解決するフラグを折って面倒な話にするし……。物語の都合もあるのだが、本当に迷惑にしか感じなかった。

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 しかし、これもある程度は意図的に行われているものである。EP3までは傍若無人なクロエも、その後にあるイベントのおかげでとても哀れに見えてくる。このストーリー展開は実に見事なのだが、それでも僕にとってこの親友に対する評価がプラスに転じるほどではなかった。

 マックス、なぜ君はあの親友にそこまで入れ込むんだい? よかったら僕に教えておくれ。
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