あけましたが、あけていません。
このエントリーをはてなブックマークに追加

『キャンドルちゃん』小さなろうそくが「キャンドルマン」になる幻想的な物語

Candlechang_01.jpg

 キャンドルちゃん、キャンドルちゃん。いったいあなたはどこへ行くの?

 キャンドルちゃん、キャンドルちゃん。灯台の光にむかってひとりでとぼとぼ歩くの。

Candlechang_02.jpg

 ……『キャンドルちゃん』というゲームタイトルから伝わる印象はそういうことだろう。本作は中国のデベロッパー「Spotlightor Interactive」が開発したアドベンチャーゲーム。主人公の小さなキャンドルを操作し、明かりを灯しながら暗闇をひたすらに進んでいく。ほとんどその美しい雰囲気を眺めるだけでよく、キャンドルちゃんの目の前にある試練もそう大きなものではない(小さなろうそくにとっては大きいかもしれないが)。

 キャンドルちゃんは小さなキャンドルの男の子。彼は他のキャンドルと異なり、自分の意思で炎をつけることができる。ただ、炎をつけることができるのはほんの数秒だけ。そのわずかな時間を使い、道を照らして先に進んでいく。便りになるのは自分の光と、動かないろうそくの明かりだけ……。

Candlechang_03.jpg

 本作のタイトルは、英語版だと『Candleman(キャンドルマン)』である。それをあえて“ちゃん”と表現したのは良い判断だろう。キャンドルマンではまるでアメコミのしょうもないヒーローだし、暗闇の中をひとりで歩む「Little Candle」な雰囲気が出せない。

Candlechang_04.jpg

 しかし、キャンドルちゃんは確かにキャンドルマンでもある。本作では、キャンドルちゃんの挫折と復活の物語が描かれる。本編では己が小さな光に過ぎないことを思い知らされ、しかし追加コンテンツでは地獄から這い上がりなんとか立ち直ることになる。あの“小さなろうそく”は確かに「キャンドルちゃん」だったが、そこから己を知り立派な「キャンドルマン」になったのかもしれない。
このエントリーをはてなブックマークに追加

「リズムゲーム」と「リズムゲームではないリズムゲーム」

「リズムゲーム」の違い

thumper_01.jpg

 Nintendo Switch版の『THUMPER リズム・バイオレンスゲーム』をプレイしたのだが、クリアまで遊べず途中で投げ出すことを決意したゲームは久々である。本作は特に不出来というわけではないが(とはいえ目視できる余裕のない壁はムカつく)、では何が気に入らなかったかといえば、リズムゲームだとは思えなかったからだ。

 本作は、輝く甲虫を操作して障害物を避けるゲームである。青い光があればAボタンを押し、左右に壁があればそれぞれの方向に入力し、時にはボスを攻撃するような場面も。うまく操作するとBGMに沿ったプレイになり、リズムに乗れるというわけだ。よって本作は「リズム・バイオレンスゲーム」ということらしい。

thumper_02.jpg

 とはいえ、これがリズムゲームかと言われると甚だ疑問である。おそらくこのゲームは『BIT.TRIP RUNNER』のようなオートラン系アクションの系譜であり、パターンを覚えたり反射神経を活かしてプレイするタイプの作品だ。しかし、僕にとってリズムゲームというのは『リズム天国』のようなリズムに乗ることを重視しているゲームなのである。

thumper_03.jpg

 一口にリズムゲームと言ってもいくつかのパターンが存在する……、というより『リズム天国』が革新的すぎたというところが大きいのだろうが、いずれにせよゲームジャンルというものはひどく曖昧なものである。どちらもリズムゲームではあるが、同じリズムゲームではない。
このエントリーをはてなブックマークに追加

カービィとカービィの違い 『星のカービィ64』『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』

どこか不気味な世界観のカービィ

kirby64_mouse_01.jpg

 2017年は『星のカービィ』25周年イヤーということで、引き続き関連シリーズ作品を遊んでいる。ひとまず手を出したのはニンテンドウ64の『星のカービィ64』だ。この作品は『星のカービィ2』『星のカービィ3』に続く下村真一氏がディレクションするシリーズとなっている。

kirby64_mouse_02.jpg

 『星のカービィ3』はやたらと制限が多くてつらかったが、こちらはいくらかマシだ。コピー能力を二種類あわせて新たな能力を合成するシステムは楽しい……ものの、やはり妙に使いづらすぎる能力があったりするのは相変わらず。収集品も集める謎解きも複数回プレイ前提のようなところがあり、コンプリートする気にはなれなかった。

kirby64_mouse_03.jpg

 また、「リボン」や「アドレーヌ」といった人型キャラクターが世界観に合っていないように思える。これはこの後のシリーズ作品を見ているのからそう思うのかもしれないが、コピー能力の「カッター」でカービィが自分の体をちぎって飛ばしたりする点、そもそもカービィの表情がやたらと邪悪であることなどを顧みても、やはりどこか異質であると考えても良いのかもしれない。


ネタバレ:ケーキを盗んだ犯人はデデデ

kirby64_mouse_04.jpg

 そして、ニンテンドーDSの『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』も遊んだ。こちらは比較的近年(2006年)に出たゲームということもあって快適にプレイできて一安心といったところ。本作も収集品集めが前提になっているゲームではあるのだが、どれも難易度が低いうえ取り逃してもステージが短いためやり直しも容易だ。難なくフルコンプできるだろう。

kirby64_mouse_05.jpg

 とはいえ、フラグシップが開発を担当しているためか毛色が違うところがいくつかある。たとえば技の入力がしづらいところ。「ファイア」の突進攻撃を空中で出すにはジャンプしてすぐボタンを押さねばならないし、「アニマル」のドリル攻撃は事前にダッシュを入力していると投げに化ける。情けない話だが、このあたりのチューニングの甘さは今になって気づいた。

kirby64_mouse_06.jpg

 やたらと“属性”を推してくるのも特徴か。「ファイアソード」や「アイスソード」のみならず「ホイール」や「トルネード」は属性に関するものに触れれば攻撃の特徴が変化したりと、このあたりは新しい試みだ。まァ、大して意味はないのでその後のシリーズに続かないのも当然なのだが。

 かつてのカービィを改めて見てみると、すべてまったく同じものでなくそれぞれで表情に差があるとわかる。そういえば、初代『星のカービィ』の顔が怖すぎると言っている人もいたくらいだし、25年という時の中では絶えず変化が起こっていたのだ。そしておそらく、これからも。
このエントリーをはてなブックマークに追加