ガーディアンヒーローズ 小文レビュー ─時代の移り変わり─

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記事の概要

 この記事は、2011年10月17日にSSDMが公開した「ガーディアンヒーローズ レビュー」という記事を書き改めたものになっている。内容としてはほとんど変化がないものの、文章量を減らし読みやすくしようと試みてみた。

 前回の記事や、小文レビューの内容について説明不足に感じた場合については、次を参照されたし。

○ ガーディアンヒーローズ レビュー
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1151.html

ガーディアンヒーローズ

 『ガーディアンヒーローズ』は2011年10月12日にXbox Live Arcadeで配信されたベルトスクロールアクションゲーム。開発はトレジャー。

 1996年にセガサターンで発売された同名タイトルの移植作品であり、グラフィックやゲームバランス・システムを調整されたアレンジモードや、アーケードモード、オンライン機能などが追加されている。

ライブアーケード版の長所

 『ガーディアンヒーローズ』は移植されるにつれて、以下のような手直しがされている。
  • アレンジモードによるバランス・グラフィックの調整
  • アーケードモードの追加
  • オンライン協力プレイ・対戦プレイに対応
  • 対戦参加人数の増加
 移植作品としては十分な追加要素が足されており、しかもオリジナルを否定するような内容でもない。オリジナルはオリジナルモードで楽しめるのである。

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アレンジは歯ごたえあり

 それどころかオンラインプレイができるようになったり、対戦がよりハチャメチャになるような調整がされていたりと、魅力を強めるような移植作品となっているだろう。

ライブアーケードになったことの短所

 一方で、悪い点もなくはない。問題点は次のようなものか。
  • アーケード風のストーリーモード
  • ふたりのみの協力プレイ
  • 大味すぎるのでかなり調整をしなければならない対戦
 これは短所というよりも、ゲームの特徴と考えるべきではある。だが、これらはあまりにも現代にマッチするようなものではないと考えられる。アーケードゲームのようなストーリーモードのシステムや、人数の少ない協力プレイ、大味すぎる上にプレイヤーが調整しなければならないなど、現代の観点からすると不満は多い。

 ジャンル自体も、今やあまり盛り上がっていないベルトスクロールアクションのようなものだ。他にも問題点はあるだろうが、その多くが古いゲームであるからこその問題だろう。

総評

 このLive Arcade版『ガーディアンヒーローズ』は、やはり1996年のゲームだけあって古い。そこが問題となりうる。だが、移植ものとしては当時のものをそのまま持ってこられたというわけで、きちんと移植が出来ているとも言えるのだろう。よって、当時のファンとしては喜ぶべき一品だ。

 とはいえ、時代が移り変われば需要も変化し、求められるゲームも変わる。その点を考慮すると、『ガーディアンヒーローズ』が今の時代に求められている性質のゲームであるとも考えにくい。今や協力プレイも対戦ゲームも、他に親切なものがたくさんあるのだ。時代が変化してもそれに耐えうるような作品ではなかったのではなかろうか。

 よって、懐古するためにあるべき作品で、今の作品としては特に得るものがなさそうな古い移植作品という立場になってしまう。ただ、移植作品としては、別にそれは悪いことではないのだろう。

 『ガーディアンヒーローズ』は見事な作品ではあるが、時代はだいぶ変わってしまった。

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アイドルマスター 2 小文レビュー ─必要なのは団結だった─

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記事の概要

 この記事は、2011年04月29日にSSDMが公開した「アイドルマスター 2 レビュー」という記事を書き改めたものになっている。内容としてはほとんど変化がないものの、文章量を減らし読みやすくしようと試みてみた。

 前回の記事や、小文レビューの内容について説明不足に感じた場合については、次を参照されたし。

○ アイドルマスター 2 レビュー
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1070.html

アイドルマスター 2

 『アイドルマスター 2』(以下、アイマス2)は2011年2月24日にバンダイナムコゲームスから発売されたアイドル育成シミュレーションゲーム。開発はナムコ。

 『アイドルマスター』シリーズはアーケードから始まったビデオゲームである。アイドルたちをプロデュースし、ミニゲームによる育成や対人戦のオーディションを通してトップアイドルに育てていくというゲームである。基本的にはXbox360版の前作を踏襲し、グラフィックやシステム、そして物語の強化を行っている。

アイマスの魅力と2になって得た変化

 アイマスは2になるにつれて以下のような進歩を遂げた。
  • キャラクターグラフィックの更なる強化
  • 育成シミュレーションをより家庭用向けに
  • それぞれのキャラクターに対する物語の強化
  • プレイヤーに対する育成をさせているという意識の強化
 前作より好評だったフルポリゴンの3Dキャラクターたちはよりかわいらしくなり、見た目でよりプレイヤーを轢きつけるようになった。そして、前作ではアーケード寄りだったゲームシステムを家庭用向けに進歩させている。更に、昨今の家庭用ギャルゲーに必要な要素である物語を追加したのである。

 育成シミュレーションゲームに物語を持ち込むことは難しいが、これはPS時代の作品である『プリズムコート』的な手法、つまり育成と物語と独立させ、互いに干渉させないことによって行っている。

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育成と物語の相乗効果
 また、プレイヤーに対し育成しているという意識をより強く感じさせるようになった。アイドルたちの順位や能力、あるいは活動資金や衣装などの収集といった要素を強調し、まるでRPGにおいてレベル上げをしながら物語を進めていくかのような印象を与える作りとしているのだ。これによって、よりアイドルたちに感情移入しやすくなっている。

 これらの長所によりアイマスの特徴であるRPG的な育てて物語を進める楽しみがより強く表現されることとなったのだ

アイマス2の問題

 一方で、アイマス2には当然のように問題も発生している。
  • システムの不完全さ
  • シナリオの消化不良感
  • ジュピターの登場
  • 一部アイドルのサブキャラ降格
 ゲームシステムは育成シミュレーションを基調としたものだが、今作は物語性もあるのだ。つまり、バックログや既読スキップなどが欲しくなるというのに、それが用意されていない。

 同時に、シナリオも今ひとつである。育成シミュレーションの物語としては十分な軽い内容なのだが、家庭用のギャルゲーではノベルゲームにも負けない物語を搭載することが必要なのである。しかし、尺の足りなさや書き手の意識とレベルが足りておらず、これが達成できていない。

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竜宮小町とジュピター
 そして、竜宮小町というライバルユニットがいるのだが、これは事実上、前作でプロデュースできたキャラのサブキャラ降格である。これが表面的且つ大きすぎる問題だ。前述のようにアイマスではアイドルを育てることが感情移入や萌えに繋がるのだが、竜宮小町のキャラクターは育てることができない。

 ジュピターといった男アイドルの登場もまた、既存ファンには大きな衝撃である。ライバルキャラとして設定されているため本編への関わりは薄いのだが、あまり良い方向へは働かなかった。

 やはり長所は存在しているのだが、結果的には、これらの欠点が与える悪印象のほうが大きくなってしまっている。

アイマス2はなぜ痛手を抱えてしまったのか

 なぜそういった欠点のほうが大きくなってしまったのかといえば、これはアイマス2の方向性の統一が図れていないからである。

 アイドルを育て彼女達に感情移入することがアイマスの楽しみなのに、シナリオは多くが軽いもので深い味わいがない。そして、そのシナリオをすべて見る必要があるのにシステムは不自由で、プレイ時間が無駄に長くなりストレスが溜まってしまう。つまり、シナリオもシステムも、何を生かすべきなのかわかっていないのである。

 そして、一部アイドルが降格したのも大きな問題だ。なぜそうなってしまったかといえば、PSP版のアイマスで追加したライバルキャラがプレイヤーキャラとして増えてしまったからだ。これによりアイドル総数が13人まで増え、誰かを降格せねばゲームを完成させるのが非現実的な量になってしまった。一部アイドルのサブキャラ降格は2の問題というより、それまで無視してきた問題がここにきて出てきたというべきだろう。

 ただし、男アイドルの参入に関しては、新たな展開の可能性や、人気が出なかった際に削除することを考えれば悪くない判断である。実際、ここでライバルの女アイドルが増えていたら次にまた困ったことになっていたはずだ。

 要は、それぞれの追加・改善された要素がアイマス特長を生かす方向を向いていないのである。シナリオやシステムはどういうゲームを作るか理解できていなかった為に物足りなくなり、一部のキャラ降格は2の問題ではないものの、やはり痛手でしかない。

 おそらく、アイマスシリーズというものが常にしっかりとした方向性を持っており、それをすべての開発側が理解していたのならば、シナリオもシステムもアイマスの特徴を生かす方向に動いただろう。そして何より、一部キャラの不遇な扱いは避けられたはずである。

総評

 アイマス2の総評としては、以下の5項目のようになる。
  1. 進化すべき方向は間違っていないし、それを実行する手段としても間違いではない。
  2. しかし、方向性の統一が取れていないために、今ひとつなシナリオや不快感を覚えるシステム面といった不具合が生じている。
  3. だが、アイドルを育成する楽しみは強化されたし、彼女達はよりかわいくなった。そこにはRPG的な育成の楽しみが存在しており、また、家庭用向けのギャルゲーとしては間違いなく進歩している。
  4. 世間で言われているキャラ削除や男性アイドル追加は、確かに大きな問題であるが表面的な問題に過ぎない。
  5. 作品展開の展望さえあれば問題は解決できたと思われるため、非常に惜しい。
 アイマス2には楽しめる要素はきちんと内包されているものの、それが完全な魅力を発揮できていない。そのために、欠点ばかりが目につく。その上、今までのシリーズ展開で発生した問題のツケまで回収するハメになっているというわけだ。

 一部のキャラ降格は確かに大きな問題である。シリーズファンには痛いことだろう。ただしこれは、アイマス2の問題というよりも、過去のシリーズの失敗がここにきて出てきたというだけだ。

 そして、2になりアイドルたちがよりかわいくなったことは事実だ。そのため、欠点に執着を持たなければなかなか楽しめることは間違いない。ただ、残念ながらそうしても完璧な作品とはならないのも事実だろう。これさえなんとかなっていれば、反発するファンも押さえられたはずだ。

 やはり、問題はシリーズ展開における展望の無さや方向性の統一が取れていない部分だ。きちんと長所を生かすことができてさえいれば、アイマス2はより良くなっており、反発はゼロに出来ずともより受け入れられていたはずであろう。

 アイマス2のテーマソングである『The world is all one!!』には、「Unity is Strength」という歌詞があるのだが、この作品に最も必要なのはそれである。団結がないが故に、こうしてすべての部品がうまく噛み合わなかったのだ。

アイマス2は進化もしたが、方向性の統一が足りなかった。必要なのは団結である。

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