アリスマッドネスリターンズ 20 苦痛から解放される時、世界は鮮やかになった

ドールメーカーに、そしてバンビーに負けるわけにはいかない

 ようやくすべての記憶を取り戻し、すべての元凶がバンビーに立ち向かうことになったアリス。一度こそ彼の支配に潰されそうな彼女ではあったが、ワンダーランドの仲間たちや姉のことを考えるのであれば、戦わないわけにはいかない。そもそも、ヤツを倒すことが自分を救うことになるのだから。

alice_20_01.jpg
考えてみればこのゲームでの初ボス戦

 こうしてドールメーカーとの戦いが始まる。これはワンダーランドにおける実際の戦いでもあり、現実世界でバンビーと向かい合っているアリスが、ヤツに負けないように奮起している暗喩でもあるのだ。

alice_20_02.jpgalice_20_03.jpg
貴様など死んでしまえ

 ドールメーカーはそれらしく、自分の手を飛ばして、そして自分の人形たちを出現させて攻撃してくる。厄介な攻撃をしかけてくるが、今ここで負けられるわけがないのだ。

alice_20_04.jpgalice_20_05.jpg
みすぼらしく消えろ

 そして、何度も攻撃を繰り返してようやくヤツは倒れた。そうだ、ワンダーランドでは勝利したのだ。精神的にはバンビーに負けなかったのだ!

だが、現実では何も変わらない

alice_20_06.jpg
支配を打ち破ったのだ

 こうしてアリスはもう一度目を覚ました。これは現実でもなんでもなく、彼女の心が解き放たれたという表現なのだろう。

alice_20_07.jpg
レイプ犯は監獄のヒエラルキーでも最低らしいので犯されろ

 現実のアリスもバンビーに負けまいと、告発してやると脅し始める。この悪魔に対して、精神的に屈することは決してないのだ。

alice_20_08.jpg
この余裕のある態度!

 だが、バンビーは相変わらず態度を変えない。情緒不安定なヒステリー女の告発など無意味だと一蹴するのだ。確かにそれもそうで、この狡猾な男はそれを理解した上で悪行を行なっているのである。社会から見れば、バンビーのほうがよほどまともな存在なのだから。……つくづく救いようがない。

 果たしてアリスにできることはあるのか? 告発が無理だというのなら、どうすればいいのだ?

変わらないのならアリスが変わればいい

alice_20_09.jpg
現実が変わってしまった

 すると、ワンダーランドが現実になった。いや、なってしまった。あのみすぼらしい精神病患者であったアリスは、いつの間にかワンダーランドの服を身にまとった「狂っていて強い女」になったのだ。

alice_20_10.jpg
バンビーの目にはどう見えたのだろうか?

 あまりの変わりようにバンビーも思わずたじろく。そして、ゆっくりとヤツに近づいていくアリス。

alice_20_11.jpg
法でさばけないのなら……

 アリスはなんのためらいもなく、バンビーを線路に押し出した。

alice_20_12.jpg
自らの手で裁くしかない

 その瞬間、電車が通り過ぎてゆく。これですべての元凶が消えたのだ。

こうしてアリスはワンダーランドに帰ってきた

alice_20_13.jpgalice_20_14.jpg
あとは帰るだけだ

 バンビーが持っていたリジーの部屋の鍵を手に入れ、アリスは安堵した表情で表へと出ていく。これでようやく、安心できる世界に戻れることになったのだ。

alice_20_15.jpg
気づけばいつもの世界だった

 だが、外に広がっているのはワンダーランドの風景だった。何度も現実と虚構を移動しているうちに、そして虚構の力を現実に持ち込んだ代わりに、アリスは現実と虚構がない混ぜになってしまったようだ。

alice_20_16.jpg
行く宛もなくただワンダーランドにいる

 そもそも、バンビーの元で暮らしていたアリスにはもはや帰る家がない。家族も親戚もいない上に、実家も燃えてしまってないわけで、行くアテもない。せいぜい彼女にある故郷というものは、ワンダーランドくらいなのだ。

alice_20_17.jpg
冒険は終わったのだ

 こうしてアリスは苦悩に決着をつけられた。はたしてこれが彼女にとって幸福だったかはわからないが、人形として生きるよりは何倍もまともだったのではないだろうか?

 最後にチェシャ猫が、こんな言葉を残していく。

苦痛に耐えることが人としての価値になるのは野蛮な連中だけだ。苦痛の忘却は好都合、追憶は苦悶なのだ。


alice_20_18.jpg

○ アリスマッドネスリターンズ レビュー
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1275.html

このエントリーをはてなブックマークに追加

アリスマッドネスリターンズ 19 罪を精算し、罰を与える時がきた

第六章にてバンビーとの決別を

 いよいよドールメーカーの本拠地にたどり着き、ヤツと対面したアリス。最大の敵はバンビーの姿をした化け物であった。姉を辱めて殺した挙句、証拠隠滅のためにアリスの家族までも殺した最悪の野郎である。怒りも収まらない。

 だが、アリスは他の子供たちと同じく、あまりに無力だったせいか人形にされてしまった。はたして彼女はワンダーランドを、同時に自分を救うことはできるのだろうか。

alice_19_01.jpgalice_19_02.jpg
おそらく現実に近い場所だとは思われるが

 ワンダーランドでドールメーカーに人形にされたはずのアリスだったが、気づけば現実世界に戻っていた。だが、周囲には番号札をつけている子供の幻影のようなものがあり、ここが現実なのか妄想の世界なのか、誰にもわからない。

alice_19_03.jpg
現実でもヤツと会わなければ

 そしてアリスは地下鉄の駅に通じる道へと歩いて行く。おそらく、ここにはアイツがいるのだろう。

どれだけ口論してもヤツを倒すことはできない

alice_19_04.jpgalice_19_05.jpg
ここで決着をつける時だ

 階段を降りていくと、ひとりの男が電車を待っていた。コートを着ているせいか後ろ姿では判別がつかないが、アリスが会おうとしている人物などひとりしかいない。

alice_19_06.jpg
追い詰められても余裕そうな顔だ

 そう、アリスがずっと追い求めていたのは、ドールメーカーもとい、アリスの姉を凌辱して殺した最低最悪のゲス野郎、バンビーである。ヤツはアリスが真相に気づいたことを理解しても、かなり余裕そうな表情をしている。こんなキチガイの小娘など、どうにでもなると思っているのだろう。

alice_19_07.jpg
怒れるアリス

 アリスはここぞとばかりに怒りをぶちまける。多くの子供たちがバンビーによって苦しめられたことや、自分の家族が殺されたこと……。いや、それはあくまで建前で、彼女の中にある怒りがどうしても収まらないことが、バンビーに対する最大のいらつきなのだろう。

alice_19_08.jpg
まったく意に介さないバンビー

 バンビーは何度アリスに責められようとも、まったく気にしない。どれだけ子供を弄べば気が済むのかと言われても、「まだまだ足らんよ! 君のが堕落すれば大成功だったんだがね。」とむしろ挑発するような有様である。どこまでも貪欲で醜く、性根まで腐りきっているヤツだ。

支配に従わないのであれば、反発するしかない

alice_19_09.jpg
ただの人形はもうやめだ

 ここで世界はワンダーランドの側に戻る。人形にされてしまったアリスは、バンビーに対する怒りを原動力に動き始める。

alice_19_10.jpgalice_19_11.jpg
怒り狂いたまえアリス

 そして、アリスは人形をやめた。彼女の怒りがドールメーカーの支配を超えたのだ。

alice_19_12.jpg
これで最後のステージだ

 こうしてアリスは地獄の汽車へと辿り着く。あとはこいつを止めさえすれば、すべては平穏に戻るのだ。

現実と虚構が入り交じる

alice_19_13.jpg
死んだはずのハッターも戻ってきていた

 汽車には今までアリスが出会った友達たちが乗っていた。最初に出会ったのはハッターことキチガイ帽子屋。アリスは彼に、地獄の汽車と邪悪な力を止めなければならないと声をかけるものの、返事は味気ないものであった。

alice_19_14.jpgalice_19_15.jpg
ワンダーランドが変わったのは事実なのだ

 帽子屋は、アリスが一度、このワンダーランドを忘れようとしたことを根に持っているようだ。一度壊れた世界は二度と戻らない。それが例え誰かのせいであっても、アリスが自分の世界を傷つけたことは事実なのだ。

alice_19_16.jpg
いちいち口ぶりまでムカつくヤツだ

 ここでアリスは一瞬だけ現実に戻る。アリスはバンビーに対し、ワンダーランドは崩壊していないと反発するものの、ヤツは「十分破滅させたと思うがね」と余裕を見せている。悔しいが、それも事実なのである。

alice_19_17.jpg
ようやく変態が終わったようだ

 そしてワンダーランドに戻り、次は繭から蝶となった芋虫に会うことになる。彼からは「罰でも受けにきたのかい?」と言われてしまった。

alice_19_18.jpgalice_19_19.jpg
アリスはバンビーの悪行に気づいていたのだ

 アリスは自分にも罪があることを理解しているとのこと。それはさておき芋虫は、他人の苦痛を見過ごすわけにはいかないし、ドールメーカーの罰は軽すぎると助言をくれた。他人というのは、他の大勢の子供たちもそうだろうし、アリスの姉のことも言っているのだろう。

alice_19_20.jpg
反省の色など見せやしない

 もう一度アリスは現実に戻る。アリスはまたもやバンビーに対し、子供たちを弄んだことを攻め立てるものの、ヤツはアリスをきちんと「妄想にかられ、たわ言を口にし、過去の記憶もなく、未来を解しない美女」にできなかったことを惜しんでいるようだ。この口ぶりがアリスをひたすらに激昂させる。

alice_19_21.jpgalice_19_22.jpg
赤の女王はリジーがモデルのようだ

 そして、最後に会うのは赤の女王。アリスは「汽車はどこへ向かっているの?」と聞くものの、彼女からは「答えを知ってる問いを尋ねるべきじゃないわ。」と冷たくあしらわれてしまった。

alice_19_23.jpgalice_19_24.jpg
実はすべてを知っていたアリス

 ここでアリスは重大な記憶を思い出す。そう、実はあの火事の晩、バンビーがアリスの姉であるリジーの部屋に入ってゆき、そして奇妙な声が漏れたあと、あのクソ野郎が出てくるところをアリスは見ていたのだ。これこそがアリスの罪である。

alice_19_25.jpg
こいつにはアリス自身が制裁を与えるしかない

 またもやアリスは現実へと戻る。もはや現実と虚構が入り交じってきてしまっているようだ。

 バンビーは、アリスの姉にじらされた思い出話をしはじめた。「私を軽蔑するふりをしていたがね。」などとぬかしやがり、アリスもその姉も狂っているバカだと鼻で笑う。当然、アリスは姉のことをわかってもいないのにひどく言うなと激昂するが、それでもバンビーは余裕の態度を変えることはない。

alice_19_26.jpgalice_19_27.jpg
いざ最終決戦

 こうしてアリスの怒りが頂点に達し、いよいよドールメーカーと戦うことになった。ワンダーランドを救い、現実の自分も助けなければならない。そのためには、目の前にいる悪魔を殺すしかないのだ。

○ アリスマッドネスリターンズ 20 苦痛から解放される時、世界は鮮やかになった
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1274.html

このエントリーをはてなブックマークに追加

アリスマッドネスリターンズ 18 良識的な仮面を持っている悪党がもっとも厄介である

飽きたミニゲームはいいから早いところラスボスを出せ

 現実を見つめ、自分に襲いかかる恐怖と戦うことを決めたアリスであったが、とうとう現実と虚構の区別がつかなくなってしまった。夢か現かわからない病院を徘徊していると、気づけば人形たちの世界へとやってきていた。

 そして、ここでドールメーカーがすべての元凶であることを知るのであった。とにかくヤツを倒さない限りには、ワンダーランドを、アリス自身を救うことはできない。今すぐにでもヤツを殺さなければ。

alice_18_01.jpgalice_18_02.jpg
首無ブランコがやたらと多い

 悪趣味なドールハウスをひたすらに進み続ける。目的はドールメーカーなので、こんなのはさっさと超えてしまおう。

alice_18_03.jpg
おまけに福笑い状態なので気持ち悪い

 と思っていても、やはりミニゲームが行く手を阻む。この9パズルなどもう何度目だ。

alice_18_04.jpgalice_18_05.jpg
そしてやはり退屈で長いミニゲーム

 また、道中には人形の頭を使ったピンボールかゴルフのようなミニゲームが入るのであった。「首を跳ねてしまえ!」というミニゲームらしいが、「首が跳ねてしまう」という感じである。これもまた長い上に、2回も挿入される。

alice_18_06.jpg
今度の滑り台ではトゲが見える

 もはやお馴染みとなった滑り台を利用し、ドールハウスの地下へと潜っていく。さっさとドールメーカーを出しやがれ。

ゴールはまだまだ遠い

alice_18_07.jpgalice_18_08.jpg
敵すらもトゲで死んでしまう

 この地下はなんだかやたらと危険な上に不気味だ。即死のトゲトラップが至るところにあり、アリスの侵入を強く拒んでいるようである。

alice_18_09.jpgalice_18_10.jpg
飾られているものも最悪だ

 解剖された虫の絵や、ホルマリン漬けになった眼鏡ネズミがいたりと、悪趣味なことこの上ない。今まで色々なアリスの精神世界を見てきたが、その中でも特に気味の悪さが強いだろう。

alice_18_11.jpgalice_18_12.jpg
しかしアクション部分がクソ長い

 落ちる天井トラップを超えて一度地上に出て、またもや人形の股を超える。ドールメーカーへの道は言うまでもなく長い。

alice_18_13.jpgalice_18_14.jpg
どんなミニゲームでもプレイヤーの飽きも止められない

 奇妙なピアノの音ゲー(もとい目押しゲー)をプレイし、アリスは道を切り開いていく。もういい加減に慣れてはきたが、やはりアクション部分が長いのだ。

alice_18_15.jpg
ここにあの汽車が来るのだろうか

 そしてようやく、地獄の汽車の停車駅と思しき場所に到着した。とてつもなく長い道のりだったが、確実に元凶へと近づいてはいるのだ。

支配には従うか、もしくは反発するかだ

alice_18_16.jpg
今更何が見られるのだろうか

 このステージでも記憶の扉を発見した。既に犯人はわかりきっているが、ここで確信を掴めることであろう。

alice_18_17.jpgalice_18_18.jpg
自分は犯人ではないという確信

 今回思い出すことができた記憶は、アリスが火事を起こしたわけではないという確信と、とある先生が火事を意図的に起こしたということだ。

alice_18_19.jpg
そして既に名前もわかっている犯人

 その人物とアリスは過去に会ったことがある。すまし顔の学部生だった。あの眼鏡が特徴的で、顎にヒゲを生やしていて……。

alice_18_20.jpg
犯罪者の奇妙な性癖か

 揺るぎない証拠として、彼はアリスの姉であるリジーの部屋の鍵を持っていたのだ。何かを達成した証拠としてこれを持ち帰ったのだろうか? いずれにせよ、ゲスなクソ野郎であることには違いない。

alice_18_21.jpg
ドールメーカーの住処へ

 記憶を取り戻し、アリスはいよいよドールメーカーの元へと辿り着く。あとはアリスに罪を着せようとしたアイツに立ち向かい、ワンダーランドを、そして自分を助けだす時だ。

子供を弄び続けるドールメーカー

alice_18_22.jpg
流れ作業で悪魔に改造されている

 この建物の中では、人形たちがなんらかの改造手術のようなものを受けていた。おそらく、あのコールタールのような化け物に改造されているのだろう。

alice_18_23.jpgalice_18_24.jpg
いよいよ面会というわけだ

 そして、アリスの前に姿を現したのは、やはりバンビーの姿をしたドールメーカーであった。

alice_18_25.jpg
あの黒い液体はこいつの体液だった

 ドールメーカーもといバンビーは、その立場を利用してロクでもないことばかりをしでかしていたようだ。子供たちに手を出したり、あるいはその売春を斡旋していたり……。このワンダーランドで玩具を作るかのように、子供を弄んでいたのだ。

 無論、アリスの姉もこの手にかかったことは言うまでもない。そして、事件の生き残りであり、事情を知っているはずのアリスに対し、バンビーはすべてを忘れさせようとした。そしておそらく、アリスの家族を検死したウィルソンと共謀しているのだ。ウィルソンはアリスの姉も検死したようだが、結果は煙を吸い込んで死んだとしている。彼がまともな医師ならば、そんなマヌケな結果になるはずがない。

 ともあれ、こうしてアリスは生き残って記憶を取り戻すことになる。彼女が苦しんだおかげで、このクソ野郎に一泡吹かせることができそうなのだ。

 ちなみに、あの地獄の汽車はアリスが創りだしたもので間違いないものの、やはりドールメーカーの目的であり、すべてを忘れさせようと誘導したことは間違いない。何もかも、アリスがイカれてしまったのも、そして彼女が苦しんでいるのも、こいつのせいだ。

alice_18_26.jpg
アリスもバンビーの手のひらにいるのだ

 しかし、アリスはこの強大な存在にあっという間に負けてしまう。恐怖心を植えつけられたせいか、あるいは今までずっと従っていたからか、ドールメーカーの手に捕まれ、同じように人形にされてしまうのだ。

alice_18_27.jpgalice_18_28.jpg
今まで言いなりになっていたこの暗喩か

 こうしてアリスは他の人形と同じように、玩具のように弄ばれてしまったのである。そして、おそらく彼女が本当に怒らない限り、これはいつまでも続くのだろう……。

○ アリスマッドネスリターンズ 19 罪を精算し、罰を与える時がきた
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1273.html

このエントリーをはてなブックマークに追加

アリスマッドネスリターンズ 17 復讐すべきはドールメーカー

真相を追い詰めることになる第五章

 ようやく赤の女王と会うことができたアリスではあったが、それは痛みも伴うことになった。あの火事の真相は、バンビーがアリスの姉であるリジーを殺したあとに火をつけたというものであったし、ラトレッジ精神病院のウィルソン先生たちも、アリスに対してひどい仕打ちをしていたのだ。

 いや、そもそもウィルソンもバンビーもグルなのかもしれない。現実はアリスを痛めつけるばかりなのだ。

alice_17_01.jpgalice_17_02.jpg
あまりにも失礼なウィルソン

 赤の女王と話をしていたはずのアリスだったが、気づけば坊主頭にされ拘束衣を着せられていた。様子を見に来たウィルソンはアリスを罵倒する。ひたすらに狂人扱いし、出戻りは恥さらしだと自己中心的なことばかりを言うのだ。

alice_17_03.jpg
院内徘徊は認められているのか?

 真相に気づいたアリスはここでじっとしているわけにもいかない。拘束衣に囚われた身体を引きずりながら、なんとか病院を出ようと努力する。しかし、ここが現実なのか空想なのか微妙なところだ。普通ならば、こんな簡単に脱走できるはずがないのだから。

alice_17_04.jpg
こんな部屋があってたまるか

 その疑問は「TREPANNING」と書かれた部屋に入ることでより強まる。トレパネーションは、日本語で頭蓋穿孔を意味する。

alice_17_05.jpgalice_17_06.jpg
こいつらを前作のように切り刻んでやりたい

 そしてその頭蓋穿孔というのは、患者の頭蓋骨に穴を開けるという“治療”だ。いや、現代では治療ではない。何しろこの療法、「頭に穴を開けると意識が明瞭になる気がする」というだけのオカルティックなものなのだから……。

alice_17_07.jpg
アリスがおかしくなったのは“治療”のせいでもある

 こんな行為が当時は治療として認知されていたのもおぞましいが、意地の悪い世話係に罵りながら穴を開けられたことが、アリスにとってとてつもない屈辱なのだろう。思い出がフラッシュバックしたあと、部屋は穴だらけになってしまった。

alice_17_08.jpgalice_17_09.jpg
無闇な根拠で意地悪に治療する悪魔ども

 また、別の部屋ではヒルによるしゃ血治療を施された記憶も蘇った。これもまた、「体から血を出すと霊的なものが排出される気がする」という迷信でしかないものである。一応この治療は、現代では多血症などにおいては有効な治療方法だそうだが、精神病院においてはせいぜい虐待でしかないだろう。

 この精神病院にはアリスの嫌な思い出ばかりが残っている。まともな反射すら見せない彼女を、必死に甦らせようとした……と言えば聞こえはいいが、少なくともアリスにとっては最悪の経験ばかりである。

皆はいったいアリスに何を求めているのか?

alice_17_10.jpg
この病院はすべてが妄想なのか?

 こうして嫌な思い出を噛み締めつつ病院を進んでいくのだが、やはりこれはアリスの妄想なのだろうか? 道中、あのいやらしい二人組に会ったのだが、アリスのことなど気に留める様子すらない。どうなっているのだ。

alice_17_11.jpgalice_17_12.jpg
どいつもこいつもクズばかり

 そして、次の白い部屋に入ったところでまた、記憶がアリスを襲う。バンビーが従わないアリスに苦言を呈し、ナース・ウィットレスは見返りをくれないことに文句を言う。

alice_17_13.jpgalice_17_14.jpg
アリスにものを求めてばかり

 ナニーはいい加減に大人にならなければならないと彼女の理屈で説教をし、弁護士のウィルソンはアリスが不安定で暴力的すぎると否定的な意見をぶつける……。

 いや、これらはある意味で正しいのだ。正常な社会から見れば、アリスは子供っぽくていつまでも役に立たない穀潰しであろう。いなくなったほうがマシかもしれない。だが、こう言われてアリスはどうすればいいのだ? 無力でちっぽけな精神病患者が、何をするというのだ。

alice_17_15.jpg
本当にここは病院なのか?

 こんな現実を突きつけられてしまえば、アリスは自殺するか怒ることしかできないだろう。せいぜい、すべての元凶を潰して、少しの溜飲を下げるだけ。それはアリスが社会で邪魔者であるということをなんら解決させないが、できることはそのくらいしかない。いや、もはや彼女にすべきことなど、それしかないのだ。

いつの間にかワンダーランドへ

alice_17_16.jpg
よくある風景といえばそうなのだが

 気づけばアリスは普段の服装に戻っており、ライトだけがある薄暗い空間を歩いていた。なんだか真相に近づくたびに、現実と虚構の区別が曖昧になってきた。ここはどこなのだろう。

alice_17_17.jpg
犠牲になるのはいつだって子供たち

 あかりを目印に歩いていると、上半身を切られた気味の悪い子供が出てきた。何者かに虐げられ、アリスに助けを求めてくる。悪鬼の邪神がワンダーランドで暴れているそうだが、それはおそらく……。

alice_17_18.jpg
火事の真相を見に行かねば

 そして、アリスは自分の世界へと乗り込む。燃えている自分の家へ行くように、辛い過去を見つめることにしたのだ。

すべてはドールメーカーの仕業

alice_17_19.jpg
一見楽しげな世界なのだが

 こうして到着したのがザ・ドールハウスだ。それにしても後半になって玩具の世界だなんて。いったいどうして、ここがそんなに重要なのだろうか。

alice_17_20.jpgalice_17_21.jpg
アリスはいつまでも子供なのか

 置かれている家具は目はついていたり足が生えていたりと、とにかく気味が悪い。ましてや鏡などには「SAVE US」などと書かており、この一見した平穏さとのギャップが不気味な感覚の原因か。

alice_17_23.jpg
拷問でもされているのか、治療でもされているのか

 また、ここで出会うアリスの友人もかなり気持ち悪い。イノセント・チルドレンと呼ばれる彼らは、なんでも人形に虐げられている存在なのだそうだ。そして、この世界はおかしくなっているだけではなく、“ドールメーカー”に魂を奪われていることを教えてくれた。

 ドールメーカーという言葉を聞いて、アリスは少し怖気付いた。ここまで来ることができた彼女にとっても、やはり強大な敵と戦うのは恐ろしいらしい。

alice_17_24.jpg
一見かわいく見えるが、火を吐いたりで悪趣味なことよ

 だが、相手のほうが待ってくれるはずもない。現れたのはドールガール。こいつらがアリスの世界を侵食しているそうだ。

 ここでようやく今まで登場した敵の意味が理解できた。コールタールのような化け物にもなんだか白い顔がついていたが、あれは人形の顔なのだ。ドールメーカーは人形を操り、アリスを侵食しようとしているのである。

alice_17_25.jpg
悪趣味な道だ

 となれば、そいつとはきちんと決着をつけねばならないだろう。ドールガールを粉々にしてやったあとは、人形の股を通り、ヤツの顔面にナイフを思いっきり立てなければなるまい。

○ アリスマッドネスリターンズ 18 良識的な仮面を持っている悪党がもっとも厄介である
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1272.html

このエントリーをはてなブックマークに追加

アリスマッドネスリターンズ 16 現実と戦わなければならないという意思

体格の差が強さの差

 赤の女王に会うため、廃墟となった彼女の城を訪れたアリスであったが、そこでは死刑執行人にしつこく追い掛け回されるハメになった。まったくもって迷惑だが、追いかけられた甲斐もあってか、この城でひとつの重要な記憶を取り戻す。それは、家に火をつけたのはアリスではない何者かだったということであった。

alice_16_01.jpg
根が伸びまくりだ

 必死に死刑執行人から逃げた先にあったのは、昔なつかしい迷宮であった。もっとも、今ではボロボロで手入れもされておらず、ひどい有様としか言えないが。

alice_16_02.jpg
見えづらい石像を攻撃するという攻略がノーヒントだった

 前作でここを通り、理不尽な謎解きをやらされたことを思い出す。ああ、こうして追憶にふけるのも悪くないものよ。

alice_16_03.jpg
またお前か

 だが、そうしてゆっくりしていると現れるのが死刑執行人。いい加減にしつこすぎる!

alice_16_04.jpgalice_16_05.jpg
なぜこんなところにケーキが?

 すると、アリスは逃げまわった先で「Eat Me」と書かれたケーキを見つける。これを食わないわけにはいかないだろう。

alice_16_06.jpgalice_16_07.jpg
巨女ブーム来てるね

 ケーキを食べた瞬間、アリスはみるみる大きくなり、死刑執行人がゴミのようなサイズになってしまった。あまりの出来事に、ヤツもうっかり鎌を落としてやがる。ざまあみろ。

alice_16_08.jpg
ギャグすぎる

 こうなれば、死刑執行人などは踏みつぶしてしまえばいい。ああ、面倒な迷宮を歩く必要などないのだ。跨げばいいのだから!

巨女アリスにかかれば敵などいない

alice_16_09.jpg
あの迷宮もただの模様だ

 こうして始まったのが巨女アリス操作ステージである。でかくなってしまえば何も怖くはない。

alice_16_10.jpgalice_16_11.jpg
まるでゴミのようだ

 クイーンの塔を破壊しまくり、わらわらと溢れるアリのようなカード兵を踏みつけて殺しまくる。ああ、でかいことはいいことだ。

alice_16_12.jpg
アリスには触手も効かない

 道中、触手がアリスのことを邪魔しようとしてくるが、こんなのは思いっきり引っこ抜いてしまえばいいのである。これだけ立派な防衛施設があれば通常のサイズであるアリスは防げただろうが、今となってはもはや無意味だ。

alice_16_13.jpg
ハートなんてストンプキルよ

 そしてクイーンの塔への道を塞いでいる触手を取り払うため、心臓を踏みつけてぶっ潰す。潰すたびに赤の女王の悲鳴が聞こえてくるので、心地良いことこの上ない。

alice_16_14.jpgalice_16_15.jpg
実にすっきりすることよ

 ひと通り暴れて気分がよくなったら、これまた「Drink Me」と書かれている水を飲んで元通り。ああ、気分は最高だ。

犯人はもっとも身近な人物だった

alice_16_16.jpg
衝撃的な記憶の回復

 さて、あとは赤の女王の元へ行くだけなのだが、道中で衝撃的な記憶を拾った。なんと、アリスの姉であるリジーが、ストーカーの名前について言及していたのだ。その名前は「バンビー」。言うまでもなくアリスが世話になっている精神科の先生である。

 ここですべてが氷解した。今のアリスはなぜか記憶が欠落している。では、そもそも記憶を消そうとしているのは? 忘れて楽になれと言っているバンビーそのものではないか……。

alice_16_17.jpg
ロリコンの言い訳にしか聞こえない

 また、バンビーの記憶も拾ったのだが、これがひどかった。「何にでも、時期というものがあるのだよアリス」じゃねーよボケ! いや、真面目に言っているのかもしれないが、どう考えてもロリコン性犯罪者の言い訳にしか聞こえないではないか。

alice_16_18.jpg
記憶を確信に変えなければ

 もはやこれを思い出してしまっては真相に近づくしかあるまい。赤の女王に一刻も早く会わねば。

alice_16_19.jpg
まったく同じ顔である赤の女王

 そうして遭遇した赤の女王の顔は、アリスにそっくりであった。凶暴さの象徴である彼女もまた、アリス自身の一面なのである。

いよいよアリスが現実を見るとき

alice_16_20.jpg
不機嫌そうな赤の女王

 赤の女王に協力を求めるアリスであったが、最初は「自分の精神も理解していないのね」などと冷たくあしらわれた。かつては無理に倒してしまった相手なわけで、仕方あるまい。

 とはいえ、赤の女王もアリスの一部。この地獄の汽車による破滅、いや、忘却を止めたいと考えているのは同じである。そして、アリスに対し事実を教えはじめる。彼女の記憶を消して得をするのは誰か? 自分自身の破壊が進行しているということは、逆に救うことができるのは自分だけなのではないか? どちらも重要な意見だ。

alice_16_21.jpgalice_16_22.jpg
あらまあ大きなお口

 また、赤の女王は協力する条件として、アリス自身に悲劇を魅せつけることにした。アリスは怖すぎる現実から逃げ出しており、そのせいで立ち向かえないのだ。彼女の口の中で、恐ろしすぎる記憶を掘り返すことになる。

alice_16_23.jpgalice_16_24.jpg
本当に彼らは親切だったのか?

 そもそも考えてみれば、アリスの周囲には冷たい人ばかりがいた。アリスを病院に閉じ込めたラトレッジ精神病院のウィルソン先生、「愛の鞭」を振るったナース・ウィットレス。彼らは善人面はしているものの、アリスのことをイカれきっているヤツだと軽蔑している。

alice_16_25.jpg
忘却を利用しようとした悪魔だ

 そして、“記憶”を消すことに固執していたバンビー……。こいつがアリスの精神に土足で乗り込んでくる悪魔であることは、間違いないのだ。

alice_16_26.jpg
戦わなければならない時が来たようだ

 赤の女王は「権力には従うか、転覆させるかのどちらかよ!」と厳しい言葉を突きつける。ワンダーランドの破壊を許さないのであれば、現実を転覆させなければならないのは事実だ。そう、アリスはいよいよ現実との決別をつけなければならなくなったのだ。

○ アリスマッドネスリターンズ 17 復讐すべきはドールメーカー
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1271.html

このエントリーをはてなブックマークに追加