『Alan Wake's American Nightmare』を終えて

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『Alan Wake's American Nightmare』はあまりにもバッサリとしすぎている

 『Alan Wake』において、Remedy Entertainmentはプレイヤーにさまざまな謎と問いかけを与えた。作中で描かれた現実と虚構の曖昧なコールドロンレイクは、それこそわれわれのいる現実にすら影響を与えかねないのだと。

 そして、その続編であるXBLA『Alan Wake's American Nightmare』(以下、『American Nightmare』)はどうなったかというと、光の闘士であり作家でもあるアラン・ウェイクが、闇の使者であるミスター・スクラッチを倒すという完全なアクションゲーム(あるいはシューター)になった。あまいにも潔すぎて、笑って(あるいは怒って)しまうかもしれない。

 しかし、その方向転換は間違いというわけではないだろう。なぜなら、前作の時点でやや混迷していたゲームだということは、以前からわかっていたのだから。

○ Alan Wake 21 プレイ後記
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『American Nightmare』の具体的な変化

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 さて、前作『Alan Wake』はサイコホラーとでも呼ぶべきジャンルだったのだが、その実態はかなりいびつなものだった。というのも、途中からスリラーになるかのようにアクションシーンが豊富だったのだ。

 かつてカプコンの『バイオハザード』シリーズや『ディノクライシス』がアクション側に傾倒していったように、かなりよく作りこまれた『Alan Wake』は一作の中で、アクション側への移行をはじめてしまった。

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 そしてこの『American Nightmare』は完全にアクション(あるいはシューター)側にやってきた。もはや恐怖とは無縁でありそういう演出もなければ、そもそもループをすることによって、キャラクターたちも敵に慣れきっている始末である。

 ついでに銃も大量に新しいものが出てくるようになり、アサルトライフルやらオートショットガンまで出るほどだ。これはもはやTPSだとか、そういうジャンルに属する作品になったといえるだろう。

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 しかも、新しく登場するキャラクターも(前作に比べれば格段に)美しく魅力のある女性キャラばかりだ。おまけにその中の登場人物を助けたり、あるいはアランが彼女から誘惑されるシーンまである。そういったアクションを盛り上げるための要素まで入れているのだ。

アラン・ウェイクは軍人にでもなったほうがよかったのではないか

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 ただし、『American Nightmare』はアクションゲーム(あるいはシューター)としては明らかに磨きが足りない。確かに努力は見られるが、あくまで前作に刃を付け焼きしただけなのだ。

 前述のようにさまざまな武器、そして新しい敵が出現するようになったり、アランがかなり走れるようになって逃げる戦法を取りやすくなり、オートエイムが弱まり、確かに調整はしてある。が、「闇を照らして銃を撃つ」という表情に乏しい戦闘は、単調さから逃れられない。

 やはりこのゲーム、変化が少ないのである。が、このあたりはXBLAで続編を出したということからして、仕方ないのかもしれない。調整はされていても、根幹から作りなおした作品というわけではないのだ。

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 また、前作の設定を台無しにする部分もあるので、この方向性の変化は失望も産むだろう。ミスター・スクラッチは何か意味深長な人物だったはずなのに、ただの悪役になっている。また、今回も「胡蝶の夢」のような話は出てくるが、そんなものはかなりどうでもいい。せいぜい続編を作りやすくする都合のいい設定でしかない。

 こうなると、『American Nightmare』は奇妙な闇の世界を冒険するという点が特異でありウリだが、結局はだいぶ脆弱なアクション(シューター)であるという評価にたどり着くことになるだろう。

アラン先生はそろそろ転職の時期か

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 それにしても、大作すぎて方向性が曖昧になった『Alan Wake』、そして今度はXBLAで規模が小さく前作からの地続きだったからこそアクションに特化しきれなかった『American Nightmare』と、ずいぶんと皮肉めいている。

 前作こそ小さくしてホラーかアクションかはっきりさせるべきだったし、本作のような作品こそパッケージで展開して大きくアクション側に刷新してもらいたかった。どうもこのシリーズ、適切な裁量がうまくいっていないように見える。

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 ところで、アラン先生は今回で他人の創作にも登場することができたようだ。これは大きな進展である。どういうことかというと、つまり、アクションゲームとしてさまざまな舞台に登場することも無理ではなさそうなのだ。

 そもそもこのシリーズ、作品を構成する部品の品質に関してはいうことがないのである。ただ、表現すべきものが明確に定まっていないためにいまひとつな印象が残るだけ。となれば、「光の闘士、アラン・ウェイクが闇をすべて倒す!」という形が定まり、XBLA版で挙げられた不満をきちんと解消すれば、立派なアクション(あるいはシューター)ができあがることだろう。

 もしそうなれば、本作でアラン・ウェイクはその第一歩を踏み出したことになる。作家であるアランは複雑な物語を書くことより、自分の世界で銃を撃つことに天性の才能があったのかもしれない。



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Alan Wake's American Nightmare 1200MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Remedy Entertainment Ltd. ジャンル:アクション & アドベンチャー, シューティング 2012/02/22

 『Alan Wake』の番外編となる作品である。
 今回はアリゾナ州にあるナイト・スプリングスに向かい、ミスター・スクラッチと戦いを繰り広げる。
 そこで見ることができるのは、繰り返されながら闇に蝕まれる世界。そして立ち向かう光の闘士。
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Alan Wake's American Nightmare 07 アーケードモード

アーケードモードはやはりオマケである

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マップは5種類×2

 さて、前回で本編は終了したので今回からはアーケードモードをプレイしていこう。これはひたすらに敵を倒すというモードである。

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とにかく生き延びればクリアとなる

 ルールはいたって簡単。制限時間である10分を生き残り、より高いスコアを稼いでいくというわけだ。武器はマップごとに落ちている場所が違うので、それも覚える必要がある。

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回避が完璧にできないとハイスコアは狙えない

 また、敵を倒したり敵の攻撃を回避すると、スコア倍率が上昇する。もっとも、本気でやり込むのでなければ、攻撃を食らわないようにしてすぐ敵を倒せば十分だ。

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クリアすること自体はまあ楽といえば楽

 とりあえず最初のステージである「墓地」をプレイしてみたが、あっさりとクリアすることができた。しかしあまり面白くはなく、フレンドがやりこんでいない理由がよくわかった……。

 このアーケードモード、というか『Alan Wake's American Nightmare』自体が前作に比べてシューター寄りの作品になってはいるが、やはりアクションゲームやシューターとして見ると見劣りする作品なのである。敵の動作はやはり単調だし、戦略らしい戦略もそこまでなく。とはいえ、オマケなので期待するほうがおかしいか。
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Alan Wake's American Nightmare 06 ハッピーエンド

ACT3:解決

 ミスター・スクラッチと奮闘するアランだったが、まったくうまく行かずまたもやループの波に飲まれてしまった。アリゾナ州で冒険を繰り広げるのもこれで三度目であり、そろそろ正直を見せて欲しいところだ。

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こいつは体力が多くて倒すのが面倒で仕方ない

 さて、三周目ともなればもはや手慣れたもの……と思いきや、なんと今度は巨人が新しい敵として登場してきたではないか。このあたり、ジャンルが完璧にアクションゲーム化した証拠といえよう。

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ものを集めたりエマに会うあたりが略された

 とりあえず三つのパーツを……、と思いきや、なんと今回はいきなり油井の準備が整っていたではないか。省略してくれるのはいいが、都合が良すぎるのでは。

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やはりこのゲームにおいてエマが一番人気なのではないか

 実はこの前準備、エマがすべてやってくれたというのである。なんて気の効くヒロインなことか。ついでに、彼女が生き残れるような手段も考えねばなるまい。

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女のためにえんやこら

 連中は配電盤を破壊してエマを襲ったそうなので、このあたりに電気をつけておけば安全だろう。

 ちなみにエマ、このころになってようやく真実を話してくれた。というのも、実は彼女は例のパーティーに行っており、ミスター・スクラッチにかなり見惚れてしまったそうだ。もっとも、その後に起こった惨劇のせいで目を覚ましたそうだが、今いるアランを見て「あなたもああいう人みたいになれるのよね?」などと言うのである。まったく、ハーレムものかよ。

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アリスもさっさと再婚すればいいのに

 次は観測所……、に行く前に、近くのラジオを付けてみたところ、なんとアリスが登場していたではないか。彼女は以前にも書いたように、昔のアランの映像を映画として公開する予定なのだ。そのためにインタビューを受けているそうで、その様子はなんとも物悲しそうである。

 プレイヤーとしてはあんなブサイクの元に帰りたいとは思わないが、アランは別だ。とにかく、ミスター・スクラッチをさっさと片付けねばなるまい。
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Alan Wake's American Nightmare 05 二度目でも彼女は守れなかった

ACT2:後退

 ナイトスプリングス・ドライブイン・シアターで宿敵であるミスター・スクラッチに戦いを挑んだアランだったが、シグナル(原稿)が足りないせいで勝利することはできなかった。おまけに、気づけばまたあのモーテルの近く。時はループしているのだ。

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鳥は本当に倒すのが面倒だった

 またもやモーテルの近くに戻ってきたアランだったが、やや様子がおかしい。なんと前作でさんざん面倒なことをしてくれた鳥がまた登場したのだ。

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できるだけライトを当てないで撃ちまくることになる

 しかも今回は、鳥が集まって人型のバケモノに変身するのである。おまけにこいつら、ライトを当てると逃げて行ってしまうのでますます厄介。どうもループではあるものの、こうして敵は進歩しているようだ。

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死んだはずの女も元通り

 さて、敵を処理したあとエマに会いに行くと、なんと彼女は今までの記憶を忘れていなかったのだ。しかも自分が殺されたことすらうっすら覚えており、アランに奪われたバッテリーの場所をすぐに教えてくれた。どうもループ後はこうして手順を省けるらしい。

 それにしてもアラン先生はギャルゲーの主人公のようである。ループはその手のゲームでもよく使われる題材だし、彼女たちはミスター・スクラッチ(つまりアランの一面)に惹かれているという原稿があるし、メインヒロイン(アランの妻であるアリス)がどうでもいいあたりもギャルゲー的である。

 そもそもこの作品はアラン先生の著作なわけで、やはりモテたいという深層意識があるわけか。各地にいるヒロインたちも、別に女である必要はないのに……。

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ミスター・スクラッチは現実で欲望を満たす

 そんな隠された欲望を持つアランの影であるミスター・スクラッチも、かなりやりたいほうだいしているようだ。今度のテレビでは、彼がファンの女をひっかけてぶち殺すなんてことをやっていた。やれやれ、せめてアラン先生のように、創作の中でやってほしいことである。

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このあとはさっさと逃げるというのも同じ

 ともあれ、また油井を爆発させて同じ事をすればいい。また同じ事をしなければならないわけだが、作業手順はいくらか省略されているので、楽といえば楽だ。

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エマはリョナ担当ヒロインというところか

 しかし、ループをして助けるはずだったエマは、また闇にやられてしまったので笑える。さすがに記憶のある二度目ならば大丈夫かと思いきや、相手のほうが一枚上手だったようだ。

 それにしても、ループをしてヒロインを助けるというあたりも、これまたギャルゲー的である。なんだかんだでこのアラン・ウェイク、自分の世界を楽しんでいるのではないか?
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Alan Wake's American Nightmare 04 シアターでキュレーターに誘惑される

ACT1:キュレーター

 闇の化身、ミスター・スクラッチに対抗する武器を手に入れたアラン・ウェイクは、続いてナイトスプリングス・ドライブイン・シアターへと向かう。

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いかにもアメリカンな施設である

 アラン大先生は車を乗り回し、ナイトスプリングス・ドライブイン・シアターへとたどり着く。ここで映画を見て一息、なんてしている場合ではない。

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今度の女は眼鏡ビッチか

 まずは誰かいないかと入り口の建物に入ると、暗い部屋に眼鏡の女がいた。が、どうも様子がおかしいのだ。彼女はアランを見るなり「なんでもするわ」だとか「痛くしてくれる?」などと、遠まわしに卑猥なことばかりを言うのである。

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いつになくモテるアラン

 アラン先生、いくら自分の作品だからといってハーレムものにするとは……、というわけではなく、実は彼女、闇に触れられてしまったせいでこうなっているようだ。しかも喋っている内容を聞く限りでは、ミスター・スクラッチの手によって何かをされたそうである。

 この正気でない女を前に、アランはうまく誘導尋問をしてミスター・スクラッチの目的を聞き出す。なんでも向かいにある建物に入ることがヤツにとってマズいそうなので、あえてそうすればいいというわけだ。

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ミスター・スクラッチもすっかり悪役が板についた

 その建物に向かうため、まずは発電機を動かさなければならない。さっそく向かうことにすると、なんとミスター・スクラッチが姿を現した! 自身の手でこちらの邪魔をしてくるとなると、いよいよ追い詰めたということなのか?
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