アイドルマスター 2 レビュー

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アイドルマスター 2

 『アイドルマスター 2』(以下、アイマス2)は2011年2月24日にバンダイナムコゲームスから発売された育成シミュレーションゲーム。開発はナムコ。

 題からわかる通り、Xbox360版の『アイドルマスター』(以下、前作)の続編。このシリーズの原点はアーケード版同名タイトルである。アーケード版にいくらか手を加えた前作の後に『アイドルマスター ライブフォーユー!』をリリースし、その後は一旦、PSPやDSといった携帯機で作品を出してからまたXbox360に戻ってきた。

 内容としては、様々なアイドル候補生をレッスンや営業、オーディションといったものに参加させ育成し、トップアイドルを目指していくというものである。前作からの変更点としては、ゲームシステムが一新された点と、新規キャラクターが追加されシナリオ面での強化が図られた点が最も目立つ部分だ。また、HD画質でアイドルたちが踊る映像を見ることができるのも前作から続く特徴である。

 内容把握のためにプレイ内容を記録したので、興味のある方は参照されたし。(ネタバレ注意)

○ アイドルマスター 2 プレイ記録
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-category-55.html

アイマスの持っていた方向性と、ギャルゲーの持つべき方向性

 このアイマス2について語るとなると、何から書けばいいのかわからなくなってしまうのが正直なところだ。筆者はXbox360版のアイマスシリーズにしか手を出したことがないので、まずは育成SLGのギャルゲーという存在から始め、前作から見るアイマスのギャルゲーとして進化すべき点と、そこから発生するであろう問題を考えていきたい。

 さて、アイマス2をはじめる前の記事にも書いたが、基本的に育成SLGは数値管理といったゲーム要素が重要となり、シナリオを多く入れられない。これは育成SLGが育成計画や対戦時の戦術を研究することに視点を置いたジャンルであることを考えれば、至極当然の話である。しかし、今のギャルゲーの主流がノベルゲーム(もしくはアドベンチャーゲーム)であることからわかるように、ギャルゲーにシナリオは必須なのである。

○ 『アイドルマスター 2』購入
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1046.html

 これはここ最近の話でなく、それどころか1999年ごろに変化した話だ。当然のようにその後もシミュレーションといったジャンルの作品は出ているが、やはりシナリオというのは重要視される。現在Xbox360で発売されているギャルゲーの大半もそれを重要視しているだろう。

 2011年4月に発売されたものであれば『CROSS†CHANNEL~In memory of all people~』や、同じく既に発売済みだが名作と名高くアニメまで開始された『STEINS;GATE』や、あるいは、最高峰のシナリオを誇ると言われている発売予定の『ever 17』がある。どのギャルゲーも充実したシナリオが重要視されており、この流れはそう簡単に変化しそうにない。

 無論、女の子ばかり出てくる格闘ゲームという作品等も出ている為、すべてがすべてこのジャンルだというわけではないことは確かだ。しかし、やはり育成SLGのギャルゲーというのは一昔前の作風なのである。理由は前述したように、シナリオが入れづらいためだ。女の子に感情移入するためには、しっかりとした物語を用いて感動させることが重要だと判断された歴史がある。

 果たして「アイマス」の前作はその要求に応えられていたのか。はっきり言って、これは今ひとつとしか言いようがなかっただろう。まずは前作の中身を見ていきたい。

 やはりアイマス1は、育成SLGであるがため話が入れづらく、それどころか特定のキャラによっては必須イベントではないものにエンディングと関わってくる話を持ったものがあり、最後の最後で物語が繋がらなくなるということまで起こり始めている。具体的に言えば、とあるキャラには死んだ弟がおり、そのことが物語に関わってくるはずだったのだがそのイベントをスルーすることができてしまい、エンディングでいきなりその話を持ち出してきてプレイヤーを混乱に陥れるなんてことがあったわけだ。こんなことではシナリオどころではない。

 ならばゲームとしては素晴らしかったのかといえば、これも今ひとつだったとしか言いようがない。アーケード版に準じた作りであったため、とにかく内容が作業に作業を重ねたものとなっている。しかもアーケードであればクレジットを奪うことになる要素になったであろうランダム要素まで強く、正直、家庭用ゲーム機に向いたシステムではなかった。また、オンライン対戦で人と競うことが重要だったのだが、そもそもプレイヤー総数が少ない上に、家庭用ハードで出したためにセーブが任意であり負けたとしても記録さえしなければ問題ないのである。つまり、勝負する意味合いも薄くあまり良いものではなかった。

 ではアイマスの何がウケて2が出るまでになったのかと言えば、これはおそらく3Dグラフィックスで違和感無く描かれたアニメ絵のキャラクターがグリグリと動くことだったのではないだろうか。モーションキャプチャーによって作成されたHD画質で見られるダンスシーンは実に見事で、ゲームなど遊ばずともこれを見るだけで楽しめた。だからこそ、動画閲覧サイトでの人気も高まったのだろう。ましてや、ギャルゲーにおいて動きというものは大切で、愛嬌のある動きを持つアイマスはそれだけで価値があったのだ。

 さて、こうなった場合、アイマス2はどのような変化を遂げるべきだったのか。前述した記事にあることをまた繰り返すが、シナリオ面の強化をすることと、ゲームをもっと家庭用ゲーム機に向いた内容にすることと、キャラクターの動きや可愛らしさを強化することが必要になってくるわけである。前作からシステムを継承するのであり、且つプレイヤーの要求に応えるのであれば、このあたりが抑えるポイントになるだろう。

2になったことによって進歩した点や発生した問題

 そして、僕の睨み通りアイマス2はそのような進歩を遂げた。まず、家庭用向けにゲームシステムを一新し、竜宮小町やジュピターといったライバルキャラを用意して、シナリオ面での強化を図った(厳密に言えば、シナリオを強化する方針はPSPの『アイドルマスター SP』からのようだ)。キャラクターの見た目については言うまでも無く進化しており、例えこれが別ジャンルのゲームになっていたとしても行っていただろう。

 これらの変化が一部のファンには不評だったようで、訳のわからない署名運動に発展したのは前の記事を読んでもらえばわかってもらえるだろう。特に一部メインキャラの降格、そして男性キャラの追加についての反発だったようだが、これについては最後に語ることにする。とにかく、反発は出たのだが、ゲームを進化させる方向としては決して間違っていない考え方だったはずなのだ。

 アイマス2の進化した部分で見逃してはならないのは、育成とシナリオを分離しそれぞれを独立させた点である。シナリオは育成に関係なく自動で進むため、話に矛盾やプレイヤーの見逃す部分が発生しないように気を使っている。ただし、これでエンディングまで行ってしまうと育成の意味がなくなるため、最後のIA大賞だけは育成を成功させなければグッドエンドに辿り着けないという内容になっている。

 これは『プリズムコート』的なやり方だ。ゲーム部分とシナリオ部分を分離させることによって両立させるという作り方で、前作からすればきちんと反省できているだろう。具体的に言えば、ミニゲームによってキャラを育成させたりオーディションに出し、特定のポイントにたどり着くと勝手に話が進行していくのである。このお陰でシナリオもゲーム部分も強化されたので問題はないのだが、やはり構造的な問題は解決できていないので齟齬・矛盾が起こっている。

 まず、ライバルである竜宮小町・ジュピターは天敵であるはずなのにあっという間に負けてしまう。これはゲームが一年間で進むのに、その間でライバルを倒さなければならないという過密スケジュールの都合である。お陰で竜宮小町は楽曲を一曲しかリリースせず、一度負けてからはあっという間にフェードアウトしてしまう。ジュピターも話の都合上負けが確定しているために、どうも勝負に迫力が出なかったりあからさまに相手が弱体化する。

 また、物語と育成結果の齟齬も起こっており、最強のライバルであるジュピターに打ち勝ったというのに、IA大賞を受賞できないことがある。傍から見ると意味不明であるが、では必ず受賞できるようにしては育成の意味がないのだ。本作では育成の意味合いを持たせるため、物語に違和感を与えてでも育成の意味を採用したようである。

 そして、育成的な不自由さも残る。強制的に入るイベントがいくつかあるため、ひたすらに育成を楽しもうとする場合にはそれが邪魔になる上、結果的には最後まで勝ち続けるという筋書きがあるために途中で脱落するということがない。

 以上、これらがアイマス2の表面的な欠点と言えそうだ。育成シミュレーションをシナリオを読ませるゲームとして強化しようとしたのは確かだが、そのせいでチグハグとした点が出てきてしまっている。これはまさに、強制イベントを入れた育成SLGとして問題が起こり、ゲーム要素を優先させるとシナリオとして、あるいはその逆としても問題が起こりやすいというわかりきった結果である。これは構造的な欠陥であり、よほどうまくやらなければ避けられぬ運命だ。シナリオを重視するのであればノベルゲームに移行するのが至極当然だと証明してくれるような話である。

 ではアイマス2は駄作なのか? と読者は結論を急ぐだろうが、誰がそんなことを言ったというのか。それどころか、これらの問題は見通しが甘かったのではなく、意図してやったのだと思われる。理由は簡単で、アイマスの魅力を出すにはこうしたほうがいいからだ。

アイドルマスターはRPGだ

 さて、そもそもアイマスの魅力とは何なのか。前述のように欠点を見てしまえば、ノベルゲームにでもしてキャラクターとのキャッキャウフフ風景と濃厚なシナリオだけを描いていれば良かったのだ。それだというのにこうして時代遅れの育成SLGに執着しているということは、それがアイマスの魅力だと製作側が考えているからに違いない。

 そして、僕がこのゲームをやっていた際に面白いと感じたのは、完璧で整合性の取れた感動的なシナリオを見られた時でもなく、最高に奥深さがあって歯ごたえのある育成SLG部分をやった時でもなく、アイドルを自分の手で育てていると実感した時なのだ。

 今回、アイマス2においてはこの育てる楽しみというのが強調されている。基本的なもので言えば、営業が次第にランクアップしていくこと、活動するごとにユニットレベル・ランキング順位が上昇していくこと、金を貯めて衣装やアクセサリを買って増やすこと、ハイスコアの更新でステータスの上昇を理解できること、そして、明確なライバルがいてそれを打ち破っていくことがそれだ。

 これを要素にして書き出すとどう楽しいのか良くわかりやすくなるので、やってみよう。レベル、金の貯蓄、装備の収集、敵との勝負、経験(レッスンや営業)による成長、そして展開される物語。……これだけ見てみると、まるでRPGである。そう、アイマスの良さというのはRPGに似ているのだ。

 いっそのこと、アイマスはRPGだと言ってしまったほうが良い。アイドルは勇者であり、同時にプレイヤーの身を写した分身のような存在であり(ゲーム中に存在する主人公はプロデューサーであるが、感情移入する対象は明らかにアイドル達である)、且つかわいい女の子なのだ。レベル上げや戦闘も楽しいし、彼女達が世界のトップを取る物語も面白いRPGのようなものである。

 これは例えば『ドラゴンクエスト』といったRPGと同じような考え方だろう。通常、主人公がお姫様を助けて世界を救うといった物語と、コマンド選択式戦闘によってHPやMPを管理しスライムなどと戦うことに直接的な繋がりはない。言ってしまえば、スライムと戦うのは話を進めるために必須ではない面倒な作業であり、何なら連中を何匹も倒さなくとも世界は救えるはずだろう。しかし、戦闘やそれに伴うレベル上げというのは、最終目的である「強くなって世界を救う」ということに収束していき、プレイヤーはそれをすべて一まとめにして、強くなり世界を助ける過程を楽しむのだ。だからこそ、戦闘とストーリーという性質の違うものをひとつにして楽しめる。

 しかし、前述のようにギャルゲーというものはノベル系になるのが自然なのである。そのため、逆にこれをギャルゲーの『ときめきメモリアル』で考えてみたい。意中の女の子に結ばれることと、自身のステータスを管理しカッコ良くなることは収束するだろうか。一見、「育成して女の子と結ばれること」が目的となり辻褄があっているように見えるが、実はギャルゲーの目的とは「女の子にモテる」ことであり、育成や過程は必ずしも要しないのだ。それどころか、ゲーム要素の強いものは邪魔にしか感じられない。また、ストーリーを強調しすぎると読者の興味が先を読みたいということに集中するため、ゲーム部分が邪魔に感じられる(ギャルゲーではないが、最近の作品では『キャサリン』もそうであったか)。故に、プレイヤーが頭を悩ませる必要性の薄いノベルやアドベンチャーになるのだ。

 では、アイマス2はどうなのか。このゲームは確かにギャルゲーであるが、今回は戦いという固定シナリオを絡ませることによって、「アイドルを育てた結果に女の子と結ばれる」ことを目的としている。要は、本来はギャルゲーにおいて無関係であるはずの、ゲーム的育成部分とシナリオを一体化させることに力を注ぎ込んだわけだ。いわば、RPG的な構造でギャルゲーを再現したのである。

 これはゲーム的な楽しさとギャルゲー的な楽しさを総取りしてしまおうという大胆な考えである。普通は片方を諦めてノベルなりアドベンチャーゲームにしたり、あるいは女の子が出てくるだけの普通なゲームにするわけで、なんとも贅沢な方法だろう。

 そして、アイマス2はどちらかといえばギャルゲー的要素よりもゲーム的な楽しさを追及した作品だ。はっきりいって、これは通常のギャルゲーが好きなプレイヤーからすれば邪魔でしかないが、ゲームを楽しみつつ女の子の姿を見たいというプレイヤーにはもってこいだろう。故に、この作品はギャルゲーというよりかは、ゲームにアイドル要素が付加されていると言ったほうが正確なはずだ。おそらく、アイドルを動物や男にしたとしても成立するだろう。

 こういったゲームと物語を混ぜるというのは、アドベンチャーゲームやノベルゲームでやっても胡散臭い結果に終わる。ゲームでする努力というのは、作中のやや作業的な苦労を経験し、それに数値が伴わなければ実感が湧きにくいのだ(RPGで言えば、敵を倒すこととそれで得る経験値や装備のことだ)。そして、アイマス2はそれを表現しようとしている。先ほど説明した、ハイスコアやレベル、金といった要素がそれだ。

 ノベル系のゲームはキャラクターのかわいさを強く表現できる一方で、読み進めていくだけでプレイする要素が少ない。要は、普通のアクションゲームなどにおけるプレイすることによって得るゲーム的感動はなく、シナリオ的感動しかないのだ。しかし、アイマスはあえてそこを狙い、ギャルゲーでありながら、プレイヤーがゲームで遊ぶ楽しみと、物語の楽しみを両方得ようとし、しかもそれを構造的には独立させつつも中身としては分離させまいとしたのである。これはノベル系のゲームにはまずできないことだろう。

 つまり、「アイドルマスター」というゲームが精彩を放つのであれば、これは確かにアイドル育成シミュレーションという古臭いジャンルでなければならなかったのだ。故に、シナリオと育成ゲームを独立させて齟齬が発生してしまった。だが、きちんと自身の魅力を理解して展開しようとしている姿には非常に好感を持てる。だからこそ、欠点も込みでこの作品を楽しめたのだ。

 そのため、アイマス2は前作からそういった進化を遂げたのだろう。ゲームシステムを一新し、固定シナリオを追加する。アーケード版にあったランダム性を廃し、対戦も確実に接戦になるよう対人をなくてバランス調整をした。こうすることによって、アイマスの「ゲーム的要素と物語的要素がうまく混ざった楽しみ」という魅力がよりわかりやすくなったというわけである。これらによって発生した構造的問題を今までと違うだのということで否定することは、アイマス2において製作側が出そうとした魅力そのものを否定することになってしまうだろう。

 こう考えると、やはりアイマス2の変化は腑に落ちるものだと言えよう。前作ではRPG的要素による感情移入はあったが、シナリオ面でプレイヤーを引き込むことが難しかった。ならばそこを盛り上げるために努力するのは当然である。しかも、固定された話をきっちり入れるからといって、育成の意味を薄れさせればアイマスとしての価値がなくなる。そのため育成結果は最後の最後にしか関係しなくなり、齟齬や矛盾が発生する。しかしそれらは理想を得るために仕方なく内包されてしまったのだ。故にこれは欠点と言うべきではなく、長所を生かすために存在している仕組みだと考えるべきだろう。

アイマス2に残る本当の問題とは

 こうしてアイマス2の方向性を褒めたところだが、ではこの作品が完璧であるということにはならないのだ。言うまでも無いが、問題もきっちりと孕んでいる。今回は問題を3つ取り上げよう。

 まず1つ目は、全体の方向性は理解できるがシナリオの方向性があまりうまく矢印を示せていない部分だ。はっきりいってこの作品、まともに話を見られるキャラクターは3人程度である。私見では、きちんと作れているのが雪歩・貴音・真美だけであり、明らかな失敗をしているのが千早、無難な出来になったのが美希と真、そして残りの3人はワンパターンに陥っているだけのあまり見る価値がない内容になっている。

 このゲームはIA大賞を獲得するというメインイベントを中心にし、それぞれの切り口で話を展開するというよくある形態を採用している。これ自体に問題はないものの、やはり育成要素を盛り込まねばならないため、用意できている固定イベントは数えるほどだけだ。こうなると話がワンパターンになるのはある程度仕方ないのかもしれないが、しかしやろうとしていることは違うのである。前作からシステムを変えて物語を強調したとなれば、本当に見せたいものはノベルゲームに負けないような感動的な話であろう。

 それを最も理解しているはずなのが、最も失敗している千早シナリオである。これは『Kanon』だとかの作品を彷彿とさせるような、「キャラに唐突な不幸が起こってそれがなぜか奇跡で復活する」という悪しきパターンの内容なのだが、何をしたいのかはわかるだろう。つまり、ノベルゲーム的なシナリオを入れて、育成を成功させた結果に感動的なエンドを見せ、プレイヤーを泣かせようとしたのだ。(しかし、固定イベント数が少なく丁寧に描けず見るも無残な失敗をしている。)

 同時に、成功したと思われる3つのシナリオを見ていこう。まずは貴音シナリオだが、これは千早と同じく、IA大賞獲得という本編はだいぶ蚊帳の外で、アイドルとして成長することよりは、明確な不幸が出てきてそれを退けるという話になっている。しかし、育成に失敗するとかなり後味の悪いバッドエンドになってしまうため、プレイヤーはこれを退けようとする。これまた物語の強化をしつつ育成もさせるという理念に合っており、理解ができるだろう。

 逆に、IA大賞取得という本編に従順でありながら良く出来ていたのが雪歩シナリオである。これは弱々しいアイドルを立派に育成させるという素朴なシナリオで感動などとても狙えないのだが、この作品がアイドル育成SLGであることも相まって、成長させた実感をプレイヤーに強く印象付けるであろう内容になっている。物語的感動は狙っていないが、育成SLGにぴったりのシナリオと言えよう。

 最後に残った真美シナリオだが、これは本編をひたすらに無視をし、ギャグに徹している。確かにIA大賞だとかプロデューサーが海外に行ってしまうといった話は題材として使うのだが、本質はそことは関係がなく、亜美と真美というキャラクターが暴れまわるだけの内容となっている。

 以上の4つのシナリオは、やり口や成功の程度に差はあれど、アイマス2の育成と物語を強化した内容に合致していると言えるだろう。物語で感動を狙うついでに育成を利用するか、話自体は素朴であるものの育成を盛り上げることに徹するか、あるいは話を書けるスペースを利用して笑いを誘うかといった所である。

 ただし、これはこれで最高の出来となっていないのがまた困った話である。やはり育成SLG要素も重視したがためにストーリーに不自由が生じてしまい、いまひとつ消化不良になっているのだ。例えば、千早シナリオが失敗したのは明らかにイベント数が少ないせいであろうし、貴音シナリオで物語にしこりが残るのもまた物語に全力投球ができないせいだ。これは残念なのだが、両方の要素を取ろうとした場合は仕方ないと考えるべきなのだろう。問題は残った無難なシナリオたちなのである。

 特に最悪なのが、春香・やよい・響のシナリオだ。彼女たちは一度自身にリーダーの資質がないのかと悩み、プロデューサーに励まされて自信をつける(ついでに惚れる)という見事なワンパターンに陥っているのである。これの何が問題かといえば、育成SLGの話としてはまだいいものの、シナリオを強化したゲームとは相反する内容になっていることだ。

 なぜアイマス2はいちいち根幹から手を加えたのか? それは前述のように、シナリオと育成の両方を強化しようとしたからである。それだというのに、話が単純でワンパターンというのは変化した意味がない。これでは単なる育成SLGのほうがまだマシだったという声が出てきてもおかしくはないだろう。

 そして、美希と真のシナリオはそのパターンに陥っていることはないものの、話的な盛り上がりも育成的な盛り上がりもない。千早のようにぶっ飛んだ展開を見せてくれることもないし、雪歩のように育成と噛み合ったしみじみとした話を見せるわけでもないのだ。これらもまた、変化について来ていない内容になっている。

 これはシナリオライターとの連携が取れていなかったのか、あるいは時間がなく内容が思いつかなかったのか。正解はどれか知る必要はないだろうが、どうもこのあたり、2の企画と物語の方向性が完全に一致していなかったと言えるだろう。

 もし、アイマス2の全体の方向性として、育成と物語の楽しさを総取りしようと考えていたという考察が正しかったのであれば、そしてそれが強く認識されていたのであれば、盛り上がりもクソもない彼女たちの話もまだもう少しまともになったはずであり、同時に魅力を発揮できていたはずなのである。もしくは、発揮することができていないにしても、千早シナリオのように挑戦する姿勢だけはあったはずなのだ。

 続いて2つ目の問題は、システムが周回プレイに向いていないことだ。シナリオを強化したことになれば好きなアイドルだけを遊ぶというわけにはいかず、全員の話を見ることが重要になる。基本的にギャルゲーのシナリオとは短編の集合体なわけで、当たり外れがあるにせよ一通り読むことが多いだろう。

 しかし、このアイマス2はとにかく煩わしい。既読スキップやバックログはないし、ボタンを押しっぱなしで会話を飛ばすこともできない。また、お守りを購入する場面や、衣装・楽曲・ポジション設定の画面はいちいち聞いてきて煩わしいことこの上ないわけである。おかげでプレイ時間が無駄に膨れ上がるだろう。

 これらの仕様、確かに育成SLGとは間違っていないのである。選択肢をミスしやすいのはゲーム的に問題なのでゆっくりと選択させるべきだし、スキップ機能も本来は必要ない。ただ、全体の方向性としてはやはりシナリオも重要視されているはずなのだ。一応は周回プレイで楽になるような機能も用意されてはいるのだが、まだとにかく中途半端で、シナリオを見やすくさせるという必要性がわかっていない。

 最後である3つ目の忘れてはならない問題は、一部キャラクターのサブ降格である。今回は竜宮小町というサブキャラ側に渡ったメンバーがいるのだが、彼女たちはもともとプロデュースができたメインヒロインであったのだ。既にこのレビューで記したように、このゲームは遊ぶ上で実際にプロデュースして育成することも肝心なので、彼女達がサブキャラに回ってしまうのは痛いだろう。

 しかし、これはいずれ起こるであろうことだった。今回作中に登場する女性アイドルは竜宮小町を含めると13人。はっきりいって、全てをプロデュースすることに対応するのは手間どころなどの話ではない。まず、個別シナリオを作るのですら恐ろしく大変だろう。そして、一人増えればシナリオが一本増え、収録すべき音声の量もアイドルの組み合わせなどで増えるし、イベントの種類や話の展開が他とかぶらないように気を使わねばならない。一人を増やせばその瞬間、乗算するように労力が増えていくはずだ。大体、13周も遊ぶに耐えうるゲームシステムを作れというのが無茶である。アイマス2も、プロデュース可能アイドルが9人しかいないのにせいぜい5周が限界だ。

 これをすべて対処しようとするのはとてもではないが現実的でないだろう。無理に通せば駄作が出来上がるに違いない。通常であれば2になるにつれて既存キャラを一新するものだが、アイマスに関してはすべてを切り捨てることはできなかったようだ。

 この点を顧みると、ライバルキャラのジュピターに男を採用したのは良い判断だ。人気が出なければ無かったことにすれば良いし、逆にファンがついたら別展開で活躍させればいいのである。このライバルがもし女キャラだった日には、アイマス3なり2の移植・リメイクなりで更にその彼女たちをプロデュースさせなければならず、同時に削除キャラを増やすということにもなり、さぞ苦労することになっただろう。

 それにしても、アイマスが既存キャラを一新しなかった理由は何か。これはアイドルゲームであるからキャラ人気がやたらと高く変えられないということもあるのだろうし、一度作った3Dモデルを捨てるということも出来ないのだろう。あるいは、声優とキャラクターの特徴を関連付けているので(例えば、美希の好きな食べ物であるおにぎりは中の人の好物でもある)、声優ファンのことを考えると切るに切れないのか。

 どれも原因としては妥当に思えるが、本質はそういう部分ではなくそもそものアイマスの理念にあるのではないだろうか。元々はアーケード版で出発したこのシリーズだが、例外的にDS版では別キャラクターを主役に据えたものの、それ以外のXbox360版、PSP版、そしてアイマス2でもキャラクターは同じだ。移植といった面もあったとはいえ、同じヒロインも何度も使いすぎである。ここまで来ると『アイドルマスター』というブランドを売りたいというより、キャラクター商売としてこのシリーズを開発しているようにしか思えない。

 この憶測が当たっているのであれば、竜宮小町のサブキャラ化というのは非常に崖っぷちの判断だったのではないだろうか。2になるにあたりプロデュース可能アイドルが増えるためキャラ削除をしなければならないが、それは元の理念からすればとても忍びない。となれば、話に絡ませつつ添え物として我慢してもらうしかないだろう。他にどのような使い方があったというのか。

 そもそも、アイマス2の時点で同じヒロインが登場するということが苦しくなっているのだ。前作から少し時間が経過しているという設定にし見た目を変えたのはいいが、次があるならどうするのか? そして、そのうちシナリオが焼き直しになってしまうであろうという問題にどう直面するのか? 何より、同じキャラで似たようなことばかり繰り返していけば人気が降下していくのがオチだろう。

 それに対し、キャラクターを穏やかに入れ替えていくのか、それともプロダクションごとに別の単位で展開することにするのか。どう舵を取るのかは知らないが、これがアイマスにおける最も大きな問題である。同じヒロインを使っていては、いつか必ず行き詰る。ギャルゲーのヒロインは、現実のアイドル並に賞味期限が短いものなのだから……。

 これらの点を考えてみると、アイマスの本当の問題とは一部アイドルがサブキャラクターに降格したことでなく、同じことを続けようとすればいずれは立ち行かなくなるということではないだろうか。どうも一部キャラの降格という短絡的な部分に目を向けているプレイヤーが多いわけだが、そもそもそうしなければならないアイマスというシリーズ自体に最初からヒビが入りかけていることを憂うべきだろう。いや、そもそもここまで長期的なシリーズ展開することを考えていなかったのであれば、これは当然の行く末である。ヒビが入ったという表現は適切でなく、最初からそこまで設計していなかったのだ。

 とにかく、アイマス2というのは方向性の統一が足りていないように思えるのである。全体の方針としては育成とシナリオを総取りしようとしているが、システムがそれをうまく生かそうとしていない。そして、シナリオもまたその方向性の元で作られているはずなのに、単なる育成SLG向きの内容が多い。更に、一部キャラクター降格も苦しい決断なのだろうが、どうもこれは最初からの方向性がうまく定まっていないせいで起こっていそうなのだ。つまり、最初からガタガタだったものが何とか形を整えようとして必死に動いたのだが、きちんとした展望がないせいでそれぞれの要素に疑問が残ってしまったように感じるのである。

 アイマス2では「団結」という言葉をテーマに、皆で仲良くして力を合わせることが美徳だという話が盛り込まれている。無論、これは理解できなくもないのだが、正直なところこれはプレイヤーに向けて言っているのではなく、開発側が自分に言い聞かせているのではないかと邪推してしまいそうになるのだ。そのくらい、ひとつひとつの歯車が同じ目標のために動いているとは思えない。それぞれの要素がきちんとゲーム全体の方向性を理解していれば、シナリオはもっと良くなっただろうし、システムももっと改善できたのではないか。そして、早い段階で先のことを考えていられれば、キャラクターの扱いにもきちんと手を打てたのではないか。そんなことを考えてしまうのだ。

アイマス2は良く出来たアイドル育成シミュレーションゲーム

 ともあれ、アイマス2は“良く出来た育成シミュレーションゲーム”である。決して感動的なシナリオだけで引っ張っているわけでもないし、かわいらしいキャラクターだけでプレイヤーを画面の前に座らせているのではない。ゲームとしてプレイヤーにアイドルを育てさせる経験をさせるのだ。そして、2はそれに物語をうまく混ぜようとした。そのため、磨くべき点は残ってしまったし、どこかズレて中央ド真ん中だというわけではないが、きちんと的には当てられたのではないだろうか。

 男アイドルの参入や一部キャラクターの降格といった表面的な問題は、仕方ないと割り切るべきである。これらは元からアイマスが持っていたであろう歪みを修正するためになるべくしてなったのだ。もしライバルキャラに女が増えたら、もし全員プロデュース可能だったら、アイマスは更に問題を抱えていたはずだ。

 本当に問題なのは、全体の方向性とシステム・シナリオが噛み合っていないという点だろう。狙っている点はよくわかる。やろうとしたこともわかる。しかし、すべての要素はその方向にきちんと向いているわけではない。足並みが揃っていないために、素晴らしい結果を出せなかったのだ。こうなると、表面的な問題に対しても文句を言われてしまうのも止むを得ないとすら言えるかもしれない。

 さて、そろそろこのレビューにおいても筆を止めねばならない。最後にアイマス2のテーマソングである『The world is all one!!』から歌詞の一部を引用して、少し眺めてから終わることにしよう。

ひとりでは出来ないこと
仲間となら出来ること
乗り越えられるのは Unity is strength


 Unity is strength。つまり、統一、あるいは団結、もしくは協調は力なりということである。至極尤もだ。しかし、他人と力を合わせるということは想像以上に難しい。うまくひとつに纏め上げねば、袋の中で暴れまわり尖端が飛び出す針のようになってしまうわけである。この歌詞が結果的に皮肉となってしまったのか、あるいは求められた理想として掲げられているのか。知る由もないが、アイマス2にもうひとつ必要だったものは、やはりこれなのだろう。
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コメント

大変興味深く読ませていただきました。
「アイマス2はRPG」は名言ですね。

どうもありがとうございます。
アイマス2についてうまく纏めた文章があまり見られなかったのでこうして書いてみたわけですが、これが多くの人に見てもらえ納得していただけるのであれば実に幸いです。

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>2になるにあたりプロデュース可能アイドルが増えるためキャラ削除をしなければならないが、それは元の理念からすればとても忍びない。
>となれば、話に絡ませつつ添え物として我慢してもらうしかないだろう。他にどのような使い方があったというのか。

アイマスにはそれぞれのアイドルに専属Pというファンがたくさんいるんですよ。
なぜ春香や千早は切られなくて、律子や伊織は切られなければならなかったのか、そこの理由がないんですもの。
一番好きで次もプロデュースしてトップアイドルにしてあげたかった子がサブ落ち、
トップアイドルになれず負けるためだけに存在する、そんな理不尽な我慢を強いられてまでアイマス続いてほしくないですよ。
13人のP全員が痛み分けなら皆我慢したでしょう、でも小町送りにされた4人のPだけがなぜアイマス存続のために甘んじて痛みを我慢しなければならないのか。

この記事はあくまで作品のレビューであって、ファンがどうするべきかという話を書いているつもりは一切ありませんし、この理屈で納得しろとも言いません。アイマスはこういった問題を抱えているのであって、こういった形式を取ってしまったのはなぜかということを考えて書いたのです。まずはそこを勘違いしないでください。
そして、竜宮小町の降格について理由があるとすれば、それは文中で触れているように方向性の不一致や展望のなさがそれでしょう。これ以上のことは言えません。

書き込みを見る限り、見捨てたくないとお思いなのですね。そこに折り合いをつけて降格に対し納得をしたいのでしょうが、少なくとも僕はそれにアドバイスができませんし、僕の考えではこの処置は致し方のなかったことであるというのが最大限の理由にしかなりません。そして、アイマスの方向性がまずいという考えが当たっているのであれば、大変残念ながら、おそらくあなたが納得する理由というものは誰もが説明できないでしょう。なぜなら、竜宮小町に白羽の矢が立ったことにおける問題というのは、そもそもそういった状況になってしまったという根源的部分なのですから……。

これでも納得いかないというのであれば、やはり誰もあなたを説得することはできません。例えばこれを、運悪く交通事故に遭った話だと考えましょう。なぜ自分達が被害に遭わねばならないのか? どうしてこうなってしまったのか? そんな人たちに、納得する理由を言うことができるでしょうか。いいえ、できません。誰が悪いのか、何かが原因なのか、そしてその怒りをぶつける対象は明確に存在するのか。そんなわかりやすいものなど、どこにもないのです。複数の要因がいくつも重なり合って不幸を起こしたのであり、一つの理由などという浅はかなもので納得をしようというという考え方自体が間違っているのです。

あなたには3つの選択肢があります。一つは、見限って竜宮小町の首を絞めるように殺すのか。もう一つは、我慢してしまうか。そして、少し距離を置いて遠くからアイマスを見守るのか。そのどれを選択するかは、自身で決めていただくしかありません。

初めまして。
大変興味深く拝見させて頂きました。

私も実は小町の扱いに納得がいっていない派なのですが、なるほど、根本的な問題ですか……
贔屓キャラがいるせいか、そこまで客観的に考えることが出来ていませんでした。
勉強になりました。

でも、だとしたらやはり全てを一新するべきだったのかもしれませんね。
それを考えると、「サクラ大戦」はうまくやったんだなぁ……Vはコケたけど。

どうもはじめまして……と言いたいところなんですが、お名前がないと何方かさっぱりわからないため、はじめてもクソもないので入れていただけると助かります。
このレビューで何か得るところがあったようで、何よりです。

個人的な好みでいえばキャラを一新して欲しいところでしたが、果たしてそれが現実的だったかはまた難しいところでしょう。CDによるキャラクター商売や、ライブやラジオに付随する声優人気も見逃せなかったでしょうし、ファンに悪印象を与えない完全な新キャラを用意するのも大変な体力と苦労が必要です。
何よりリアル765プロ企画なんでものをやっている以上、すべてのキャラを切り捨てることはそもそもありえないのかもしれません。まァ、そのあたりのシリーズ展開の展望について僕は良く知りませんので、キャラクター商売に詳しく、アーケードからアイマスシリーズを追っている人にでも書いて欲しいですね。

アイマス2のレビュー、興味深く拝読しました。
非常にロジカルな説明で、アイマスとよく似たDLC戦略をとるドリームクラブZEROが、「既存キャラ温存+追加」という路線をとった・とらざるをえなかったのはそういう訳だったかと、ハタと膝をうった次第です。ドリクラも先行きが厳しくなるのでしょうが、次にどんな手を使ってくるのか、楽しみでもあります。

おそらく、キャラクターの交代を進めるには時間軸概念をいれるしかないでしょう。
たとえばダビスタのように、ゲーム進行によって年齢を重ねて世代を交代させるとか、三国志のように年代別にシナリオ化して登場武将(アイドル)を変化させるか。
最後のそしてよくある手段は、ゲーム内の世界設定で時間を経過させることです。

しかしどれも、あまりに現実的すぎて、どこか空しいですね。

マナティさん、はじめまして。
やはり僕の主観が強い内容になっていますが、論理的であると受け取ってもらえたのであれば良かったです。ドリクラはzeroのほうをやっていないのであまり色々とは言えませんが、三作目となれば転換が必要になるでしょうね。

キャラの交代をするかしないのか、そしてそれに対する手法は何であれ、行き当たりばったりにならないことを祈ります。色々と言いましたが、結構可能性はあるシリーズだと思うんですよねー。

>あなたには3つの選択肢があります。一つは、見限って竜宮小町の首を絞めるように殺すのか。もう一つは、我慢してしまうか。そして、少し距離を置いて遠くからアイマスを見守るのか。そのどれを選択するかは、自身で決めていただくしかありません。

アイマスから完全に離れることがなぜ竜宮小町を殺すことになるのか?私の周りにもあまりにショックを受けて、今まで買い続けていたグッズやCDを売って離れて行った竜宮のPはいました。でもそれは竜宮を殺すために離れたのではありません。まぁいいです、私はその3つしか選択肢がないとは思いませんから。距離は置きません。がっつり踏み込んだまま、これからも伊織達が不遇になる展開を見せたら公式に批判の声を届け続けます。

今まで一緒にやってきたファンから伊織Pや律子Pをばっさり切り捨てて、これからは春香Pや千早P達、9人のPを中心に盛り上げていくだなんてそんな余りに理不尽で大きすぎる悲しみの上に成り立つやり方は絶対に遺恨を残しますからね。しかもNPCになっただけじゃなく、竜宮小町はランキング90位前後でパッとしないまま終わってしまうルートしか存在せず、9人の誰をプロデュースしてもその竜宮小町の没落物語を強制的に見せられるんです。よしんばNPCにするのが仕方が無いことだったとしても、せめてライバルとしてはしっかり描くべきなのを、それすらできずかませ犬としてしか描けていないんですから。トップアイドルとしては絶対に輝け無くても、ライバルとしてしっかり輝いているならば、まだ我慢して耐えられたかもしれない。でもここまで愛のない扱われ方を公式にされてしまってはね。

「分量がキツいから全員のコミュを3割ずつ減らす」と「分量がキツいから13人のうち3割をNPCにする」は全体で見れば同じことかもしれない。でもNPCにされたPから見ればオールオアナッシングです。13人全員プロデュースできる、これだけは絶対に実現させなきゃいけなかったんです。
これが1年後に出た続編とかならまだしも、箱の時からでももう4年、アケからの人なら6年近く一緒にやってきて、09年に続編を作っていると発表されてから2年間ずっと次の作品でも伊織、律子、あずさ、亜美をどうプロデュースしようか本当に楽しみで待っていた人達の積み重ねた想いを無残にぶち壊すことをしたんです。アイマスはプロデューサーの各アイドルへの強い「想い」を金に変えて商売をしてこれまで数年間続けてきました。その「想い」をこんな形で裏切ればどうなるか…

そもそも13人全員の話を作るのが無理だから9人にしたって前提がおかしいんですけどね。アケの時ですでに65種×9人のコミュが用意してあったのに対して、2は30種×9人ですから。別に13人全員分を1人で考えるわけでもなし、アケの時2人のプロライターを雇って分担で書いてもらったように、今回も分担して用意すればよかったんです。そこを13人全員は絶対無理だったんだと決めつけた上での論理展開は無理があると思いますね。

参考になりました

 はじめまして、アーケード版からのPです。
 アイマス2を買おうかどうか未だに様子見を決め込んでいるところで、
大変参考になるレビューをありがとうございます。筋道立って居て、凄く
解り易かったです。
 いやまぁ、様子見継続という状況は変わりませんけど(笑)。
 アーケードで某Pが語った「アイマスはスポーツ」と同様、アイマスを
RPGに例えたのは名察だと思います。スポーツ、というのは、アケマス
ではお金を掛けて取り返しの付かない真剣勝負を行う部分からの連想だと
思いますが、言われてみると、家庭用では確かにRPGとして捉えた方が
しっくりくるような気がしました。
 アイマス2の特徴や問題点も、今まで自分が色んな場所で見聞きした
情報を整理するに際し、すっきりしていて有難いです。
 とはいえ、聊かドライな評論であるとも感じました。
 コメント欄で感情的になっているレスポンスを見受けしますが、そうした
内容に対して「それはアイマス2の問題として見るには短絡的で根本的
な問題ではない」という反応をされていますね。
 ですが、4人を切ったことや設定変更に関する感情的な、ウェットな部分
での負の反響が起きたのは事実で、アイマス2が抱える問題として小さく
評価することは決して出来ないと思います。
 極端な話、ゲームそのものがつまらなくても熱狂的なファンさえキープ
出来れば、キャラコンテンツとしては成り立つ可能性があると思います。
 個人的にもNPC化や設定変更は1の設定をある程度引き継ぐにおいて
制作側としては止む無しだったかも知れない、という推測には理解出来る
部分がありますが、それに関するファンへのフォローや広報戦略という面
で色々とマズかったとも思うものです。
 重ね重ね、ゲーム自体の評価としては、とても良いレビューに感じます。
 ですが、例えばレビューで酷評された千早のシナリオに関して、知人の
千早スキーは「良いシナリオだったよ」と主張しています。
 このように、アイマスに限らず、キャラコンテンツには必ず理屈ではない、
ウェットな部分が占めるウエイトが結構あると思んです。
 なので、感情的になっている一部の方の気持ちも少し汲んで頂けると
有難いかなと思いました。彼らを作り出した状況というのも、この作品の
問題点として看過出来ないのですから。
 とはいえ、確かにそれらはゲーム本体そのものとは切り離して考える
べき事柄かもしれませんね。混同すると、袋小路にはまるのかも。
 長文、失礼しましたー。

チャンプ(-O-)さん、はじめまして。このレビューで得るところがあったようで何よりです。

ドライな評論というのはそうかもしれません。僕はL4Uで思いきり熱が冷めた人間なので、今やこのシリーズに対する強烈な思い入れはありませんしね。しかし、論評となるとある程度は客観視せねばならない事実もあるでしょう。

ただ、竜宮小町のキャラが切られたことに関して看過しているつもりはありません。文中にある通り、彼女達がプロデュースできないことが痛手であると認めていますし、キャラクターファンが多いこのゲームにとって問題となることは理解しているつもりです。
しかし、「彼女達がいなくなったことが問題=アイマス2が問題」と考えることに関してはどうしても異を唱えたいわけです。理由はレビューの通りで、これは明らかに過去から累積した問題だからです。そもそもSPの時点で追加キャラがNPCに回ってしまったという過去の問題があったわけで、アイマスにおいてキャラ追加をすると手に負えなくなるであろう伏線はあったわけですね。
つまり、これはシリーズとしての問題なわけで、アイマス2というゲームだけの問題ではありません。そしてチャンプさんも仰っているように、あくまでこの論評はアイマス2というゲームの内容に関するものです。というわけで、アイマス2を見ると「2だけの問題ではないのに2だけのせいにするのは間違っている」と言えるようになるわけです。そのため、ファンの反応を軽視しているというより、純粋に内容の考察のほうに力を入れているのだと考えてもらえれば幸いです。何より、感情的な意見は僕が言うまでもなく出ているでしょうから……。

千早シナリオに関しては、まァ超展開みたいなものなわけで、(面白いかどうかさておき)素直に物語の作りとしてダメだと書くしかありませんでした。が、あのような奇跡シナリオが未だにギャルゲーにおいて通用する可能性というのは少ないでしょうが確かにありますね。そのことはご指摘通り、失念していたと言えると思います。

参考にさせていただきました

レビュー、興味深く読ませていただきました

>本当に問題なのは、全体の方向性とシステム・シナリオが噛み合っていないという点だろう。

そこにさらに広報が噛み合ってない、も追加ですね
ライバルを女性アイドルにしたら、いずれその娘もP対象にしなくてはならなくなるから、というのは正解だと思います
でもだからといって「プレイヤーが気兼ねなく憎めるように男にしました」とか、人格を疑われるような建前を公表したり、
発売前のサイトに、完全クリアすれば男アイドルもプロデュースできる、ととられかねない文章を掲載したり、と
広報の判断も実際のゲーム内容と噛み合っていなかった印象があります

ところで文中に14人とありますけど、13人だったような気がします
2か3で割れる数だったら、SPでやったようにソフト自体を2つにわけて、
さらに「片方ではNPC、片方ではP可能キャラ」という風にすれば扱いを平等にできたかもしれないのですが

気になった点といえば、2の変化を許容できなかった人を「一部のファン」と少数派であるかのように表記している点でしょうか
許容できたファンに比べて、許容できなかった元ファンの数は実数を計ることはできませんが、
開発側は15万本は売れる、と予想していたらしいですから、
開発側が考えるアイマスファンは15万人いたことになるのでしょう
それが約4万本どまりだったわけですから、開発側にとっては離れていったのはファンの「一部」ではなく「大多数」だったのではないか、と思えます
単なる皮算用でしょうけども、さらに新規で130万人を見込んでいたとか。これも広報の噛み合わなさかもしれません

ともあれ、感情的な評論の多いアイマス2レビューの中での冷静な考察、お疲れ様でした

zadoさん、はじめまして。

広報については実際のところどうだったのかという資料に欠けているので、僕の口から何ともいえません。

「一部」という言葉が気にかかったようですね。これに関しては、そもそも実際のところ嫌になったファンというのが多いのか少ないのかがよくわからないと言ったほうが良かったかもしれません。
zadoさんは「開発側が考えるアイマスファンは15万人いたことになるのでしょう」と仰っていますが、これを元に話すには検証や考察が必要だと思われます。そして、買わなかった人たちすべてが失望した元ファンだとも言えませんので、離れたかどうかもよくわかりません。それに、仰るように元ファンの実数は絶対にわかりませんから、多いと言うのも少ないと言うのも危ないのでしょう。

アイドルの総人数は単純に間違えていますね。修正しておきました。ご指摘、労いの言葉共にありがとうございました。

 初めまして。攻略記、面白くて一気にここまで読ませていただきました。
 巷のアイマス2寸評では感情的な記事が多い、という個人的な印象の中で、このような冷静な寸評を書かれているところもあるんだなぁ、と、ホッとしてしまうとともに、細かく分析・指摘されていることに感心しました。
 私は無印から始めた者で、購入のきっかけこそギャルゲーイメージで買ったものの、今は単純に『女の子をトップアイドルにするゲーム』として楽しんでおります。「2」の雪歩、貴音シナリオはまさに主さんの仰るとおりに、プロデュースを通して一人前に成長していく雪歩の姿、貴音をアイドルとして絶対成功させなければいけない使命感、それらを楽しむことができました。
 こんなスタンスのため、私個人はアイマスのキャラ個々に特別大きな感情はありませんが(竜宮小町の件も特に衝撃はなかったのですが、せめてもう少しうまい扱いをしてあげればなぁ)、アーケードから脈々と続いてきたアイマスのキャラたちは、プレーヤーたちに支えられ育てられてきた側面もあると思います。そんな大きな存在になってしまったこれまでのアイマスキャラを生かすにしろ、リセットし完全新規に開発するにしろ、もし今後も展開させていくのであれば、メーカー側は一層の勇気、決断が迫られますね。他人事ながら胃がイタイ…。
 駄文失礼しました。

湖台さん、はじめまして。

僕も湖台さんと同じように、育成ゲームとして遊んでいる感じが強いですね。単純に、キャラ萌えに執心するにはそろそろつらい年頃なのかもしれませんが。ともあれ、そういった視点から見れば、完璧ではないもののなかなか面白いゲームなのは確かでしょう。
キャラの扱いに関しては、良くも悪くもプレイヤー主体で大きくなってしまい、手に負えなくなったという部分もあるかもしれませんね。しかし、どうあれゲームを作り運命を決定するのはメーカー側です。そのあたり、失敗しようと成功しようときちんとした決断を見たいところです。

お褒めの言葉、ありがとうございました。

いまさらですが、秀逸な解説だと思います

初めまして。
コメントはおろか、訪問させていただくのも今回が2回目です。

 実は数日前にはじめてこの記事を読ませていただき、「なるほど!」と思いました。が、いまさらアイマス2ではなんとも時期はずれになるので、コメントは書きませんでした。
 しかし、これほど腑に落ちる、と言うか納得のいくレビューを読んだことがなかったので、あえてコメントつけさせていただきます。

 この記事を読んで目からウロコな箇所、まったく同感!と共感できる箇所、あるいは自分でも漠然と感じていた感情をはっきりと言葉として記述されている部分などなど・・・

 わたしはアイマス2ある程度気に入ってます。でも、一連の騒動で、買うタイミング遅くなって旬を過ぎてから始めたり、レビューブログ巡回して感情的な記事の連続でイヤな気分になったり、それと連動してアイマスやるのがイヤになりかけたり。

 でもこの記事を読んで、そんなモヤモヤとして気分がすっきりした心境です。ありがとうございました。

P.S. 最後に感謝の意味をこめて、たぶんブログ主さんとは唯一違うわたしの感想を。
わたしも千早エンド、大失敗と思います。が、心の中で合格点あげています。このゲームのあるべき姿にチャレンジして、そして力不足で散った結果だと思うので。

はじめまして。古い記事の話になるとやや恥ずかしさもあるのですが、参考になったのであれば幸いです。

この記事に関しては、声のでかいヤツが強いという嫌な思い出しか残っていません。化石ゲーマーさんがよそのレビューを読んで嫌な気持ちになったように、少なくとも一部のネット上では妙な流れになっていましたね。僕は特に妙なことを書いているつもりはない(むしろ皆がわかっていて当然のことばかり書いていると思っている)のに、そういうものがあまり目につかない状況になってしまったのは、おそらく扇動されていた人がそこそこいたからなのでしょう。
うちのような弱小サイトでは、こういったレビューを書いても声が届かないことばかりです。無論、それは僕の力不足によるものなのですが。
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