Blocks That Matter レビュー

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Blocks That Matter

 『Blocks That Matter』は360インディーズゲームで2011年5月12日に配信された2Dアクションパズルゲーム。開発はSwing Swing Submarine。値段は240MSP。

 二人のインディーズゲーム開発者を助けるため、ロボットを操作しステージをクリアしていくという内容となっている。ステージ中には進めない場所があるので、ドリルなどでブロックを破壊し、それをリサイクルして足場を作っていく必要がある。

 様々な他作品のブロックが出現することもまた特徴的である。ゲーム中で宝箱を入手すると『Minecraft』などのブロックを手に入れることが出来たり、ゲームの構成要素もまたどこかで見たことのあるような雰囲気を感じる。

 ゲーム詳細については特集記事を参照されたし。

○ Blocks That Matter 特集
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1077.html

問題は何もないのだ、問題は

 この作品はどの要素を見ても手落ちがない。グラフィック、音楽、操作性、難易度調整、ボリューム等、要素を単体で見ればどれも長所として述べることができるだろう。また、パズルゲームとしてもルールの独自的な面白さがあり、まったく問題はない。

 ただし、だからといってこの『Blocks That Matter』が空前絶後の名作という話にはならないのだ。なぜなら、出来が良いということと面白いということは話が別だからである。はっきり言わせてもらうと、この作品はエンディングまで不快感を覚えずに遊べたが、気分が高揚することはほとんどなかった。それは、このゲームが目新しさという点においては今ひとつだからだろう。

 この作品は様々なゲームのアイデアを拝借している。無論、それ自体は何ら悪くないし、そういった出発点からまったく新しいものが生まれることだってある。しかし、この作品は遠目に見るとすぐにぼやけてしまうのだ。

 確かにそれぞれの要素が良いことは確かなのだが、プレイヤーキャラはどこかで見たことがあるようなヤツだし、ブロックというオブジェクトやステージの描写も手垢がついている。パズルとしても、ブロックを積み上げて解くと言ってしまえば腐るほど存在するものだろう。また、パロディ的な楽しみや他作品が作中に出てくる楽しみもあるのだが、この行為も悪く言えば『Super Meat Boy』あたりの二番煎じであることには違いがない。

 そして、この作品は劇的な物語を見せてくれるわけでもなく、世界そのものが芸術的であるわけでもない。それらが必要ないにしても、肝心なパズルのルール自体も地味で強烈な印象を与えることもできそうになく、よくあるアクションパズルといったものに終始する。こうなると、どうしてもプレイヤーに与える刺激が足りないわけである。一般的に求められるべきものはすべて入っているが、予想を裏切ってその上を行くことに成功していないのだ。例えれば、優等生ではあるが天才ではないような人物だろうか。

 つまり、人の作品をお手本にして作った部分が強く、この作品ならではの刺々しさがないのである。良い要素で構成されたゲームを作ろうとしたのであればこれは間違いなく満点だろうが、新しい楽しみを持った新しいゲームと考えるのであれば肩透かしだ。そのため、先陣を切ってゲーマーの心に衝撃を与えることはできなさそうである。

堅実なゲームを求めよ

 とはいえ、それが悪いことにはならないだろう。どこか物足りなさを覚えることには違いないが、良く出来ていることは確かな作品だ。傑作や名作とは程遠いかもしれないが、上作とは言えるだろう。

 節々にあるゲームパロディにはニヤリとできるし(特にボーナスレベルの最終面はかなり笑えた)、牧歌的でのんびりとしたシナリオも刺激こそないが落ち着いて楽しめる。ブロックを配置していくパズルも頭を捻って解ければそこそこの喜びはあるのだ。

 この作品は精彩を放つことこそできていないかもしれないし、特に日本ではあっさりと埋もれてしまうかもしれない。だがしかし、見過ごすのはあまりに惜しくもある。
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