ゲハブログが最強のゲーム批評サイトだ

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ゲハブログの話を書くハメになるとは

 shizu_chaさんがTogetterでTwitterのつぶやきをまとめた記事を見たのだが、これがなかなか面白かった。

○ は○ま奇行はこうして捏造する
http://togetter.com/li/137650

 念のためゲハブログというものの説明をしておくと、2ちゃんねるにある「ゲーム業界、ハードウェア板」という掲示板の書き込みをまとめているサイトジャンルのことである。ものによれば1日に100万Hit近くもアクセスがあるようで、なるほどこれは異常な人気だ。内容としては事実報道よりも扇情的な記事が多く、今回上記の記事で取り上げられている問題も、掲示板の書き込みをまとめる際に恣意(我田引水)的に編集しているという話になっている。

 僕のような長ったらしい世間ウケしない文章を書いている存在とは違い、この手のゲハブログというものはかなりの影響力を持っているようだ。知人にもこういったサイトを好んで見る人がおり、ゲームの話題を持ち出すとそれしか話さないような人たちもいる。

 そういった人たちの中でも、僕が話をしようとすれば聞いてくれる人もいるのだ。K君などは、アイマス2はこういった理由で世間では非難されているものの、実はああいう理屈で面白いといえば理解してくれる。しかし、一方でD君などは僕が言ったとして理解してくれない。おそらく、僕の発言を軽んじているのだろう。そういって信頼しないことも至極尤もである。

 僕は以前アイマス2についてレビューを書いたが、これがなかなか気合を入れて書いたのにあまり良い評判をもらえなかった。まァ、元より長くて面白くもない内容だし、広報もほとんどしていない。そして何より、SSDMというどこの馬の骨が書いたかわからないモノなのが問題なのだろう。

○ アイドルマスター 2 レビュー
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1070.html

 一方、いい加減な情報をこねくり回しているというゲハブログが信頼を勝ち得ているのは不思議である。少なくとも僕はアイマス2のレビューを書くにあたり、90~100時間近くをプレイに費やして、同時に各雑誌やWebの記事、そして公式サイトやファンサイトを巡った。しかし、それも説得力にはならない。やはり、匿名掲示板のまとめという所に説得力があるのだろう。

なぜ匿名掲示板が世論になるかという推論

 冷静に考えてみれば、そもそもゲハブログがまとめている書き込み内容というのは匿名掲示板のものである。どこの誰が書き込んでいるかさっぱりわからないそんなものは、はっきりいって説得力に欠けるのである。もしかしたら数人で書き込んでいるのかもしれないし、あるいは自作自演をしているのかもしれないし、そもそもまともな脳味噌を持っている連中がおらずカニがチョキで書き込んでいるかもしれない。

 しかし、これらはある一点を期に信頼へと変化する。それは、多くの人がいるという前提がある場合だ。仮に彼らの中にカニミソ野郎がいたとしても、あるいは自作自演をしていたとしても、人数さえ多ければ世論としての説得力が出てくる。大人数さえいれば間違った意見の自浄効果も働くと思えてしまうだろうし、多数決として考えれば絶対的な話になるだろうと考えられるのだ。平たく言えば、「あの2chなのだから大多数の賛同を得られている意見がこれなのだろう」と思わせられるのだろう。ミステリアス故の信じたくなる心理を突いているといえばいいだろうか。

 これが他の話であれば、掲示板のまとめなど絶対的な世論であるとは思えないだろうし、仮に意見に説得力があったとしても一地方の意見だと受け取れるわけである。それどころか、嘘は専門家に一蹴されることすらあるわけだ。それなのになぜゲームの話ではこうなるかといえば、これがゲームの話だからなのだろう。

 そもそも、ゲームの論評というものはあまり発達しておらず、ゲーマーは常々不安を抱いているのだ。商業ニュースサイト・雑誌のレビューは信頼できるか? 本当にそのライターはゲームのことを明け透けに書けるのか? あるいは、個人サイトのレビュアーは信頼できるか? 本当にその人はゲームをきちんとやったのか? もしくは、文章を書く技術をまともに持っているのか? はっきりいって、これらは僕も常々不安に思っていることだ。つまり、絶対的な信頼を勝ち得ている存在があまりないのである。

 それらの不満を一挙に解決できるのが、匿名掲示板によるまとめなのではないだろうか。大多数の存在を匂わせ世論としての信頼を勝ち取っている状態に、うまい編集を加えて印象を操作すればいい。おまけに刺激的な話を盛り込んでしまえば更に大フィーバーの可能性まで持ち込めるわけで、モノを人に見せる能力が見事だろう。

当然だが、好かれるはずもない

 しかし、やはりこういった言説は嫌われるようで、ゲハブログが嫌だと言う人や、そういったサイトの悪い痕跡を記録しているサイトを見たことがある。個人的には特に好きでも嫌いでもないのだが(ただしゲハブログの雰囲気を他に持ってくる一般閲覧者は勘弁願いたい)、まァ嫌われるのも然もありなんといったところである。

 とはいえ、結局はいくら嫌おうともネット上での情報の伝播はそういったゲハブログに勝てないのである。ある意味で卑怯な行為をしているのかもしれないが、そう思わせたもの勝ちに近いところもあるわけで、これは悔しがる以外にできることはないだろう。一方で、自分たちには関係ないからと無視することもまた、負け確定みたいなものである。どれだけまともな情報を伝えようとしたところで、それが伝わりにくい状況になっているわけだ。

 こう考えてみると、やはりゲハブログがネット上における最強のゲーム批評サイトになってしまっているということは考えられるだろう。尚、注意してもらいたいが、これは別に褒めているわけではない。実情としては批評もクソもないが、そういう人たちこそが信頼を勝ち取ってしまっているのである。

 「ゲハブログは信頼ならない」などと言う人は多いが、そこは問題ではない。信頼できないことが問題なのではなく、声がでかくて通っている事実が問題なのだ。もし、彼ら以上に影響力と信頼のある情報サイトがあって、そこがモラルを持っていたとしたらば、彼らはまだ小さな存在に収まっていたことだろう。

 また、そういったサイトが誤った情報を使っていると知らせること自体は重要であるが、これを非難しただけでは根本的な問題は解決しないだろう。おそらく信じていた人たちは「ああ、このサイトは嘘つきなのだ」としか思わず、また今後似たようなブログや、あるいは形式だけを変えた本質的には同じものに靡いてしまうのである。結局は、誰が悪いというだけではなく、構造上の問題なのだろう。

ゲームの語り方を考え直すべきなのではないか

 これを如何に解決するかといえば、読者がきちんと情報を取捨選択できるようになるか、もしくはモラルのあるレビュアー集団が信頼を勝ち得るかである。僕としては前者はまず無理だと思っているので、後者の環境を作りたいところだ。

 あくまで私見であるが、今存在するゲーム雑誌や情報サイトの多くはレビューにおいても記事においても、宣伝や広告的な意味合いが強いように感じられる。無論、そういった情報はそれはそれで有用なのだが、良い点ばかりを取り上げていては、実際にゲームをプレイするにあたって自身の感性と重ね合わせると大きな齟齬が発生してしまう。更に、情報に政治的な意味が含まれてしまえば、違和感は増大するばかりだ。

 それならば個人ブログなどにおいて明け透けな論評を見たいのだが、残念だがこれらもあまり有用な情報を含んでいるとは考えづらい。理由は簡単で、個人サイトやブログもまた、ゲーム雑誌の真似をしている側面が大きく、宣伝なのか評論なのかはっきりしない内容が多いからだ。しかも、中にはゲームレビューサイトと言っておきながら宣伝を目的としているとしか考えられない所まであるのだから、弱るだろう。ましてや前述のように、どこの馬の骨かわからない人が書いているとなれば一見しただけでは信頼できまい。

 特に困るのがレビューに頻発する「おすすめ」という単語である。これは割とどこの雑誌やサイトでも見られるのだが、「薦める」という言葉なのであれば、これは人に対する紹介でしかない。つまり、ひたすらにポジティブな情報を他ユーザーに伝えるという側面が大きく、とにかく買わせようとしている意志が働いているのである。一方のユーザーは、どういったゲームを買えば楽しめるのか・後悔しないのかという良い点・悪い点両方を考えて情報を探っているわけで、そもそも求める情報においてミスマッチが発生しているのだ。だからこそ、悪評に対し人は耳を立てる。それこそが知りたいからだろう。

 当然ながら、僕個人が素晴らしい論評を書いていると思う人というのは存在しているのだが、そういった人たちの文章は多くの人に読まれることにおいてあまり長けていない。求められていないものしか書けないと言ってしまえばそれまでだが、しかし彼らの論評やゲームへの語り方が悪いということにはならないだろう。工夫さえすれば、彼らの意見が大きな賛同を得る可能性は十分にあると考えている。

 やはり、ゲームの語り方、情報、評論、あるいは感想といったものを今一度考え直すべきなのではないだろうか。娯楽というのは遊びで適当にやればいいと思われがちだが、時として真剣にゲームを遊ぶこともまた必要になってくるだろう。きちんとした論評を存在させ、ユーザーの求める情報を流すことが必要なのではないか。そういったことをサボってきたツケが、今ゲハブログという存在において顕在化しているように思えるのだ。
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コメント

はじめまして。いつも楽しく読ませてもらっております。
アイマス2のレビューはいい所や悪い所をしっかり踏まえた
良いレビューだったとは思うんですが、ネット上だと
叩くことが当たり前、的な流れになりがちですね。
匿名掲示板だとその流れはより一層濃くなって違うゲーム遊んでるんじゃ?と思う程。

評価や好き嫌いは人それぞれですけど、ゲハは人格批判レベルまで
叩きが加熱したりすることもあるのでウンザリしちゃいます。
そういう連中を焚きつけてるゲハブログはやはり好きにはなれませんねぇ。
(しかしそんなブログを持ち上げているゲームメーカーがあるのもまた事実と言う・・・)

とんかつさん、どうもはじめまして。
とんかつさんが「良いレビュー“だったとは”思うんですが」と仰る通り、僕のアイマス2レビューは内容はさておき、読まれることや、ネット上に求められる情報において長けているとは思えませんね。

メーカーは宣伝にさえなれば問題がないと考える場合がありますが、これは仕方のないことでしょう。結局、多くの会社は売るために商品を作っているわけで、その人気取りになるのであれば持ち上げるのも当然です。
問題はやはり、そこまで持ち上げることが既存メディアに出来ないことでしょう。モラルだとかも大事ですが、やはり力が欠乏していることこそが負ける理由なのです。
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