Xbox360 IndieGamesで石を拾う 18 【Oxadania: An E-book】

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いつか見たあの人が再び立ちはだかる

 2011年8月10日、360インディーズゲームで『Oxadania: An E-book』という作品が配信された。なんとこの作品、製作者が作ったオリジナルファンタジー世界についての電子書籍なのだ。実に珍しい。

 ……というと、黒歴史なんて言葉を思い浮かべる人もいるだろうが、実のところもう少しだけ違う。いや、実際のところそうなのかもしれないが、おそらく日本で見られる痛々しいようなものとは違う。もしくは、英語なのでその雰囲気が感じられない。かといって、本格的なファンタジーなのかといえばそうでもなくて……。このあたりは尖った石拾いで取り上げるだけあって、妙な部分がある。

 開発は『Coastal Defence』というこれまた頭を悩ませる作品でお馴染みのJB Marius Sheridan。どうも約一年ぶりの新作のようだ。しかし、「インディーズゲームで石を拾う」の最初に取り上げたものと同じ作者に帰ってくるとは、なんとも因果なものだ。約一年前に書いた記事を懐かしく思う。あれからどう成長したのだろうかも楽しみだ。

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○ Xbox360 IndieGamesで石を拾う 01 【Coastal Defence】
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-766.html

この作品が世界に配信されているという事実がファンタジックですよね

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簡素というか質実剛健というか

 さて、この作品は5つの要素によって構成されている。1つを除いては、「Glomundia」という世界について説明しているので順を追って紹介しよう。

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きったねえ字デース!

 まずは「A Desert Journey」。砂漠での旅行とのことで、皇帝がどのような道筋を辿るかという大雑把な粗筋が見られる。たいした内容はない。

 皇帝については後で説明するが、それにしてもこの手描きの汚ねえ字とやっつけの絵はなんだ。何かザラザラとしたノイズが大量に乗っているが、もしや紙に鉛筆か何かで書いたものをスキャンしたのだろうか。なんだか触れてはいけない空気が強まってきた。

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まァ……、確かに地図ではある

 続いては「Map of Glomundia」と「Map of Oxadania」。Glomundiaという世界全体と、その中の一国Oxadaniaの地図を見ることができる。

 これはさすがにパソコンで描いているようだが、この何ともいえなさと来たら。ペイントでペンとバケツとテキスト入力だけを使ったのではないかと邪推してしまうかのような出来だ。とはいえ、これは設定の補完なのでどうでもいいだろう。

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くっそ読みづらいデース!

 そして「A Fantastic Empire」という読み物がある。これが前述したOxadaniaの皇帝が主役の物語で、彼が反乱軍と戦うために伝説の武器を探しにいくという内容だ。

 しっかしこの読み物が読みにきィのなんの。どうもWMVで「文章が写った画像ファイルのスライドショー動画」を流しているだけのようなのだ。その上、早送りも巻き戻しも一時停止もなンもなァしッ! 少しわからない単語があって調べていたらあっという間に飛ぶ……、おい! 『Coastal Defence』とまったく同じ仕様じゃねーか!

 英語が得意でない僕がこれを読むには、スクリーンショットを取る → それをテキストに起こす → 辞書をひきながら読む、という死ぬほど面倒な手数を取らねばならない。そのため、とてもではないが読む気など起こらない。12ページあたりでギブアップしてしまった。甘えだと言ってもらって結構だ。これをいちいち読むのであれば、その罵倒を受けたほうがまだマシだろう。

 ちなみにそこまでの物語はどうなのかといえば、割と無難である。僕は英語のニュアンスがよくわからないため、これが痛々しい物語なのかどうか判断がつかないのだが、とりあえずはぶっ飛んでいるわけでもなく、おかしい部分はなくもないが極端に破綻しているわけでもなし。そして、言うまでもなく興味をそそられるわけがない。最後で面白くなる可能性はあるだろうが、そもそもそこまでたどり着ける気がしない。大体、長さのわからない一時停止もページ送りもできない文章を読める人がどこにいるのだ。

追記。
 
 英語に堪能な方にこの物語を読んでいただいたところ、海外のファンタジーとしてよくあるタイプの文章をしていたとのことである。その上、決して文章が下手なわけではないそうだ。

 ……しかし、なぜそういったまともな文章なのにわざわざこうして七面倒くさいビュワーで見せるのか。おまけに謎のミニゲーム(後述)までついて……。そういえば、『Coastal Defence』も別に文章に書いてあることは極端におかしくなかったのだ。むしろ良いところがあるというのにも関わらず、なぜ全体を見るとここまで狂っているんだ。

変わらぬ世界がここにある

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閉口ゲーム

 さて、最後に紹介するのは「Garden Pot Game」である。ようやくゲームらしい部分がきた。どんな楽しみが待っているのかなァ! と思いきや、実写に植木鉢を合成するだけ。世界は絶望に包まれ、子供たちは泣き叫び、人々は恐怖の闇に落ちてしまいそうなモノだ。思わずファックと口から漏れる。

 このゲーム、見るからにテキトーに切り取ってある植木鉢を合成するだけなので、違和感がバリバリなのは言う必要がない。しかもそれぞれ違うシーンで3回合成することが出来るのだが、黒いフチに掛かる形で合成すると2枚目・3枚目に合成したのが残るというバグまでお持ちになっている。そもそもこれのどこがゲームなのか説明しろ。原稿用紙100枚で説明しろ。

 まったくもってとんでもない作品であったが、よくよく考えてみるとこの作品はこういうものなのだ。テキストを動画で流し(しかも一時停止も巻き戻しもできない)、ついでに訳のわからないミニゲームを付属させる。この手法、まさしくふざけた動画にふざけたゲームがついていた『Coastal Defence』と同一であり、一年前から何も変わっていない! いや、それどころかミニゲームが本編にほとんど関係ないところからすれば、むしろ更に頭を壁にぶつけたかと心配してしまう具合である。

 こうしてJB Marius Sheridanは諸行無常というこの世の理から逸脱した作品を作り上げたのだ。おお、なんてことだ。一年経っても基本は何も変わらない。クソ読みづらい文章とクソがクソと叫びながら漏らしたクソくらいにファッキン排泄物かと思うようなゲームで構成された作品ッ! 一年経っても何も変わっていない喜びを味わえるに違いないだろう。

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 約一年経って、またもや同じものに帰ってきた。ほら、お前らの大好きな昔ながらの変わらないゲームだぞ! 喜べッ!


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Oxadania: An E-book 80ゲイツ Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:JB Marius-Sheridan ジャンル:その他 2011/08/10

 『Coastal Defence』で一世を風靡した一部読者には馴染みのJB Marius-Sheridanの作品。
 内容はオリジナルファンタジー世界の物語を読んだり、地図を見られるという電子書籍(といっていいのかコレは)。
 おまけで「Garden Pot Game」もついてるぞ! なんだか無性に鉢植えを投げて割りたい気分だ。
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