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Perkunas' Dragon: Episode One 特集

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“失われた神話”のインディーズゲーム『Perkunas' Dragon: Episode One』

 “失われた神話”という言葉の響きは人の心を掻き立てはしないだろうか。

 このゲームのタイトルにもある「ペルクナス」というのはリトアニア神話の雷神である。リトアニアはヨーロッパ北東部の国で、人々はこの雷神を「年寄りの親父」なんて読んでいたそうだ。また、この作中に登場する敵、例えば「ズメイ」といったドラゴンは、スラブ系ロシア民族の伝承に出てくる悪いドラゴンである。

 つまりこの作品は、リトアニア神話やスラブ民族などの伝承を題材にしているわけだ。これらの地域では動物・火・樹などのあらゆる要素を崇拝しており、アニミズム的な信仰を持っていたようである。

 もっとも、彼らの信仰は今となってはおおまかにしかわからない。このあたりの地域は次第にキリスト教の影響が強くなり、信仰は無理やり形を変えられることとなってしまった。結果、伝承や神話の多くは消え去ってしまったわけである。よって、リトアニア神話もスラブ神話もしっかりと情報が残っているというわけではないようだ。

 今ではキリスト教的形式を通してのみ当時の輪郭がわかるようだが、詳細については学者ごとに意見が別れることもあるとのこと。古い歴史がある場所の、一度は失われた神話は今でも靄に隠れているのである。

 そんな“失われた神話”をビデオゲームにしたといえば心が躍るのではないだろうか。この『Perkunas' Dragon: Episode One』は、そんな神秘的な伝承を題材にした作品なのである。開発チームはMiddle Lands Studios。

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Perkunas' Dragon: Episode One

 尚、この作品は開発チームからダウンロードコードを頂き、こうして記事にしている。購入したわけではないので注意されたし。また、原則的にダウンロードコードをいただいた作品は、特集記事でゲーム内容の紹介・簡単な内容に関する意見などをひとまとめに掲載する。

Zithiraの旅は疑念とレベル上げにまみれている

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このあたりの人々は農耕民族だったようだ

 まだ人々が自然法則をまともに理解できていなかったころ、飢えや寒さに脅かされた彼らは生贄を神に捧げることによって厄災を退けようとした。しかし、Radbod公爵が国を統治している間は、その恐怖がなくなることはなかった。

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しかし、彼らに病気が襲い掛かる

 国は恐ろしい病気に犯されてしまい、どうにもならなくなったRadbod公爵は、偉大なる神「ペルクナス」に祈りを捧げる。ペルクナスは彼の願いを受け入れたものの、援助として派遣されたのはZithiraというドラゴンであった。

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冒険がはじまる

 派遣されたドラゴンはペルクナスの依頼を達成するため、各地を巡り人々と話をし、Radbod公爵の元を目指す。しかし、人々と話をするたび、自身の考えていることと彼らの理解が違っていることに気づく。人々は偉大なるペルクナスを知らないし、Radbod公爵に対する印象もどうも自分が教えられたものと極端に違うのだ。ましてや、牧歌的な人々がウソを言っているとも思えない。

 果たしてZithiraは何を信ずるべきなのか。旅をする中で、彼女の中にそんな疑問が浮かぶのであった。

 ……と、あらすじは以上のような形である。ここからはゲームシステムの紹介をしよう。

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基本はシューティングゲーム

 このゲームは縦か横にスクロールするシューティングゲームである。HPがなくなったらゲームオーバーという内容だが、リトライは無限に可能。ゲームの構成はシューティングステージをプレイし、会話デモを見て、またシューティングステージをプレイするという形になっている。

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さまざまなスキルを使いこなせ

 また、経験値システムが採用されており、Expを1000ポイントを溜めるとスキルポイントが1ポイントもらえる。そのスキルポイントで、15個のスキルやショットの中から任意のものを選び、成長させていくことが可能だ。これらをステージ中に使って有利に進めていく必要がある。ただし、スキルを使うにはマナが必要なので管理が重要となる。

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パズルステージなんかも存在している

 また、ステージごとに内容が複数用意されており、単に敵と戦うステージもあれば、パズルをクリアしなければならないステージも存在している。このことから、公式ではSTGとRPGとPZLが混ざったゲームと売り文句をつけているようだが、RPG部分はスキルのみ、PZLもオマケなので、実際は成長要素のあるシューティングゲームだと考えていい。

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能力を鍛えまくることも可能

 ちなみに、選択できるステージは物語の進展によって変化するものの、同じ場所を複数回プレイしてドラゴンの能力を鍛えることが可能である。同時にHPやマナの回復アイテムを何度も回収できるため、かなり下手な人でもクリアは可能なシステムであることは、おそらくたぶんきっとそうなのだろう。

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戦闘のみも遊べる

 そして、キャンペーンモード以外にはドラゴンズアリーナモードが存在している。これはボスラッシュのようなもので、特定のスキルポイントを駆使して、ボスと戦っていくものだ。要はオマケである。

頭痛としけた缶パンのゲームプレイ

 ……さて、ここまでの説明を読んで少しでも楽しいゲームだと思ってくれたのなら幸いである。だが、5時間程度のプレイ中はため息の連続であった。今度はしばらく愚痴らせてくれ。

 まず、“話を進めずに鍛えてキャラクターを強くすることが可能”というのは国内のRPGにもよくある手法だが、これはバランス調整を放棄させる可能性が出る。つまり、鍛えればなんとかなるんだから、クリアできないことはないだろうと思い込んでしまう可能性があるのだ。そして、このゲームはそれだ。

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壊れた蛇口のように敵が出るゲームだ

 とにかく放置プレイにネグレクトを重ねたバランスで、ドラゴンのあたり判定はでかいのに、敵は弾幕シューティングの弾みたいに出るわ、ダメージの量は極端に小さかったり常識はずれになっている部分があるわでどうしようもない。慣れない間は、慢性的な頭痛のように悩まされ続けるだろう。

 パターンを組むアーケードシューティングのような繊細な調整を要するシステムではないが、それでもこれはあまりにもやっつけである。ステージの長さや難易度もうまく調整されているとは言えないだろう。もっとも、調整しようとした痕跡がある分だけ、救われるのだが。

 また、グラフィックも特筆することがないだけならまだしも、色や視認性に気を使っておらず、わかりにくい。そして、それによる死亡が多い。効果音もちぐはぐである。このあたりは理不尽な死に方を多く体験するはめになり、本当にやる気を殺がれる。

 こうなるとクリアが難しいように思えるが、高レベルにした「Light Dance」というスキルがペルクナスを片手でひねりそうなほど強いから笑える。これとマナの最大値をあげるスキルを鍛えつつ、回収したマナ回復アイテムを使いまくりながらゴリ押しすればどこでもなんとかなる。攻撃は敵弾を消す防御にもなるので、攻撃が激しければ雷を自分の周りに漂わせればいいだけ。ちなみにアリーナモードも「Light Dance」だけでゴリ押し可能だ。さすが雷神ペルクナスのドラゴンだけあってこの手のものは強い。ふざけんな!

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パズルというかノーヒント試行錯誤

 また、ステージに少しだけ含有されているパズル分が実にひどい。全体的に説明不足で、何をすればいいのかとにかくわかりづらい。特に上記画像のトロッコシーンなど、何をしてクリアしたかすらもわからなかった。

 確かにゲームを飽きさせないアクセントになってはいるが、質がしょうもないだろう。缶パンの中に濡れた金魚が入っていればそりゃあ驚くだろうが、捨てたくもなる。

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謎の化け物も出てくるが果たして

 ストーリーもあまり見るべき箇所はないだろう。内容としては、ほとんど人々のお使いをしているだけ。「Zithiraの忠心と現実の差異」という面白くなりそうなテーマはあるのだが、Ep1ではうまく作用しているわけでもなく、これで人に訴求することは不可能だ。正直、Ep2でおおまかなあらすじが搭載されていればEp1を遊ぶことは不要だと思われる。

 このあたりはゲームプレイのために必要なステージ数と、Ep1で使うべき話の尺の長さの違いという問題があるかもしれない。どうも話としては薄く引き延ばした感覚が強くなっているので、脚本とゲームに盛り込む内容量の調整がうまくいっていないのかもしれず。

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何が違うのかわからない難易度選択

 また、難易度選択に「JAPAN」というものがあったので序盤まで遊んでみたのだが、何が違うのかさっぱりわからなかった。てっきり弾幕STGのように敵が出まくるのかと思ったがそれはもともとだし、敵の硬さがあがったようなあがっていないような。そして何より、コツを掴むまではかなり面倒なゲームなので、EasyかNormalで一度プレイすれば事足りるだろう。

ものすごくモヤモヤとした結論

 よって、ゲームプレイとしてはしょうもない部分が目立ちすぎる。ゲームとしての掴みも悪いし、デモ版の印象が地続きになるといっても過言ではない。遊べないほどひどくはないし、一応は飽きさせないような努力は見られるが、普通ならばパズルあたりで訳がわからなくなったり、クリアできそうになくなり投げ出されるのがオチである。ただし、これに関しては仕方ないと見ることも出来るであろう。インディーなので技術力的に拙い部分はあってもおかしくない。

 評価する際に見るべき箇所は、このゲームの理念に面白みがあるかどうかだ。では、この『Perkunas' Dragon: Episode One』についてだが、この神話ならではのロマンや楽しみがあるかといえば、そりゃあないだろう。

 確かにリトアニアやスラブの信仰に関連しているであろうアイテムが存在してはいる。回復アイテムは供物の馬か鹿のようだし(過去のリトアニアでは山羊や馬は神への捧げ物のみとして利用される神聖な生き物だったとのこと)、敵も多くが神話に関連しているようだし、建造物についても特別なものが見て取れる。

 しかし、ただの題材に過ぎないのは間違いない。とはいえ、そのあたりは気楽なゲームという意味では当然なのだろうが……。しかしそれなら、わざわざペルクナスやスラブ民族の伝承という題材を使う意味はあまりないだろうと悩まされる。厳しいことを言ってしまえば、他の凡百のインディーズゲームと同じく、とりあえず妙なところに目をつけただけに見えるわけだ。よって、Ep1に関してはそんな結論になる。

 もっとも、複数エピソードによる構成であり、こうして広報のために製品版コードまで送っていただけるほどには気概がある作品だということは確かだ。完結に向けてストーリーを盛り上げられる可能性もあるだろうし、逆転の目がないわけではないことは、きちんと付記しておかねばならないだろう。もっとも、まずは完結までプレイできることを願うべきなのだろうが。


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Perkunas' Dragon: Episode One 240ゲイツ Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Middle Lands Studios ジャンル:RPG 2011/11/18

 リトアニア神話の神「ペルクナス」を題材にしたシューティングゲーム。
 スキルポイントによる成長要素や、パズルにも似たステージが存在している。
 「Light Dance」というスキルが恐ろしく強い(というより、ないとクリアできない可能性大)ので留意されたし。
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