Xbox360 IndieGamesで石を拾う 24【Evan Quest】

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「朝ごはん食べた物語」もとい『Evan Quest』

「あなたは本当にビデオゲームが好きですか?」

 つまるところ、今回の記事で僕が言いたいのは、たったこれだけなのである。

 今回紹介するゲームは、Xbox360インディーズゲームで2012年2月19日に配信された『Evan Quest』。開発はARCHOR GAMES、あるいはECHS BACHS。前回の記事である「Xbox360 IndieGamesで石を拾う 23【NewsCopter】」を見ていただければわかると思うが、かなり曰くつきのデベロッパーがまた問題作を出したと解釈してもらえればいい。

◯ Xbox360 IndieGamesで石を拾う 23【NewsCopter】
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1236.html

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タイトル画面

ゲームルール紹介とかそういう話じゃねえよッ!!

 この作品の形態を手っ取り早く言えば、小説だ。一行ずつ文章が表示されていくので、プレイヤーはそれを読み進めていく。それにしても、画面がまっさらだ! 無垢な少女のように純白である。

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わあ! よりどりみどりね!!

 物語は四種類存在するが、まずは試しに、作品のタイトルにもなっている「Evan Quest」から読んでみよう。おそらくこれがメインディッシュだ。

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簡素で没入しやすい出だし!!

 さっそく日本語で読み始めてみよう。「Evanは起きました。彼はシャツを着ました。」

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最高の選択肢だ!!

 さて、ここで選択肢である。「彼のシャツは何色でしょうか?」とのこと。赤か、緑か、青か。おそらくこれが後に何か大きな変化を起こすのだろう。

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どれを選んでも平等!! エキサイティング!!

 などと思ったプレイヤーは死ぬ! 赤を選んでも、青を選んでも、緑を選んでも、次の一文の単語が少し入れ替わるだけなのであった。ハハハ! 騙されやがって。シャツの色が違っても日常は変化しないんだよッ!

 ハハッ……。なんだよこれ。

 これでもうゲームの全貌がわかっていただけただろう。この『Evan Quest』は、意味のない選択肢を選ばせて、価値のない物語を読ませるだけの作品なのだ。おいコラッ! ふざけんなしッ!!

 ちなみに「Evan Quest」の内容は、「Evanが起きて、シャツを着て、ペットを見て、飯を食って、パソコンで楽しんで、遊びに出かけた。」というだけ。つまり「朝ごはん食べた物語」。小学生が書いた作文にも劣る文章、しかも原稿用紙一枚もないであろうストーリーに、ひたすら目眩を感じる。当然、挿絵なんかもあるわけがない。ずっと白いままだ。なんという純潔さ。

 無論、ペットの種類・食事内容・パソコンで遊ぶ内容は三択になるが、どれを選んでもほとんど変化がない。シャツの色と同じく、せいぜい次の一・ニ単語が入れ替わるだけ。率直に言って、消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ。

そもそもこれはなんの物語なのだ?

 この『Evan Quest』はARCHOR GAMESの中でもかなり出来が悪く、小説のいろはだとか労力だとかそんなものと一切関係がない。もともとこれといった力がありそうにないデベロッパが手を抜いてやっつけで創り上げた作品であり、カス、垢か排泄物レベルであることは必然。

 他にも物語があるので紹介しておこう。どれも未就学児が読む絵本より刺激がない。

「Debie Zone」のあらすじ
 Debieは乗り物に乗って出勤。コンピューターでお仕事して、お話を書いて、乗り物で家に帰ったよ!


 鼻血が出るくらいの内容のなさもひどいが、選択肢の出し方もひどい。最初になんらかの乗り物に乗っているのに、一番最後の選択肢で「ところでDebieの乗っていたのは何?」などと言い出す狂いっぷり。そして、選択肢には必ずスパイ関連のギャグがひとつ入っており、おそらく笑わせようとしているのだが、巻き起こるのは失笑か失禁のどちらか。無論、職業がスパイだろうと学校の先生だろうと、日常は変化しない。

「Cade's Cove」のあらすじ
 Cadeはバス停に行った。学校に行ったよ。本を開いたよ。物語を書いたよ。絵を描いたよ。おうちに帰ったよ!


 「起起起結」とでも言いたくなる物語に突っ込みたくなるのもさることながら、選択肢の内容も爪の間に溜まった垢くらいにしょうもない。どれも面白みがなく、これに至ってはつまらないギャグを言うことすらやめてしまったという有様だ(いや、これは賢い判断なのか)。

 いやァ、こんなしょうもない話を読むために80MSP(だいたい100円)を払ったバカの顔を拝んでみたいものだ! そして鏡を見てみれば、そこには本当にどうしようもないバカが写っていた。

Do you really like video game?

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作者の物語すらあるのだ!!

 さて、こんなつまらない物語などどうでもいいので、今回の肝である「Archor Games」という物語に触れたい。これは見てわかる通り、制作者自身をモデルにした物語だ。

「Archor Games」のあらすじ
 Archorはコンピューターを使ってるよ。ゲームを作っているよ。彼は本を書いたよ。ご飯食べたよ。テレビ見たよ。公園に行ったよ!


 相変わらずの脈略のなさに過呼吸になりそうだが、注目すべきは「彼は本を書いた」という部分である。ここで選択肢が登場し、本の内容を選択することができるのだが、その内容が以下の通りなのである。
  • Computers
  • Science
  • Video Games
 そして、「Video Games」を選択すると次のような一文が表示される。

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具体的に何を書いているかはわからない

Archor really likes video games.


 「Archorは本当にビデオゲームが大好き!」か……。

 この『Evan Quest』や同デベロッパの別作品をプレイしていると、制作者がビデオゲームに対してとてつもない恨みを持っているか、あるいは単なる金づるとしか思っていないような印象を受けるのだが、それは僕だけだろうか。

 だがしかし、おそらく自分でそう話しているのだから本当に好きなのだろう。それに、好きでなければこう何作もゲームを制作しない。つまり、この『Evan Quest』にも彼なりの愛がこもっているのだろう。こうなると、“ビデオゲームが好き”という言葉の意味の難しさを感じてしまう。はたしてゲーム好きとはなんぞや? 僕はゲーム好きなのか? 少なくともこの作品に関しては……。 ところであなたは? この作品ですら愛せる?

 ここでこの記事の一行目に戻ろう。結局のところ、僕が聞きたいのはこれだけなのである。

「あなたは本当にビデオゲームが好きですか?」


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Evan Quest 80ゲイツ Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:ECHS BACHS ジャンル:エデュテイメント 2012/02/19

 物語がいくつか読めるソフト。開発は『NewsCopter』などの百癖もあるゲームでお馴染みのARCHOR GAMES。
 「Evanは朝起きて、ペットを見て、朝食を食べて、パソコンをしました」という小学生が書くようなストーリーが読める。選択肢もあるがほとんど無意味。
 子供向けらしいが、ガキを舐めるのもいい加減にしたまえ。
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