ファイナルファンタジーXIII - 2 レビュー

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良くも悪くも大作RPGとして揺るぎない『ファイナルファンタジーXIII - 2』

 『ファイナルファンタジーXIII - 2』(以下、FF13-2)は2011年12月15日にスクウェア・エニックスから発売されたRPG。名の通り、有名大作RPG『ファイナルファンタジーXIII』の続編である。

 今回のFF13-2は、前作エンディング後の物語を描いている。内容も基本的に準ずる形であり、オーソドックスなRPGである。コマンド選択式の戦闘を楽しみ、先へ進むとムービーで展開される長編シナリオを楽しむことができるというものだ。

 今回はプレイ記録をつけていないものの、システムや物語の説明記事を用意したので、必要な場合は参照されたし。

◯ ファイナルファンタジーXIII - 2 クリア後記 01 システム編
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1281.html

 また、参考として前作のレビューも掲載しておく。

◯ ファイナルファンタジーXIII レビュー
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-998.html

「ファイナルファンタジー」として考えれば疑いようもなく名作か

 さて、大雑把にFF13-2を表現するのであれば、やはり国内のRPGとして大きなタイトルだけあって実に見事な出来と言えばいいだろうか。とはいえ、前作からの地続きであるため、対象プレイヤーの範囲はやや狭い。

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大きな変化はあまりないFF13-2

 ゲームシステムは基本的には前作と同じであり、物語を読み進めていくのが主な目的。ノエルとセラのふたりが、悪人によって変えられてしまった歴史を修正していく。

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本作の主人公ふたり

 相変わらず主人公たちはモデル体型のおしゃれな人物であり、そんな彼らがファンタジーと機械の混じった世界を冒険していく。前作で馴染みの場所・キャラクターも登場するものの、タイムトラベルという要素や登場する敵はまったく新しいものなので、本作から入っても極端に抵抗はないだろう。

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基本は同じだが、選択要素が増えた

 FF13-2のシステム的な変化として最も注目すべき部分は、プレイヤーに選択をさせる場面が増えているということだ。前作は完全に物語を見るだけの一本道であったが、今回は戦闘や移動においてプレイヤーが選択をする必要がある。

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好きな時代・場所で好きなだけ遊べる

 プレイヤーが選べる要素は以下のようなものである。
  • 歴史を自由に行き来できるため、あとから同じ場所に戻ったり寄り道が可能
  • カジノなどの施設も用意されている
  • 戦闘面では、さまざまなモンスターを仲間にすることができる
  • モンスターはどれを使うかといったことや、育成方針も自身で選択することに
  • 物語においては、ライブトリガーという選択肢が登場
  • パラドクスエンディングというマルチエンドが存在
 こうしてプレイヤーに選択をさせるようにするというのは一長一短だ。様々なモンスターを育てることができたり、寄り道をして好きに移動できるというのは、自身の手で冒険をしているという印象を与えることができるのは言うまでもない。遊べる幅も広くなるし、やり込むことも可能だ。

 選択する要素が多い場合の短所としては、移動できる時代が多いので道がわかりづらくなったり、バランス調整がどうしても甘くなってしまうということ。とはいえ、これは単純にシステムの違いによる差異という程度だろう。一本道は道がわかりやすいしバランスも調整しやすいものの、寄り道やらはできないのだ。逆に、選択権がある場合は、道は決まっていないからガイドを強く出せないし、どの道を通るのかわからなければバランスも甘めに調整しなければならない。また、他に重大なものがあるのだが、これは後に語ろう。

 そして、細部を見ても粗がほとんどないのは疑うまでもない。本作も相変わらずムービーシーンが多いものの、構成が適切で退屈させることはないはずだ。エンカウント率や戦闘にかかる時間もきちんと調整されているようで、同じことを繰り返して退屈することもほとんどなし。風景も適切に変化するし、音楽も質の高いものが数多く揃っており、具体的にはチョコボに乗るシーンだけでさえ5種類近くも曲があるという具合だ。

 そして、多くのサブクエストやアイテム作成用材料アイテムが存在しているものの、混線したりバグが発生することもない。このあたりの管理も実に見事で、大作らしい作り込みが存在する作品と言えよう。これらは表立って面白いと言われる要素ではないが、ゲームの品質においては非常に重大な要素である。

取捨選択による損失と利点

 急に話は変わるが、一定量の小麦粉で楕円形のパンを作るとしよう。それを細く作れば長くなるが、太く作れば短くなる。さしづめ、FF13-2は後者といったところだろうか。

 プレイヤーに選択の余地がある場合、重大な問題が発生する。それは、同じ場面でも違う選択時のパターンを用意しておかなければならないということ。ましてや、カジノやら別の時代に寄り道ができるのであれば、そちらを作る手間がかかるだろう。つまり、選択性を重視したFF13-2は、前作ほどの話を語れるほど饒舌ではないのだ。

 そのため、本作は物語の尺が短くなっているようだ。物語のあらゆるところに疑問符が浮かぶことからや、前作はストーリークリアまで40h程度だったのに、今作では半分以下になっていることなどからそれを見て取れるが、何より一番の大きな証拠はこれだろう。

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衝撃の「つづく」

 FF13-2の物語は「To Be Continued...」で終わってしまうのだ。これはやはり抑えておかねばならない点であろう。

 とはいえ、マルチエンドなら別のエンドで補完されていれば問題ないはず。だが、実のところFF13-2はFF13から本質は変化していない。物語は選択することができたとしても、やはり一本道であり、選択肢はほとんどが変化を起こさないからだ。マルチエンドも完全にオマケ(あるいは蛇足)状態。

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マルチエンドは映画のエンディングが劇場とDVDで少し違うようなもの

 つまり、映画的な一本道の物語をメインに据えつつ、おまけで戦闘や寄り道を楽しむという形なのである。表面的な形式は変化したし、戦闘や寄り道で遊びの幅も増えた。が、相変わらず一本の物語を追うRPGであることは疑いようもないだろう。それなのに物語に問題を抱えているというわけだ。

 とはいえ、これは単なる欠点として解釈するのではなく、一長一短の「短」と解釈したいところだ。前作のように細く作れば物語はきちんと描写できるものの、遊びの幅が狭くなる。逆に、今作のように太く作れば短くなり、物語に綻びや問題が発生する。元の小麦粉を爆発的に増やせないのであれば、どちらを取るかであろう。

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モンスター育成やミニゲームを目当てにすれば気も紛れるだろう

 衝撃的な問題点を書いたものの、これはやはり取捨選択の問題ではないだろうか。FF13のように物語を作ることに注力できなければ、尺が足りなくなるのは明白。これを無理矢理に終わらせて滅茶苦茶にするよりは、「続く」にしたほうがまだマシであろう。とはいえ、基本的に一作完結のファイナルファンタジーでは抵抗もあるだろうが。

 よって、メインである物語に問題を抱えてはいるものの、高い評価が見込める作品である。やはり、こういった古典的かつ大規模で、しかも丁寧に作られているRPGは他にあまりないのだ。

ファイナルファンタジーのブランドはいつまで強いのか?

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しかし、相変わらずすぎる作品でもある

 余談になるが、僕はFF13-2を暇つぶしには遊べたが、これといって面白いと感じることはなかった。これはもはや、ファイナルファンタジー自体が大して好きではないという理由に尽きるのだろう。本作はとにかく中高生向けの格好よさを求めているため、それが好きであったり、あるいは許容できる人向けなのだ。主人公であるセラの声を聞いて反吐が出るプレイヤーになど、遊んで欲しくもないだろう。

 だが、近年は洋RPGもローカライズされ家庭用据置機で遊べるようになり、FF13-2がインパクトに欠けることは疑うまでもない。実際、他には傑作と呼ばれるようなRPGがいくつか存在しているわけだし、そちらが問題を抱えていなければ最高ではないか。

 そのため、「ファイナルファンタジーがより僕好みになるにはどうしたらいいのか?」とたいへんに独りよがりなことを考えいた。が、その答えは僕が考える限りでは出なかった。僕のような人間は、ファイナルファンタジーに何かを期待しても仕方がないのである。

 Xbox360やPS3での開発に慣れれば、システムも自然と強化され豪華になっていくだろうし、物語が途中で切れることもなくなるかもしれない。とはいえ、あまり楽しくないのは、根本的にこの物語とシステムに刺激を感じないからだ。ファイナルファンタジーの物語やキャラクター、世界設定はまず揺るぎないものであろうし、映画のような大きなストーリーを見せるというのもまず変わりあるまい。つまり、どれだけ進歩しても、ファイナルファンタジーがファイナルファンタジーである限り、この「ベタベタで格好良すぎて青臭くも見える世界を見せる」ことには変化がないはずなのだ。

 前作のレビューでも記したが、長く続いてきたビッグタイトルだけあって、質には疑いようもなく、安定感も抜群だ。だが、それは裏を返せば仇となるのは言うまでもない。プレイヤーも年を取り、かつての子供たちは大人になり、他の大人向けの作品たちが次第に登場してきた。ふらりと出て行ってしまっても不思議ではない。

 FF13-2は問題を抱えているが、仮に本作が完璧に出来上がっていたとしても、おそらく不満は出ていたのではないだろうか。本質的な問題は物語が尻切れトンボなことではなく、ファイナルファンタジー自身の魅力が薄れたように見え、プレイヤーに続きを待たせるような力がないことではないだろうか。同時に、プレイヤー側も変化してしまったのではないのか。そう思えてならないが、これは僕の思い過ごしだろうか。

 良くも悪くも大規模国産RPGとして揺るぎないのが、この『ファイナルファンタジーXIII - 2』である。磐石で、巨大で、沈着。実に頼り甲斐のある存在だ。しかし、それを退屈だと思う人が出てきてもなんらおかしくあるまい。ことに、プレイヤーが刺激を追い求め続けるビデオゲームでは。
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