不幸な境遇さえなければ……と思わずにはいられない『Joy Ride Turbo』

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ただの見たことがあるレースゲームではないのだけれども…… 『Joy Ride Turbo』

 誰だ、「マリカーだコレ」などと言ったのは。確かにそういったパーティ・レースゲームの亜種といえるが、『Joy Ride Turbo』には意外な楽しさがあるのだ。

 しかしこのゲーム、なかなか不遇な立場にあるといえよう。はじめはマイクロソフトが基本プレイ無料ゲームとして発表したものの、いつの間にかKinect用パッケージタイトルになり、今度はXbox Live Arcadeに逆戻りしてきたという経緯があるのだ。

 結果、このXBLA版にも、仕様の変遷があって微妙な位置に落ち着いたのだと思わせる部分がある。とはいえ、このゲーム、簡単に見過ごしてしまうのが勿体無く感じられるほどの存在といえる。

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『Joy Ride Turbo』タイトル画面

 そんなわけでBigParkが開発したパーティ・レースゲーム、『Joy Ride Turbo』を遊んでみたところ、これがなかなか面白かったのだ。
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なかなか刺激のあるパーティーゲーム

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やはりアイテムは見たことのあるものばかり

 とはいえ、基本的なゲーム内容は想像の通り。アバターの乗った車でレースをして、妨害アイテムをうまく使って、一位を目指すというものだ。アイテムの種類によってはあっさり逆転も可能という、よくあるパーティー・レースゲームといえよう。

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運転する気ゼロ

 特別な点としては、スタントが大きく取り上げられている点か。空中でスティックを倒すと、フリップだのローリングだのを決めてブーストゲージが溜まっていく。当然、ステージもこれを活かすための構造が多くなっている。

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パーティーゲームながら、破壊表現も楽しめる

 また、破壊表現もだいぶ激しく、コース中にある大半の者は破壊可能だ。小さな岩ならドカンとぶつかれば壊れるし、サボテンやら木なんてのも気にせずガンガン進めばいい! どうせ、次の周回の時にはニョキニョキと生えているのだから。

 この破天荒さがウリのひとつである。基本的にはかわいらしい世界として描写されているものの、レースとしての激しさ、あるいは乱暴さといった要素は、スタントや破壊で表現されているというわけだ。品行方正すぎることもなく、適度な刺激があるのが『Joy Ride Turbo』だ。これが実に心地よい。

あまった収集品の再活用

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車は3ジャンル用意されており、それぞれ特徴が違う

 本作ならではの特徴はといえば、過剰なほど存在するアンロック要素だろうか。最初から解除されている車は三つだけで、新しい車をひとつ手に入れるには三種類のパーツを集める必要があり、しかも車には形の違う亜種まで存在し、亜種をアンロックするのにもパーツが必要なのだ。これを全部集めるのは結構な手間だろう。

 このあたり、基本無料で作っていたころは、追加の車かあるいはパーツなどでMSPを取るつもりだったのだろう。しかし、今となってはやや過剰すぎる収集品に成り下がってしまった。なんとも泣けるものよ。

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おまけモードながら、余剰パーツの使い方が悪くない

 とはいえ、これらのパーツが完全に無意味になっているわけではない。「スタントパーク」というハープパイプが多いマップをのんびり走れるモードがあり、そこで集める収集品となっているのだ。実はこのモードが意外と面白く、むしろこれを主題にしてもよかったのではないかと思うほどだ。

 やはりこのスタントがウリなわけで、それを通常のレース以上に生かせているこのモードこそ面白さが際立つ。とはいえ、あくまでおまけであり、マップはふたつしかないのだが。収集品自体の数はそこそこ存在するものの、やはりこれをメインに据えたほうが……、いや、パーティー・レースゲームとして作られたのだから、期待するのが間違ってはいるのだが。

 また、通常のオンライン対戦だけでなく、このスタントパークモードも他人とオンラインプレイをすることが可能だ。好き勝手走ったり、収集品の場所を教え合ったり、いきなりぶつかったりするのも悪くない。

ある意味ですごいオンライン対戦

 とはいえ、やはり対戦プレイが主題となっているのが本作だ。そのオンラインプレイはどうなのかといえば、事前に他サイトで情報を得ていた通りのひどいもの。特に、クイックマッチは危険だ。

 まずはふつうのオンライン対戦動画を見てもらおう。


 序盤からいきなり即死確定の交通事故が起こっていたり、他車の挙動が麻薬中毒者の運転みたいになっているのが見て取れるだろう。とはいえ、一応は対戦できなくもない。

 だが、場合によっては壊滅的なことにもなりうる。というよりむしろ、常軌を逸していて爆笑することすらできる。その瞬間を捉えたのが次の動画だ。


 なんとスタート直後に他車に押し出され、通常では入れない箇所に閉じ込められてしまったのだ! これには驚くことを通り越して、ひと通り笑ってから呆れてしまった。なんだこれは。

 しかし、『JOJOの奇妙な冒険』に出てくる『F-MEGA』みたいに、他車にふっ飛ばされてショートカットができるかもしれないと考えると、夢が膨らむような。いや、膨らむわけがねーだろ! とにかくこれをなんとかしろ! と思わず素に戻ってしまう。

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プライベートマッチならばなんとかなる……のか?

 とはいえ、ふたりでプライベートマッチを遊んだときは、特に不具合は感じなかった。となると、日本人だけを集めて遊べば意外といけるのかもしれない。

 しかし、世間からの評価はやはり、「マリカーだコレ」なのである。おそらく、まともにどういうゲームか認識さえされていないだろう。これはこれで結構悪くないはずなのに。少なくとも、僕のフレンドでは持っている人がほとんどいなかった……。また、実際に、帯に短し襷に長しといった感じで、パーティー・レースゲームとしては、オンライン対戦やコースの数など、気にかかる部分がしばしば存在する。

 これが本当に基本無料で出せていたら。あるいは、この刺激的なトリックや破壊を全面に押せていたのならば。もう少し、違う扱いを受けていたのではないだろうか。

 とはいえ、そんなことを思っても無駄でしかない。オンライン対戦で外人に吹き飛ばされつつ、レースを繰り広げるしかないのだ。ああ、これさえなんとかなれば。これさえなんとかなれば……。


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Joy Ride Turbo 800MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:BigPark ジャンル:レース & フライト 2012/05/23

 『Kinect Joy Ride』のライブアーケード版。いわゆるパーティー・レースゲーム。
 単なるこの手のジャンルかと思わせておきながら、破壊表現やスタントの刺激がなかなかいいアクセントになっている。
 また、「スタントパーク」という収集品集めのおまけモードが意外といけている。

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