Spelunky レビュー

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「1000回死ねるアクションゲーム」はいささか死にすぎか

 『Spelunky』は2012年7月4日にXbox Live Arcadeで配信された「1000回死ねるアクションゲーム」である。開発はMossmouth。

 本作はアクションゲームにローグライク(あるいは「不思議のダンジョン」)のような自動マップ生成を組み合わせた作品である。潜るたびに様相が変わるダンジョンを探索し、あからさまにこちらを殺そうとしている罠や敵を退け、お宝を目指す。かなり死にやすく、死んで危険を覚えていくゲームである。

 もともとはフリーゲームとして配信されているインディーゲームであり、そのバージョンアップ版としてXBLA版が開発された。本作はグラフィックが一新されており、アイテムや敵、新エリアやオフライン協力・対戦プレイなども追加されている。

 ゲーム内容の詳細については、プレイ記録を参照されたし。

○ 『Spelunky』プレイ記録
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-category-68.html

自動生成のダンジョンを潜って死ぬ楽しみ

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 タイトルからわかるように、本作はコモドール64やファミコンで登場した『スペランカー』を意識している。ファミコン版の『スペランカー』は主人公がとにかく脆弱に調整されており、すぐ死ぬのだ。また、無謀にも洞窟探検をするというのも共通項である。

 そして、そこに自動マップ生成を組み合わせているのだ。洞窟には危険すぎる罠だらけなので、それを死につつ覚えて制覇する必要がある。特に序盤の死にざまは特筆すべきであり、なんらかのインクレディブル・マシーンに放り込まれたかのように、時には芸術的にすら死ぬので笑える。

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 また、自動生成ダンジョンと即死は相性がいい。このダンジョンは慣れれば8分以内にすべてをクリアできる程度の短さだし、1フロア自体は十数秒で終わってしまうこともあるのだ。無論、だからといって内容が薄いわけではなく、罠や敵やアイテムは豊富だ。

 つまり、全体を見れば短めなダンジョンを死にやすく遊ばせることによって、しっかりとやりごたえがあり、同時に冗長にならないゲームプレイを提供しているわけである。

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 XBLA版独自の要素としては、協力プレイの存在が挙げられる。これは同時にプレイすることによって、お互いにサポートや邪魔をできるようになっており、なかなか冒険を賑やかに盛り上がるのだ。(対戦のほうはオマケに近い。)

 もっとも、本作は何度も死んで知識と腕を身につければならないので、オフラインでしか遊べないのはかなり痛手か。友人が訪ねてきて接待用にという風には遊びづらく、毎日集まってやりこむという形でないと成立しづらい。

実は頭でも腕でも覚えなければならないゲームなのである

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 そう、本作は知識と腕の両方が必要なのである。はっきりいって、これはネックにもなりうるのだ。

 というのも、例えばローグライク(あるいは「不思議のダンジョン」)であれば、貯めるのは知識だけでいいのである。操作における結果の差異はほとんど発生せず、特定の状況に対処するのは頭をひねるだけでいい。

 一方、『Spelunky』はそうもいかない。こういう罠や敵、あるいは状況が危険だと知ったうえで、そういうものを避けたり殺したりするアクションゲームの腕が必要なのである。

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 こうして発生する問題は、楽しみが遠くなりすぎるというものだ。やはり、さまざまなことを覚えてから楽しくなってくるゲームなので、そこまでの道のりが遠すぎるのは問題としか言えない。これは違うジャンルを掛けあわせて、どうしても残ってしまった問題なのだろう。

 ましてやXBLA版は、非常に要素が増えているようなのだ。だからこそ覚えることが多すぎる。序盤こそ、無茶苦茶な死に様に笑っていられるかもしれないが、そのうち覚えることばかり出てきて、しかしクリアという楽しみは遠すぎて、挫折してしまうプレイヤーが多いことであろう。

 このことを好意的に解釈するのであれば「本作はマゾゲー」とでも言っておけばいいのだろうが、正直なところそうとは思えない。これは単純に、ゲームクリア達成までの過程に置いてある楽しみが少ないのだ。

『Spelunky』は急いで遊ばないほうがよさそうだ

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 よって、『Spelunky』は「1000回死ねるアクションゲーム」として完璧に成立しているとは言いづらい。正直なところ、「200回死ねるゲーム」くらいにしておけば、まだわかりやすく途中で挫折する人も少なかったことだろう。

 もっとも、道中の間は持っていないものの、この長く味わい深いゲームプレイはなかなかいいものである。例えば、“一日数回のダンジョン探索を楽しむ”というような、顎が疲れないようにゆっくりと咀嚼し、形が崩れてから嚥下するという遊び方をすれば、悪印象は回避できる可能性がある。

 毎週のように現れ、どんどん影が薄くなっていくダウンロードソフトではあるが、そんな中で『Spelunky』は珍しく長くプレイヤーと付き合うことができるゲームでもあるのだ。深い洞窟を気長に攻略するつもりがあるのであれば、こいつはいい相棒になるだろう。


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Spelunky 1200MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Mossmouth ジャンル:アクション & アドベンチャー, キャラクター アクション 2012/07/04

 トレジャーハンターとして危険すぎるダンジョンを探検するアクションゲーム。
 インクレディブル・マシーンに仕掛けられたボールのように、翻弄されて殺されまくるぞ。
 そこから危険を覚えて腕を磨き、財宝へとたどり着くのを目指すのだ。
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