The Elder Scrolls V: Skyrim DLC 『Dawnguard』 レビュー

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『Dawnguard』足りないものがあるとすれば、野心のようなものか

 『Dawnguard』は2012年7月31日に配信された『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、『Skyrim』)のダウンロードコンテンツである。『Skyrim』の追加コンテンツ第一弾であり、さまざまなロケーションやクエストが追加される。値段は1600MSP。

 吸血鬼の王であるハルコン卿が太陽を覆い隠そうとする野望を企み、それを自身も吸血鬼となり阻止するか、吸血鬼ハンターであるドーンガードとして阻止するかというのが本コンテンツのあらすじである。

 内容の詳細についてはプレイ記録を、『Skyrim』自体の内容に関しては以前に記したレビューを参照されたし。

○ The Elder Scrolls V: Skyrim 46 DLC 『Dawnguard』 01 助けたのは吸血鬼のお姫様
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1412.html

○ The Elder Scrolls V: Skyrim レビュー
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1245.html

『Dawnguard』は通常のDLCとして考えれば文句がないだろう

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 さて、『Dawnguard』の内容について語る前に、そもそも『Skyrim』や『Fallout 3』などの、Bethesda Softworksが制作するオープンワールドRPGの追加コンテンツとはどういうものなのかを認識せねばならない。

 基本的にこの手のゲームで追加される要素というのは、以下のようなものになる。
  • まったく新しいロケーション
  • まったく新しいクエスト
  • まったく新しいアイテムや敵
 そもそもオープンワールドRPGは、自由に世界を探索していくのが根幹なわけである。となると、更に行ける場所が増え、使えるアイテムが増え、体験のしたことがないクエストを受けるという、更に選択肢を増やすものが追加コンテンツとして適しているわけだ。

 そういう意味では『Dawnguard』はかなりの高品質である。完全に新規の場所だけでも、ヴォルキハル城、ソウル・ケルン、忘れられた谷など複数が存在しているし、クエストはメインとなるものがひとつあるだけでなく細かいものを含めていくつも追加されているし、アイテムや敵も言うまでもなく数十種類が追加されており、新しいプレイヤーの姿まであるのだから。

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 よって、『Dawnguard』はかなり素晴らしい……と結論づけることも可能なのだが、そうもいかないのである。というのも、はっきりいって僕は遊んでいる途中で飽きてしまったのだ。

しかし、だからといって“完璧な内容”というわけでもなく

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 もっとも、飽きてしまった理由は既にわかっている。それは『Skyrim』自体を十分すぎるほど遊んだからだ。だからこそ、多少ロケーションやアイテムが追加されようともそれは大した刺激にはならない。

 そう、こういった常識的な範囲内の追加コンテンツでは、戦闘やクエストの在り方も大きく変化はしないのだ。そもそもやっていること自体は単純なもので、戦闘あたりにも極端に力が入れられているゲームではないし、クエストも言ってしまえばお使いだ。

 それでも本作が楽しく感じられるのは、見たことのない世界で未知の体験をし、よくわからないまま手探りで冒険をするからだ。もはや手探りでなくなれば、新しい場所があっても100%の価値を発揮できるわけではない。

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 『Dawnguard』は確かに良いDLCだろうが、そういう面もあるのだ。いつものスカイリムに追加地点があるので良くも悪くも未知の体験とは言いがたいし、新しい変身はあるが使いにくい点がどうしてもあり、結果的にいつもの世界となってしまう嫌いがある。

 そして、これこそが『Skyrim』のDLCに満点がつきにくい理由ではないだろうか。確かに追加コンテンツとして考えれば間違いない具合だが、そもそもそれ以上が欲しいプレイヤーもいるのだ。飽きた状態で新しい体験を得るためには、新アイテムだけでもなく、新クエストだけでもなく、新しい世界が見た気にする必要がある。

そもそもオープンワールドRPGのDLCに問題があるのか?

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 たとえば、『Fallout 3』の『Broken Steel』のように、クリア後の世界を塗り替えるようなコンテンツこそが、飽きた人のためにあるDLCなのかもしれない。あれは既に知っている世界が大きく変化するタイプの追加コンテンツであり、嫌でも世界の変化、つまり新しさを知ることになる。だが、『Dawnguard』のようなコンテンツでは、そもそもそういったことをするつもりはないのかもしれない。

 少なくとも『The Elder Scrolls IV: Oblivion』、『Fallout 3』、(ついでに開発は別だが、『Fallout: New Vegas』、)そして今回の『Dawnguard』という追加コンテンツ見てきた限り、きっちりプレイし終えたあとに追加コンテンツを遊ぶのはあまり推奨されないようなのだ。どうも、GOTY版あたりで一挙にプレイすることを前提としたコンテンツ郡が多いのかもしれない。

 もしそうであれば、『Dawnguard』に感じる物足りなさや飽きというものは、本コンテンツだけの問題ではないだろう。そもそも、このDLC自体が作品に対する飽きを完全に払拭させられる力を持たせられていないのであれば、求めるほうが酷である。そういった意味では、本コンテンツは十分なものなのだろう。

 もっとも、『Dawnguard』にはその野心とでもいうべきものがなかったというのは事実だ。元のスカイリムに馴染むような追加コンテンツを、そつなくこなし過ぎている節がある。それこそ、闇に潜む吸血鬼が太陽を覆い隠そうとしたように、無謀ともいうべき行いをしてもよかったのかもしれない。いや、そういうものも欲しかったと言わざるをえない。
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コメント

元の分量がしっかりしていた分こういうタイプの追加ってのもなんだかなぁってのはありますよね
もっとゴロっと雰囲気が変わったりしたらいいんですが・・なんかすでに見た光景というか
実は予算の都合で本編漏れした内容なのって言われても納得しそうな印象を僕は受けました

確かに、本編が充実していたからこそ霞んでしまうというのはありそうですね。
一応は洞窟に奇妙な植物があったり、神話の秘密が明らかになったり、珍しい人と会えたりもしたりと、間違いなく新要素があるにはあるのですが……。どうも効果的でないのがもったいないですね。
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