カジュアルだが、それでも戦うことに一途すぎる対戦TPS 『Hybrid』 レビュー

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カバーポイント間をジェットパックで移動する対戦TPS

 『Hybrid』は、Xbox Live Arcadeで2012年8月8日に配信された3on3の対戦TPS(三人称視点シューティング)。開発は『スクリブルノーツ』で有名な5th Cell。値段は1200MSP。

 本作はオンライン対戦を主題に据えたTPSであり、3対3の6人対戦を楽しむものとなっている。また、ふたつの陣営に別れて世界各地に散らばるダークマターを奪い合うといった要素や、経験値によるアンロック要素が存在している。

 ゲーム内容の詳細についてはプレイ記録を参照されたし。

○ 『Hybrid』プレイ記録
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-category-69.html

対戦をわかりやすく、豪華に飾ったとでもいうべきゲーム

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 本作はオンライン対戦専用TPSということで、やはり少人数でのチームワークを生かした対戦が魅力だ。マップはほとんどハズレがないほど作りこまれており、武器やアビリティの選択で変化する戦術をうまく運用せねばならない。

 また、基本的にカバーポイント間をジェットパックで移動するだけなので、あまり好き勝手に動きまわることもできない。これのおかげで仲間との連携ができねば相手を倒しにくくなるし、何よりカバーポイントごとにプレイヤーが存在することになるので、戦況が非常にデフォルメされて理解しやすくなっている。

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 ほかにも、レベルアップによる武器のアンロック要素も見ておきたいところだ。はじめはいくつかの武器やアビリティしか使えないものの、レベルを上げる(もしくはアイテム課金をする)ことによって、新しいものが使えるようになっていく。

 このあたり、昨今流行りのマルチプレイ要素を取り込みつつ、しかも面倒な場合はアイテム課金で強引に解除することまで可能としている。(なお、特に課金をせずとも全解除は可能。)

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 そして、世界中に散らばっている「ダークマター」なる資源を奪い合う要素も存在している。プレイヤーはパラディンかヴァリアントのどちらかに所属し、ダークマターが100個集まるまで取り合いを続けるのだ。試合に勝てば勝つほど資源を入手しやすくなるので、こういった大規模な勝利を目指すのも楽しみのひとつである。

 つまり、『Hybrid』は対戦TPSに流行の要素などを入れて幅広い人々に遊ばせやすくしたと解釈すべきだろう。

せっかく用意した要素も完璧とはいえまい

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 もっとも、本作は完璧とはいえないかもしれない。確かに装飾は多いし、やるべきことも多い。対戦があまり好きではないプレイヤーのために経験値を貯めるという要素もあるが、どれも効果を発揮できてはいないのだ。

 まず、ダークマターを奪い合う要素はほぼ無意味である。何がどう争っているかわからず、長くプレイする人が多い陣営がまず勝つだろう。そして、経験値を貯めるという要素はいいものの、そもそも各チーム3人までの対戦なので、プレイヤーひとりへの責任が重く気軽な対戦とは言い切れない。そのうえ、いくら装飾したところで、本作はチームワークを生かした少人数対戦が主題なのだ。

 おそらく、大人数で騒ぐような対戦シューターを遊びたいプレイヤーにとって、これはあまり好みに合うものにはならないだろう。一口に対戦ゲームといえど、真剣勝負をする人もいれば馴れ合いで十分な人もいる。そして、このゲームの骨子は前者なのである。

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 しかしその一方、対戦をしまくるにおいて完璧な状況というわけでもない。同じ陣営のフレンドと分隊は組めるが、本作にはプレイヤーマッチもなく、ひとりでBOT戦をすることもできないのである。もっとも、これらはコアすぎる内容にならないようあえてした可能性もあるが。

 そのうえ、大衆に人気の出そうな要素も多くなく、実に中途半端なのである。何も知らない人が見てすぐに理解を得られそうな要素だなんて、せいぜい『Minecraft』のクリーパー・ヘルメットくらいなのだ。

『Hybrid』は少し頑固か?

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 では本作が駄作かといえば、そんなことはないだろう。理解しやすく、しかしチームワークを生かさねば勝てない対戦は、プレイヤーの脳に痺れを感じさせる展開を生み出すだろう。

 ジェットパックによる動作を極めれば、ほかの連中を圧倒しながら飛び回るスズメバチのようになれる。あるいは、一定の場所から動かないヤツに見えても、味方に敵の居場所を教える司令官のような立場にもなれる。カバーポイントの間を駆け巡る戦いは、刺激に満ちあふれているのだ。

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 ただ、『Hybrid』は、カジュアルすぎることもなく、コアすぎることもなく、どこか宙に浮いてしまったゲームのようにも見える。ましてや、日本語訳がおかしいせいで国内のプレイヤーはより離れて行ってしまったことだろう。

 このゲームに足りなかったものは、あざとさだろうか。家庭用据置機なのだから、そもそも真剣勝負というもの自体の需要が大きそうには見えないので、もっと対戦自体が気軽になったほうがよかったのかもしれない。

 だが、それができないのは、本作が少人数対戦の楽しさを伝えたいからなのだろう。『Hybrid』はあくまでもカジュアルに、しかし真剣に対戦することの楽しさを教えようとしたゲームだ。もっとも、少し対戦を見せることに一途すぎたかと思うゲームだが、そういう作品だから僕は好きなのだ。


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Hybrid 1200MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:5th Cell ジャンル:シューティング, 戦略 & シミュレーション 2012/08/08

 カバーポイント間を移動して戦う3対3の対戦TPS(三人称視点シューティング)。
 レベルシステムや武器のアンロックシステム、陣地の奪い合いを楽しみつつ敵との戦いを続ける。
 すべてを対戦に注力した一作であることは疑いなく、脳が激しくしびれる対戦を味わえそうだ。
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