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『Alan Wake's American Nightmare』を終えて

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『Alan Wake's American Nightmare』はあまりにもバッサリとしすぎている

 『Alan Wake』において、Remedy Entertainmentはプレイヤーにさまざまな謎と問いかけを与えた。作中で描かれた現実と虚構の曖昧なコールドロンレイクは、それこそわれわれのいる現実にすら影響を与えかねないのだと。

 そして、その続編であるXBLA『Alan Wake's American Nightmare』(以下、『American Nightmare』)はどうなったかというと、光の闘士であり作家でもあるアラン・ウェイクが、闇の使者であるミスター・スクラッチを倒すという完全なアクションゲーム(あるいはシューター)になった。あまいにも潔すぎて、笑って(あるいは怒って)しまうかもしれない。

 しかし、その方向転換は間違いというわけではないだろう。なぜなら、前作の時点でやや混迷していたゲームだということは、以前からわかっていたのだから。

○ Alan Wake 21 プレイ後記
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1310.html

『American Nightmare』の具体的な変化

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 さて、前作『Alan Wake』はサイコホラーとでも呼ぶべきジャンルだったのだが、その実態はかなりいびつなものだった。というのも、途中からスリラーになるかのようにアクションシーンが豊富だったのだ。

 かつてカプコンの『バイオハザード』シリーズや『ディノクライシス』がアクション側に傾倒していったように、かなりよく作りこまれた『Alan Wake』は一作の中で、アクション側への移行をはじめてしまった。

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 そしてこの『American Nightmare』は完全にアクション(あるいはシューター)側にやってきた。もはや恐怖とは無縁でありそういう演出もなければ、そもそもループをすることによって、キャラクターたちも敵に慣れきっている始末である。

 ついでに銃も大量に新しいものが出てくるようになり、アサルトライフルやらオートショットガンまで出るほどだ。これはもはやTPSだとか、そういうジャンルに属する作品になったといえるだろう。

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 しかも、新しく登場するキャラクターも(前作に比べれば格段に)美しく魅力のある女性キャラばかりだ。おまけにその中の登場人物を助けたり、あるいはアランが彼女から誘惑されるシーンまである。そういったアクションを盛り上げるための要素まで入れているのだ。

アラン・ウェイクは軍人にでもなったほうがよかったのではないか

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 ただし、『American Nightmare』はアクションゲーム(あるいはシューター)としては明らかに磨きが足りない。確かに努力は見られるが、あくまで前作に刃を付け焼きしただけなのだ。

 前述のようにさまざまな武器、そして新しい敵が出現するようになったり、アランがかなり走れるようになって逃げる戦法を取りやすくなり、オートエイムが弱まり、確かに調整はしてある。が、「闇を照らして銃を撃つ」という表情に乏しい戦闘は、単調さから逃れられない。

 やはりこのゲーム、変化が少ないのである。が、このあたりはXBLAで続編を出したということからして、仕方ないのかもしれない。調整はされていても、根幹から作りなおした作品というわけではないのだ。

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 また、前作の設定を台無しにする部分もあるので、この方向性の変化は失望も産むだろう。ミスター・スクラッチは何か意味深長な人物だったはずなのに、ただの悪役になっている。また、今回も「胡蝶の夢」のような話は出てくるが、そんなものはかなりどうでもいい。せいぜい続編を作りやすくする都合のいい設定でしかない。

 こうなると、『American Nightmare』は奇妙な闇の世界を冒険するという点が特異でありウリだが、結局はだいぶ脆弱なアクション(シューター)であるという評価にたどり着くことになるだろう。

アラン先生はそろそろ転職の時期か

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 それにしても、大作すぎて方向性が曖昧になった『Alan Wake』、そして今度はXBLAで規模が小さく前作からの地続きだったからこそアクションに特化しきれなかった『American Nightmare』と、ずいぶんと皮肉めいている。

 前作こそ小さくしてホラーかアクションかはっきりさせるべきだったし、本作のような作品こそパッケージで展開して大きくアクション側に刷新してもらいたかった。どうもこのシリーズ、適切な裁量がうまくいっていないように見える。

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 ところで、アラン先生は今回で他人の創作にも登場することができたようだ。これは大きな進展である。どういうことかというと、つまり、アクションゲームとしてさまざまな舞台に登場することも無理ではなさそうなのだ。

 そもそもこのシリーズ、作品を構成する部品の品質に関してはいうことがないのである。ただ、表現すべきものが明確に定まっていないためにいまひとつな印象が残るだけ。となれば、「光の闘士、アラン・ウェイクが闇をすべて倒す!」という形が定まり、XBLA版で挙げられた不満をきちんと解消すれば、立派なアクション(あるいはシューター)ができあがることだろう。

 もしそうなれば、本作でアラン・ウェイクはその第一歩を踏み出したことになる。作家であるアランは複雑な物語を書くことより、自分の世界で銃を撃つことに天性の才能があったのかもしれない。



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Alan Wake's American Nightmare 1200MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Remedy Entertainment Ltd. ジャンル:アクション & アドベンチャー, シューティング 2012/02/22

 『Alan Wake』の番外編となる作品である。
 今回はアリゾナ州にあるナイト・スプリングスに向かい、ミスター・スクラッチと戦いを繰り広げる。
 そこで見ることができるのは、繰り返されながら闇に蝕まれる世界。そして立ち向かう光の闘士。
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