2012/09/10
“スネークゲーム”の蛇が見る世界 『qrth-phyl』 特集

ただのスネークゲームが、こんな形になり、そして魅せるとは
ドットで構成された蛇が、ドットを食べて成長する。スネークゲームの世界はかくも簡素である。その世界に何を見出すか。絵本の世界でかわいらしい蛇が必死にエサを追い求める様子か、あるいは自縄自縛になってしまう蛇を見て笑うカートゥーンのような様子か、もしくは単純に記号として見ることになるか。その世界は、人が見るたびに変化することだろう。
さて、今回紹介するのは、Xbox360インディーズゲームで配信された『qrth-phyl』(開発はhermitgames)という特殊なスネークゲームである。が、これに関しては長く語ることより動画を見てもらったほうが、そして実際に遊んでもらったほうがより理解してもらいやすいだろう。
ゲームルールの説明を読むより、スクリーンショットを見ろ
『qrth-phyl』の特徴はやはりそのアートにあるというべきであろう。メニュー画面ですら視認性を排除して全力でこの異質さを表現している。
さて、ゲーム内容は非常に簡単だ。3Dで表現されたスネークゲームであり、障害物や次第に伸びる自分の体を避けつつ、黄色いドットを一定数以上集めてハイスコアを目指すだけである。ステージは二種類あり、2Dステージと3Dステージに分類される。
2Dステージでは自動で進む蛇の頭を左右に動かすだけだが、3Dステージでは上下左右に動かし、壁や障害物を避けてドットを集めることになる。
なお、メインモードであるsequenceモードでは特定数のドットを集めるとステージクリアとなり、2Dステージと3Dステージを繰り返しプレイすることになる。ほかにも特定の部屋を遊ぶことができるElementsモードが存在する。
これに関してはプレイしてもらうしかない
ああ、やはりこうして通り一遍の説明をしても意味がない。このゲームはただのスネークゲームがこれほどまでに奇妙な感覚を与えてくれるのかと感じる作品なのだ。
確かにこの世界はスネークゲームである。だが、グラデーションをもたらすパネルが常にプレイヤーを煽り、奇妙な音を鳴らしながら蛇がうごめいており、既知の“ドットで構成されたスネークゲーム”が『qrth-phyl』になることへの驚きが用意されているのだ。
もっとも、高望みは禁物である。本作は良くも悪くもスネークゲームだ。劇的なゲームプレイがプレイヤーを待っているなんてことはない。よって、この世界を見てなんら興味を持たなければそれまでだ。
が、それでもこれは当たり前で不思議な世界なのである。ましてや、退屈すぎるスネークゲームで溢れるこの場においては。

・qrth-phyl 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:hermitgames ジャンル:アクション & アドベンチャー 2012/09/09
ゲーム自体は単なる2D&3Dスネークゲームだが、見えるもの、感じられるものが違う。
とにかく触れてみるべきだろう。
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