システムが機能不全でもこのダンジョンは血まみれになる 『Diehard Dungeon』 レビュー

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期待しすぎは不満の元 『Diehard Dungeon』

 『Diehard Dungeon』は2012年9月12日にXbox Live Indie Gamesで配信されたダンジョン探索・アクションゲーム。開発はtricktale。

 プレイヤーは冒険者として自動生成されるダンジョンに潜り、コンパニオン・チェストと共にお宝を手に入れていく。ランダムに手に入るアイテムやアビリティを駆使して、最深部に潜るのが目的である。なお、本記事は、配信直後の初期バージョンを元に記している。

 ゲーム内容の詳細については特集記事を参照されたし。

○ コンパニオン・チェストがこの危険なダンジョンで唯一の友達です 『Diehard Dungeon』 特集
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1449.html

表情の豊富さに関しては文句なし

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 本作の魅力は“低価格なのに高品質なアクションゲーム”といった部分である。そう、あくまで値段なりによく出来ているという部分こそが魅力なのだ。

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 思わず目を引くドット絵に、コンパニオン・チェストをはじめとするユニークなキャラクターたち、ミニゲームは本編にあるものだけではなく、おまけの全方位シューティングまでついているというほど。

 ましてや本作は、ランダムで生成されるダンジョンに潜って宝を見つけるという、昨今の人気作品にうまく便乗しているのである。ほかの作品の廉価版のような商品を求められるこの市場においては、ニーズにあった作品になっていることだろう。

どこがどうランダム生成のダンジョンなんだ?

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 もっとも、この手のジャンルのゲームとしては疑問点ばかりが残る。はっきりいって不足部分が多く、特に「毎回変化するダンジョンを潜る」というあたりは看板に偽りがあるというべきだろう。

 ランダムなのは部屋の構造、道中で出る回復アイテムの個数、ルーレットで得られるアビリティとアイテムくらいのものなのだ。いや、正確に言うのであれば、ほかの固定された要素が多いのである。

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 特定のルートを選択すれば出現する敵は固定(つまりパターン構築が容易)で、ボス戦で手に入るライフやアビリティも固定であり、トラップドア・ミニゲームのアビリティさえ抑えておけばゲームをこなすのには問題がないうえに、やはりそれもいつも同じものがもらえる。よって、ランダム要素のほうがオマケなのである。

 おそらくこれは、“ランダム要素がシステムの核でありながらバランスを調整してあるゲーム”にするために、こうした固定要素を多く取り入れたのだろう。だが、結果として本作は、ランダム要素が今にもはがれかけている作品になってしまっている。

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 また、致命的な問題は要素が少なすぎる部分だ。ルーレットで得られるアビリティは数種類程度で、モンスターもボスも罠もすぐに覚えられるし、特殊フロアも皆無だ。これはおそらく「売れたらアップデートで要素を追加する」という方法を真似て後々に完成形にするつもりなのだろうが、はっきりいってXbox360インディーズゲームでは歓迎しづらい方式だ。

 というのも、この場は仕様上、新着欄のトップに乗っている時が売れやすいのだ。そして、価格は80MSPが最低限で、無料作品として長く愛してもらうことも不可能。こうなると、最初期に売れてあとは何かなければ動きがないという状況に陥りやすいのである。

 つまり本作は、「80MSPで値段相応のローグライク風アクション(それも固定要素が多めで理不尽な目に遭わない調整をしたもの)を制作したが、未完成のものを強引に完成に持っていったので、ただのアクションゲームになった」のだろう。

値段以外に期待するのが間違っていただけだ

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 もっとも、だからといって『Diehard Dungeon』がクソだとか爪に詰まった垢混じりのウンコだと言うつもりはない。この作品がかなり売れて完成形に近づく可能性はゼロではないだろうし(もっとも、希望は薄いと思っているが)、安いなりのアクションゲームとして見れば高品質であるのだ。

 よって、少なくとも現在は良くも悪くも“安さがウリのアクションゲーム”なのだ。残念なことにダンジョンは機能不全に陥っているようにしか思えないが、安いのに整っていると喜ぶ人も大勢いることだろう。


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Diehard Dungeon 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:tricktale ジャンル:アクション & アドベンチャー 2012/09/11

 コンパニオン・チェストとゆくローグライク風アクションゲーム。
 自動生成のダンジョンでお宝を探すというトップビューのアクションゲームである。
 目を引くドット絵に、コンパニオン・チェストといったユニークなキャラにミニゲームなど、光が当たりそうなゲームではある。
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