三年間の楽しみと努力と思いが『メゾン・ド・魔王』というゲームとして結実した Xbox LIVE Indie Games制作者インタビュー 「プチデポット」 その1

『メゾン・ド・魔王』を制作された「プチデポット」の皆様にインタビュー


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 2012年9月25日、Xbox LIVE Indie Gamesにひとつの光り輝く作品がやって来た。その名は『メゾン・ド・魔王』。魔王となりアパート経営と世界征服を同時に企むというゲームである。

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○ 「マンションを経営する」、「世界を征服する」。両方やらなくっちゃあならないってのが“魔王”の楽しいところだな 『メゾン・ド・魔王』 特集
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1457.html

 その作品はオリジナル作品でありながら見事な完成度であり、プレイする人を魅了したことであろう。無論、僕もそういったひとりの人物である。かわいくありつつも刺激的で、カジュアルでありながら経営と戦略が楽しめる見事な作品だ。

 なぜここまで魅力的な作品を配信することができたのか。それを知るために、今回は開発したプチデポットの皆様に話を伺った。以下がそのメンバーの方々である。(敬称略)


めづかれ

しごと

ことり

Q flavor
プチデポットのリーダー。プチデポットの開発担当。プチデポットの画像担当。プチデポットの音楽・効果音担当。
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プチデポットのメンバーと、サークルについて

──ではこれからプチデポットの皆様にインタビューをさせていただきます。まず、それぞれ自己紹介をお願いします。
めづかれめづかれです。ゲーム全体を見渡すというか雑務をするというか、形としてはリーダーをやっております。よろしくお願いします。
しごと開発のしごとといいます。よろしくお願いします。開発とアイデアのゲームへの落とし込みとかを僕が担当してやっていたりします。
ことり画像担当のことりです。『メゾン・ド・魔王』の画像全部と、あとは企画は私がやりました。
Q flavorサウンドのQ flavorです。効果音とBGM全般を担当しています。お願いします。
──まずプチデポットがグループとしてどのような活動をしているのかお聞きしたいのですが、活動自体は今回の作品がはじめてですか?
しごとそうですね、はい。今回がはじめてです。プチデポットとしては初めてです。
──以前はグロビュールというサークルで活動されてらしたようですね。
めづかれはい。プチデポットと名前を変えたのは、Xbox360で今までの活動とは違うジャンルと違うテイストの作品を作るということもあって、違う名前で挑戦しようという思いがありました。それで名前を変えて作ることになりました。
──なるほど、メンバーの方々は特に入れ替わりとかは?
めづかれないですね。
ことりはい、まったく一緒です。

『メゾン・ド・魔王』には実際にアパートの大家を体験したことが生きていた

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──では、『メゾン・ド・魔王』を制作することになった経緯を教えていただけませんか?
しごと僕が昔アルバイトの形でアパートの大家をやっていたんですね。その時に、住人に逃げられた時とかがあったんですよ(笑) その逃げられた時に「ゲームを作ろう」と志しました。
──ほおー! 実体験からゲームというわけですね。
ことり嫌な思いをなんとかして昇華させようという(笑)
──いやー、そんなところから取材しているだなんて意外ですねえ! それで、どういったゲームにしようとしたのでしょう?
ことり最初はですね、私がしごとに「こういうゲームどうだろう」っていうことで、“アパートを経営してモンスターを住まわせて、たまに冒険者がやってくる”ぐらいだといいよね、と提案する感じでした。もともと『ザ・シムズ』が好きで、ああいうふうに「キャラクターが生活しているのを覗き見しながら敵も倒す」というコンセプトでした。

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※『ザ・シムズ』はMaxis開発のシミュレーションゲーム。「シム」と呼ばれる人型の生物を家に住まわせ、彼らの行動を見守ったり、時には火事などを起こしてめちゃくちゃにして遊ぶゲームである。

──ということは、最初からだいぶ今の形をイメージできていたのですね。
ことりそうですね。ある程度の根本は変えずに、戦闘寄りになりましたね。住人の生活を覗き見するというところが画像でやるには負担が大きすぎたので、そこは軽くテキストで表示して戦闘で間を持たせようという感じになりましたね。
──そのアイデアを聞いて皆さんはどう思われましたか?
しごと僕としては「うん、やろうやろう!」と軽い気持ちでしたね。それがもう三年くらい前でしたね。
ことりそうですね。三年くらいかかってるんですよコレ。いろいろ仕事で中断している期間なんかがありまして。
しごとその後はけっこう短期間で仕上げましたね。
──もうひとつお聞きしたいことが。なぜXbox LIVE Indie Games向けにしようと思われたのでしょう?
ことりそれは……、Xbox360が好きだから!(笑) やっぱりゲームって据置機でテレビに繋いでコントローラーを持ってやりたいんですよ。
──ええ、それは僕も同じです。
ことりそういう作品作りが個人でもできると聞いて、「よしやろう!」という話が先にありましたね。それで、そこに合う案はないかということで『メゾン・ド・魔王』が出てきた感じでした。なので、Xbox360のインディーズゲームで出すのが前提です。
──三年前というとXbox LIVE Indie Gamesが国内でも始まったくらいですよね。
ことりうん、そのくらいでやってみたいと思ったんですよ。思ったよりすごく長くかかっちゃったんですけど。
──いやー、僕も個人的にXbox360が好きなんで嬉しいですね。
ことりそうですか! 私もそうなんですよ(笑) 一番動いているゲーム機です。

三年間の思いがようやくゲームとして配信された

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──次はゲーム内容に踏み込んだお話を。『メゾン・ド・魔王』はアパート経営とタワーディフェンスを組み合わせたような作品ですが、これはどういう経緯で思いついたんですか?
ことりとりあえず、最初はタワーディフェンスだということはまったく気づいていなかったんですよ。とりあえずアパートにモンスターを住まわせて、敵が来た時にどううまく戦えるかと考えたら、一本道での戦いになって、「あれ、これタワーディフェンスじゃない?」って途中で気づきましたね。
めづかれあのですね、プチデポットのメンバーって基本的にジャンルに合わせてものを作っていないんですね。
──あくまで発想から作っていると。
めづかれそうですね。グロビュールの時もそうだったんですけれども、自分たちが面白いと思うものを作って、あとからほかの人がジャンルを当てはめてくれるみたいなところがありまして。僕も最初にテストプレイした時に、「これはジャンルがわからんな」というのがあって、じゃあ「ジャンルは『メゾン・ド・魔王』だね」みたいな感じでしたね(笑)
めづかれ作っているスタッフが一番おもしろいなと思っているものを作っただけ、みたいなところもあって。何かを作ろうとか何かを真似るというような作品の作り方はしていないですね。
──いやー、それでこんなに綺麗にまとめるなんてすごいですね。
めづかれそれは彼らの力がすごいんですよ!
──やっぱりXbox360のインディーズゲームだとアイデアが先行した作品はたくさんありますけれども、アイデアをどう実装してゲームとして問題を起こさないかという部分で失敗してるものがすごく多いですね。なので、こういう作品を、意識しないで形にしているというのは素晴らしいことですよね。
しごとそれはたぶんなんですけれど、何しろ三年かかっているんで、テストプレイの時間がめちゃくちゃ長くなってるおかげなんですよ(笑) それで「ここをこうしたほうがいいよね」とかやって、たくさん調整しましたから。そういえば、クエストって最初なかったんですよ。そういうのを何度も入れ込んで面白くなっていきました。
──三年の努力が見事に実ったという感じですね。
ことりそうですね。やっと出せましたもう! ひょっとするとまだまだ伸びそうだったので、出し時かなと。

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