三年間の楽しみと努力と思いが『メゾン・ド・魔王』というゲームとして結実した Xbox LIVE Indie Games制作者インタビュー 「プチデポット」 その2

ゲームにとことん思い入れを詰めつつも、遊ぶ人のことも考える


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『メゾン・ド・魔王』制作者インタビュー


めづかれ

しごと

ことり

Q flavor
プチデポットのリーダー。プチデポットの開発担当。プチデポットの画像担当。プチデポットの音楽・効果音担当。

──そうしてアイデアをゲームにしていくうえで試行錯誤をした部分はありましたか?
ことりさっきも言ったとおり、モンスターが部屋の中で色々しているというのがコアなんですよ。そこを画像で表現できなかったのでテキストに直して、それでもけっこう面白くなりましたね。あと、最初はクエストがなくてだらだら経営したのですが、面白いけどちょっと眠くなったので戦闘を多めに入れました。
しごとあとは細かく細かくアイデアを。
ことりそう、「こういうのあったらいいんじゃない?」みたいのはすごくいっぱい入ってます。たとえば子孫を作る部分については私がすごく要求したところですね。モンスターたちが子供を作ると入れ込みというか思いが乗るじゃないですか。そのへんは『ザ・シムズ2』で感じていて、ああいう感じを出そうと思っていました。

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──そういった部分を含め、本当によくキャラクターの表情が出ているゲームですよね。
ことりキャラがパラメーターでも出せるというのを『アンリミテッド:サガ』ですごく思って。あれは戦闘がすごくキツいゲームなので、強いだけで好きになれるんですよ。それで戦闘も入れたんですよね。
めづかれなんか物を作っていると、作り手だけで煮詰まったりするんですよね。僕が作る時に大切だと思っている要素は、雑誌でいうと編集者と作家さんの関係ですね。作家さんが自分でこういうものがいいと作って、編集者がそれを確認して修正をすると。それでも客観性に欠けてくるところが出てくるわけですよ。その時、何を客観的に見て修正していったほうがいいか検討するのをお互い気持ちよく進められることが大事ですよね。
めづかれたとえば、彼らが作っているものとかを途中で見せてもらう機会があるんですね。作っている間はあんまり何も言わないんですけれども、見るその時は、何が欠けてて、何があるといいかなという話し合いはさせてもらうんです。そこでいいところをもっと褒めて、伸ばすところはさりげなく指摘するという、みんなで話しながら一歩引いた視点を持つことが開発の中で大切で、その立ち位置をしっかりさせて進めることが、ゲームにとってはうまくいくパターンのひとつだと僕は思っています。
めづかれですので、今回の『メゾン・ド・魔王』も三年間の中で、彼らも「何かちょっと違うな、何かが足りないな」というのがあって、それを話しながら具体的に形にする応援をするというのがポイントでした。ものがいいだけに、もっとたくさんの人に遊んでもらったりとか、導入口をこうするといいかもしれないという切欠である最初を大事に詰めてもらいました。
ことりそういった部分をめづかれさんにやってもらいました。うちらだけだとすごくマニアックなものになっちゃうので、チュートリアルを特に言われましたね。
──個人や少人数開発者の方だと、どんどんサディスティックなゲームになるみたいなことはよくありますね。
ことりそうなんですよ! しごと氏が自分でチェックしながらやっていると、どんどんどんどん難しくなっていっちゃうから、アクションゲームが苦手な私がやって、戻してもらうというようなこともやっていました。
──いやー、見事な統率のとれたチームですね。
Q flavorあの、サウンドのQ flavorですが、まったく喋ってないんでちょっと話させてもらいます(笑)
──ああっ、すみません! ぜひお願いします!
一同(笑い)
Q flavor一応、自分はサウンド担当ということなんですけれども、プレイヤーとしての興味がでかいゲームでした。完成間近のあたり、クエストが今の1/4ぐらいでまだマンションが2階層くらいの時に遊んで、とにかく面白くて個人的に先がやりたくて仕方なかったですね。サウンド担当ですけど、プレイヤーとしてリリースできてよかったという気持ちが大きいです。
──皆さん、楽しみながら作れたという感じですね。
Q flavor本当に「自分が作った曲がこんな面白いゲームにのるなんて嬉しい!」と大げさに言うとそういう感じですね。なので、ゲームが皆さんに受け入れられるのを見て本当に安心しました。
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『メゾン・ド・魔王』心地いい調和は、チームの調和の証拠

──話は変わりますが、『メゾン・ド・魔王』は見た目や音楽からしてほんわかした雰囲気ですけれども、ところどころに刺激的な部分がありますよね。皮肉っぽいテキストとか、住人があっさり死んでしまう部分とかが却って面白いですが、あらかじめこういう雰囲気作りはされたのでしょうか。それとも自由な形で?
しごと僕がひとりで作るものは、だいたいタチの悪いものになるんですね。ただ、『メゾン・ド・魔王』に関しては企画がことりで彼女が描いたキャラクターという元があったので、結果的に見た目だけがかわいくなりましたね。これでも我慢してるんです!
一同(笑い)
ことりテキストは全部しごとがやりましたので。
──最初はかわいいひよこがやってきて「なるほど、こういうゲームなんだな」と思ったら、なんか深い海の底から来たモンスターの方々が現れてきて。
ことりクトゥルーは何をやっても入ってきてしまいますね(笑)
──しかも、深淵族の最初にいる女の子がめっちゃかわいいじゃないですか。で、その次に出てくるのが不定形のヤツじゃないですか。あのギャップも驚きましたねー。

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めづかれインディーズゲームのウリとしては、尖ったエッジのところは残したままのほうがいいんじゃないかと。やっぱりXbox360とかのコンシューマーゲームでしかもインディーズゲームを遊んでいる方というのは、目の肥えた方が多いですよね。なので、「あれ?」というギャップがある部分をうまく生かして曲げさせないというのがポイントだったりするんですね。ゲーム内容と彼らの個性をバランス取りつつ入れて、そこは丸めないみたいな。
──続いて、本作をプレイヤーの方にどういった風に楽しんで欲しいか、皆さんの思いをお聞かせください。
ことり基本的に私は自分がやりたいゲームを作ったんですよ。だから、「やってくれた人が楽しんでくれたらそれでいいよね」くらいの後からついてくる感じで、まずは自分たちが楽しく遊ぶというのが大事ですね。
しごと僕は作って楽しい、やって楽しいということを優先して作りました。あと、テキストを仕込む時なんかですけど、気分のいい時にしか作らないでおこうと思いましたね。そういうふうにやって三年かかってしまったんですけれども(笑)
──それはどんな理由ででしょうか?
しごとほかの仕事でそういうテキストを書くこともあるんですけれども、楽しくない時に書いた時はやっぱり中身も楽しくないんですよ。できるだけ内容を楽しくしようとしたら、自分が楽しい気持ちでやらないといかんと思います。
めづかれさっきも言いましたが、このゲームはちょっとジャンル分けできないんだろうなと思っていたんですね。そんなゲームをどれだけの人に遊んでもらえるかというのはすごく楽しみだったんですよ。だから、作り手の感性が少しでも多くの人たちに伝わったらいいなと。でも、だんだん欲望が強くなってきて色んな人たちにもっと遊んで欲しいという気持ちもあるので(笑) 更なる展開を考えていきたいと思っています。
Q flavorこう遊んで欲しいというよりは、遊んでどういうところが楽しかったという話を聞いて、自分と同じ感性だという喜びを共感できるのが一番大きいですね。なので、「あっ、ここわかる!」みたいに同じプレイヤーとして見ていくのが僕は楽しいです。
──僕はエンディングで今までの住人がズラーッと出て、あのED曲が流れた時が一番楽しかったですね。なんというか切なくも嬉しい気持ちみたいになりましたね。

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ことり『ファーストクイーン』というゲームのエンディングで、今まで仲間になったキャラクターがたくさん出てくるんですよ。あれが好きであんな感じにしようと。
──曲といえば、トレーラーの曲(OP曲)もけっこう評判がよくて、あれを聴いて気に入った方もたくさんいらっしゃいましたね。


Q flavor音楽は自分でどうこうしようと考えずに作ったので、「こんなふうにしてやるぜ!」という野心とかはゼロで作りたいように作ったので、そう言っていたけると新鮮ですね。音楽の感想をあまり求めていなかったというか、考えずに作ってなかったのでとても嬉しいです。
──サウンドトラックなどは予定されてます? PCゲームだとサントラ同梱の作品とかありますよね。
しごとサントラ同梱でPC版を作りましょうかね?
──あっ、その話、次で行きましょう!

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