『とびだせ どうぶつの森』の何が好きかって、自由なのに道に迷わないところだ

レビューというわけではないが、簡単なまとめ記事でも

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 『とびだせ どうぶつの森』を遊び始めて一週間になる。現実の時間と連動しているゲームだけあって、まだまだ遊びはじめたことには違いないのだが、ひとつまとめておきたいことがあってこうして記事を書いている。

 本作をプレイして、自分が『とびだせ どうぶつの森』が好きなことを再確認した。そして、どのあたりが好みなのかというと、ごっこ遊びで生活する感覚をプレイヤーに覚えさせるのがとてもうまいところだ。

○ 『とびだせ どうぶつの森』プレイ記録
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『とびだせ どうぶつの森』のスローライフはいいものだ

 本作はどうぶつたちの住む村でゆったり暮らすゲームであるが、こういう生活を表現するゲームはなかなか難しい。自由にアレコレできることを望まれる一方、選択肢が多ければ多いほど何をすべきかわかりにくくなりやすいのだ。

 だが、逆に特定の目的をこなすばかりだと、生活している印象が薄くなる。生活するには必須の面倒事も多いし、余暇を過ごすこともある。目標クリアが第一になりすぎると、そういうものが余計に感じられてくるのだ。極端にいえば、マリオがキノコをよく噛んで食べていたらムカつくだろう。早く食って右へ進めというわけである。

 では本作はそれをどのように処理しているかというと、それは“スローライフ”と呼ばれる環境にしているのだ。そして、それにはこんな意味がある。
  • 長く付きあわせて、愛着を湧かせる
  • 目的は適宜あるが、最適解はない
  • 選択肢がたくさんあるゲームだが、それをいきなりすべて解禁しない
 まず、本シリーズは現実の時間に連動しており、瞬間的なゲームではない。世の中には一瞬で消費されるゲームがあり、それに対抗しようとするゲームもある。が、これは長く咀嚼されることを想定されて作っているゲームだ。

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 何かものに入れ込むためには、金や時間を注ぎ込むことが重要となるのは言うまでもないだろう。『とびだせ どうぶつの森』は一度の時間こそ短いが、長期的に遊ばせることにより世界へ馴染ませるのだ。これは一瞬で消費されるゲームにはなかなか難しいことである。

 そして、最適解がないということも重要だ。通常ならこの手のゲームは攻略されるものだが、これは別に攻略をしなくてもいい。だからこそ、生活という個々人に大きく差のあるものを表現できる。更に、効率を求めなくてもいいから、部屋や村を思い切り好きにできるし、そのうえアイテムも多いので選択肢も多い。

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 だが、選択肢が多いということは、そこから選別する力がなければならないということでもある。『Minecraft』のように広大なキャンパスのゲームは、魅力もあるが描きたいものを思いつかなければ無意味だ。つまり、自由すぎて何をしていいかわからないケースも起こりうるのだが、本作に関してはそれは少ない。ローン返済、虫・魚の収集、マイデザインの作成、家具の配置、村の発展など、適度に目的が設置されているし、アイテムも特定の種類が揃っている。

 更に、やるべきことはいくつもあるのだが、それを一気に解禁しないのも重要である。これは長期的に遊ばせる意味だけではなく、最終的にはたくさんになる目的を受け入れやすくしているのだろう。

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 要はこの“スローライフ”という方式により、選択肢の多い村の生活を、愛着が湧くように、そして何をすべきか見失うことをさせないような、心地良いゆりかごにいて過ごせるような状況をうまく作り出しているのだ。

 こういった状況は、自分で計画を建てて適切に遊べる人、あるいはほかのゲームと同じように激しく遊びたがる人には煩わしくも感じられるだろう。だが、すべてがそういう人ではないということは理解すべきである。

 無論、携帯機という環境に、ネットでの通信プレイ、そしてこの愛らしく温かみのある世界といったものも重要だ。これらがあるおかげで、この“スローライフ”がより過ごしやすく、楽しいのだから。

遊び方なんて好き好きだが、本作はルールに従ったほうがいいだろう

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 ふつうに見るのであれば、『とびだせ どうぶつの森』はシリーズ最新作として要素を十分に鍛えあげたゲームとして評価を受けるのだろう。無論それも重要だが、やはりこの基礎システムが立派だ。単に要素がいいだけでなく、遊ばせ方もきちんと見据えているからこそ大きな支持を受けているに違いない。

 ゲームというものはプレイヤーがルールに従って進めていくものである。だが、ルールが緩ければ緩いほど遊びの幅が増えても迷いやすく、逆に厳しければ厳しいほど遊びの幅が減って先を見やすい。そして、『とびだせ どうぶつの森』はこの世界に没頭させるためのルールを、幅を確保しつつ先を見やすくさせた。これはなかなか有難いことではないだろうか。

 かなりいまさらなことを書いたが、やはり僕は『とびだせ どうぶつの森』のこういうところが好きだ。この世界は見た目のとおり、贅を尽くしてプレイヤーを温かく迎え入れてくれる。そして、プレイヤーもその意図に応えて遊んだほうがいいだろう。

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