この物理演算アクション&パズルの楽しみは、人に届きにくそうだ 『Ball Track Builder』 レビュー

bbox_BallTrackBuilder.jpg

転がるボールの行き先を作るパズルゲームは、どこかプレイヤーに冷たい

 『Ball Track Builder』は2012年11月27日にXbox LIVE Indie Gamesで配信された“リアルタイム・ゴロゴロ・パズル”。開発はcoiAxis(Giuseppe Piscitello)。価格は80マイクロソフトポイント。

 自動で動くボールをゴールであるドラム缶に導くため、斜めの台やバネなどをタイミングよく設置してゆく物理演算パズルゲーム。内容としては、リアルタイムで行う『インクレディブル・マシーン』に近いか。

 ゲーム内容の詳細については特集記事を参照されたし。

○ 謎と物理演算を読み、仕掛けを設置する職人になる“リアルタイム・ゴロゴロ・パズル” 『Ball Track Builder』 特集
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1502.html

確かにこういった違う味わいのパズルはあってもいいだろう

BallTrackBuilder01.jpg

 まず、ほとんどの場合であればゲームをクリアしてからレビューを書くのだが、本作においては全ステージをクリアするのは難しそうなので、半分くらいまでしか解けていない状態であることを記しておかねばならない。

 さて、本作は勝手に進むボールの先に仕掛けを起き、ゴールへと導くゲームである。ゲームジャンルとしてはパズルゲームに類似作品があるものの、リアルタイムでそれを行うので、瞬時、物理演算を見越しての判断が必要となってくる。

BallTrackBuilder01.jpg

 そして、そのふたつの抑圧に耐えてゴールへ辿り着いた瞬間の快感がウリなのだろう。論理的思考力だけではクリアできず、技術力は必要だが物理演算の機嫌も伺わねばならない。だが、これを越えてボールがスムーズに進んだ時、見事な装置を薄氷の上で完成させたかのような喜びがあるのだ。

だが、その道のりはどこか刺々しい

BallTrackBuilder05.jpg

 一方で、本作は明らかに磨きが足りていないと思われる部分が非常に多い。あるいは、80MSPという小さなタイトルで挑むには、あまりにもすべきことが大きすぎるゲームだったのかもしれない。

 仕掛けが意図せぬ場所に出たり地中に埋ることはしょっちゅうだし、リトライこそ快適だからいいが微調整をやたらと繰り返すことになるし、ボールは止めることができないので何度も失敗して覚える必要があるし、そもそもタイトル画面やパッケージ画像で人を引き離してしまう。そして何より、そのつらさを越える仕組みや報酬がないのが問題なのだろう。

BallTrackBuilder03.jpg

 では、いかにゲームがプレイヤーに試練を越えさせるかといえば、
  1. 難しいことに挑戦させる苦痛を和らげる
  2. 達成した時の喜びを増やす
 というような方法がある。例えばどこか似たような雰囲気を感じる『Trials Evolutions』というゲームの場合、1は「リトライ数や段階評価で上達具合を理解させる」ことをしており、2として「クリア時にプレイヤーが無残に笑える死に方をする」ということを行なっている。

 一方、『Ball Track Builder』にはどちらもなく、ただただつらい印象が大きくなりがちである。だからこそ僕もすべてをクリアできていないわけで、おそらく少し触って諦めるプレイヤーが出る原因にもなるだろう。

残念だが、支持を受ける見込みはあまりなさそうだ

BallTrackBuilder04.jpg

 しかし、本作はなかなか可能性を秘めた作品ではないだろうか。楽しみにたどり着く方法さえ整備されていれば、この解放の快感はこれとない魅力となるであろう。あっさりと見落としてしまうのは勿体無く感じる。

 もっとも、その楽しさを多くの人に広めることができるのは、本作ではなさそうだが。


box_BallTrackBuilder.jpg

Ball Track Builder 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Coimbra79 ジャンル:その他 2012/11/27

 転がり続けるボールをゴールへ導く“リアルタイム・ゴロゴロ・パズル”。
 あるいはリアルタイム『インクレディブル・マシーン』とでもいうべきだろうか。
 パズルを解くと同時に、アクションゲーム的に瞬時の判断で仕掛けを設置して、ボールをドラム缶に導いていく噛みごたえのある一作。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

非公開コメント