ひとつの作品が滅ぶ瞬間 『Mayan Countdown』 【Xbox360 IndieGamesで石を拾う 32】

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まったくもって残念だ

 この記事を君が読んでいるということは、世界が滅ばなかったということなのだろう。誠に残念だ。

 2012年12月21日、マヤ文明で用いられていた暦が終わるそうだ。すなわち(何がどう“すなわち”なのだ)世界が破滅するということらしい。この記事が明るみに出るのはその日なので、つまり世界は存続の危機(だからいったい“危機”とはなんだ)から逃れたのだろう。

 僕がこの終わりの日について知ったのは、Xbox360インディーズゲームで2009年8月4日に配信された『Mayan Countdown』という作品のおかげである。しかし、世界は滅びなかったというのか……。

買うのすら嫌になる内容

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単なるカウントダウンソフト

 『Mayan Countdown』は名前のとおり、滅亡までの時間をカウントし続けるソフトだ。初期のXbox360インディーズゲームは、このようにゲームですらない恐ろしくカスみたいなアプリがいくつも配信されていたのである。

 ちなみに4つのシークレット・メッセージがあるらしく、絵柄のひとつを動かしてそれを出すことができるようだ。僕が見れたのは「Spaceship or Submarine to Atlantis.」というものだが、そんなことはもはやどうでもいい。世界は滅びなかったのだから、とにかく虚言でしかない。

 ところで、世界が滅ぶ瞬間、このソフトはいったいどうしたのか。僕はこのソフトを買う気が起こらないのでデモ版で見ているが、とにかくぜひ見なければならないだろう。もし素晴らしい内容だったら買うしかない。

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え?

 そして、時間が来て表示されたのは、「So long and thanks for all the espressos...」というメッセージだった。

 意味がわからない。ダグラス・アダムズの『さようなら、いままで魚をありがとう』に掛けたものなのか? それともマヤ文明とエスプレッソに何か深い関係が……? 無知な自分にはあまりにも難解なメッセージだったが、さておき深刻に捉える必要はないのだろう。なぜなら世界は滅びなかったのだから……。

 世界が滅びなかったことは仕方ない。情報が間違いだっただけだ。おまけに、21日ではなく23日までに何かが起こる可能性があるという話まである。しかし、2012年12月21日になった瞬間、この『Mayan Countdown』の価値は、ただでさえ少ないのにゼロどころかマイナスになってしまった。

 まったくもって悲しい。……なんて嘘に決まっているだろう。ざまあみやがれ。確かに世界は滅びなかったが、ひとつのしょうもないソフトが完全に滅んだのだ。このソフトが刻み続けたカウントは、自身の命が完全に尽きる瞬間でしかなかったのである。


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Mayan Countdown 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Zenfar ジャンル:その他 2009/08/04

 滅亡までの時間をカウントダウンするソフト。
 たったそれだけである。
 そして、もはや本作品の価値は完全になくなった……。
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