1コインのホラーは、100円をドブに落とした時の恐怖に似ている 1コインのオンライン・ホラーゲーム 『White Noise Online』

bbox_WNOnline.jpg

100円のオンライン対応ホラーゲーム! というとすごそうだ

 学校の怪談なんてのはよくあるものだが、僕が通っていた小学校にもそういう話があった。なんでも裁断機で指を切って出血多量で死んだ生徒が夜な夜な図工室に出るのだという。

 考えてみれば死ぬほどマヌケな霊だ(いや、既に死んでいるのか)。裁断機で指を切るだなんて間違いなくアホだし、しかも応急処置ができずに死んでいるし、その愚かさは自分のせいなのになぜか霊として出てくるのだから完全にどうしようもない。あるいは自分の馬鹿さ加減に耐え切れず、霊として人に当たっているのかもしれない。

 さておき、そんなひどい怪談があったわけだが、小学生にとってはそれでも真実味のある話だった。今になってみれば、過去に裁断機で怪我をした生徒がいてそれを面倒臭がった教師が流した話な気もする。とはいえ、そこまで頭が回らなければ、それは恐怖なのである。

WNOnline_01.jpg
このナゾの筋肉ゴリラから逃げまくるホラーゲーム

 今回紹介するのはXbox360インディーズゲームで2013年2月22日に配信された『White Noise Online』である。本作は1コイン(100円)で遊べ、それ相応の恐怖が用意されているオンライン・ホラーゲームだ。開発はMilkstone Studiosで、価格は80マイクロソフトポイント。
このエントリーをはてなブックマークに追加


ホラーゲームとしてはいかんせん内容がなさすぎる

WNOnline_02.jpg
『White Noise Online』タイトル画面

 まず、『White Noise: A tale of Horror』という前作にあたる作品の説明をしておこう。プレイヤーは主観視点で暗闇の中を歩きまわり、どこかから襲ってくるバケモノから逃げつつ、テープレコーダーをすべて探すのが目的である。

 バケモノが近づくとホワイトノイズが走るので、それを目安に逃げまわるのみ。攻撃手段などはないし、むしろ体力や懐中電灯の電池が減っていくばかりなので、そのあたりがホラーだというわけだ。そして、本作はそのオンライン対応版で、最大4人までで遊ぶことができる。

WNOnline_03.jpg
スクリーンショットはまともに見えるだろうが……

 正直に言うと本作は値段相応な底の浅い怖さしかない。というのも、そもそも前作が“怖い音を鳴らしていきなりバケモノが出てくる”というところだけがきちんとできているゲームだったので、オンラインに対応したことで恐怖は薄まったのである。

 しかもマップがやたらと広く、テープレコーダーがかなり見つからない。するとどうなるかといえば、恐怖などすぐに慣れ、一緒にプレイしている人同士で「マップ広すぎ」だの「方位磁石くらいあってもいいだろ」だの「グラフィックだけはいいけど……」というようなホラーと無縁の会話になってしまうのである。

WNOnline_04.jpg
キャラは10人近くおり、マップは3種類ある

 僕は幸運にもフレンドと4人で遊べたが、全員の年齢層が高いこともあって、そういう大人の事情的な話に終始してしまった。つまり、学校の怪談で言えば、話の裏が読めてしまいそうな側なのである。

 ちなみに、今回はキャラクターごとの性能が設定されていたり、同デベロッパの他作品を購入することで特別なキャラをアンロックできるのだが、そもそもキャラの差がよくわからないので困惑するばかりだ。そんな話もしつつプレイを終え、二度と彼らとこのゲームをプレイすることはなさそうな感じでお開きとなった。そして、ひとりでやるのはだいぶ苦痛なので、僕はエンディングまでいける気がしない。

むしろ本作で怖がれることが幸運だと思うといいだろう

WNOnline_05.jpg
誰かが死んで幽霊になったら、その人が先導する形がベターか

 とはいえ、学校の怪談が小学生には恐怖であるように、『White Noise Online』も北米や欧州のXbox360ユーザーである子供にとってはホラーゲームなのかもしれない。それも仲間同士で遊ぶことができるのだから、夜の学校へ忍び込む肝試しみたいなものだろうか。

 そして大人はといえば、死んだプレイヤーが幽霊になることでより周囲がよく見られるようになり、これを利用してクリアしようなどと考えてしまうのである。

WNOnline_06.jpg
ゲーム終了時に今までの行動を見ることができる

 とはいえ本作、クリアはかなり難しい。とにかくマップが広くて自分の位置もわかりにくく、しかもバケモノから逃げ続けるとそのうちどうしようもなくなる。それをなんとかする手段もないようだし、本当に歩き回っているだけなので、クリアするならテープレコーダーの位置を覚えるしかないのだろう。

 つまるところ、この安っぽい怖さをいかに楽しむかが重要となるわけだ。となると、小学生くらいの子供か、あるいは極度の怖がりに向いており、そういった層の一時的な噂になるくらいの作品なのだろう。開発元のMilkstone Studiosは意図してそういう“値段相応の内容だが、飾り付けだけはうまい”ゲームを制作されている。

 ……やはりこのゲーム、かなり高く評価しても「子供騙しにはなる」というのが限界ではないだろうか。ぜひ本作で心底怖がった人の意見を読みたいところだが、とにかく、『White Noise Online』における1コインの恐怖とは、結局そういうものなのだ。



box_WNOnline.jpg

White Noise Online 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Milkstone Studios S.L. ジャンル:その他 2013/02/22

 暗闇の中、バケモノから逃げ続ける主観視点のホラーゲーム。『White Noise: A tale of Horror』のオンライン版。
 奇妙なバケモノから逃げつつ、テープレコーダーを探すことが目的。オンラインで4人まで同時プレイが可能。
 ここには安価なりの恐怖があり、それしかない。

コメント

非公開コメント