Caveの弾幕STGに多大なる影響を受けた洋ゲーが今ここに! 『Chronoblast』 特集

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洋ゲー版『怒首領蜂 大復活』的な作品

 たとえば、「千早振る」という落語があるだろう。これは“和歌の常識を知らない人たちが歌を無茶苦茶に解釈するので笑える”という話なので、この話を聞く側は、「千早振る」の正しい意味を知っていてこそ笑いになるわけだ。

 つまり、娯楽であろうとも、対象の文脈や背景を知らなければいけない時がある。それは無論ビデオゲームにおいてもそうで、たとえばレトロゲームを意識したものだとか、特定ジャンルのパロディが山盛りなゲームを遊ぶ時には、その前提がなければならないのだ。あるいは、Caveの弾幕シューティングゲーム(以下、弾幕STG)にかなり影響された作品を遊ぶ時も……。

 今回紹介する作品は、Xbox360インディーズゲームで2012年2月25日に配信されたアーケードゲームというか、Caveの影響を多大に受けている弾幕STG、『Chronoblast』である。開発はn0rty games。価格は80マイクロソフトポイント。

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見る人が見れば、すぐにこれはCave系だとわかるらしいぞ

 なお、今回は開発元のn0rty gamesから『Chronoblast』のDLコードを頂いて記事にしている。この点はくれぐれも留意されたし。

 また本作、配信直後のバージョンでは起動しない不具合が報告されている。その場合は本作のセーブデータを削除し、作品を再DLし直すといいようだ。これに対するパッチの準備も進んでいる様子である。
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普段から弾幕シューティングを遊んでいないSSDMから見た本作


 前述のように本作は、『怒首領蜂』シリーズや『虫姫さま ふたり』、『ケツイ~絆地獄たち~』などの弾幕STGを制作したCaveから多大な影響を受け、そのオマージュまでこなしている作品なのである。

 もっとも、日本においても弾幕STGを遊ぶ人は多数派というわけでもなく、実際に僕もこの手のゲームは遊ばない。よって今回は、“弾幕STGをよく遊ぶ人と、そうでない人の視点両方”を追ってみたい。

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このあたりの基本操作もCaveの弾幕STGらしい

 さて、まず基本操作は通常ショット、威力が高く移動が遅くなるレーザー、ボムの3種類である。大量に弾幕が出てくるので、レーザーを撃って慎重に避けつつ、敵を近くで倒してコインを取ったり、チェインを続けたり、スーパーショットをうまく活用してスコアを稼ぐというわけだ。

 本作はオンラインハイスコアに対応しているほか、オフラインでのCoopにも対応している。また、縦画面に対応するためにプレイ画面のサイズ・角度を変更することが可能である。

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HELLモードになるとやたらと露出があがる

 キャラクターはすべてで4人おり、それぞれで機体性能が違うようだ。また、難易度は三段階に分かれており、オートボム・ノーマル・ヘルの三種類が存在している。

 ……と、ここまで書いたことや機体性能など、美少女(?)キャラが非常にむこう向けのデザインであること以外は、すべてCaveの『怒首領蜂』シリーズなどに酷似しているらしい。

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スーパーショット中は、同デベロッパの『Skyravens』のキャラ(だと思われる)が出てくるようだ

 弾幕STGをほとんど遊ばない僕から見ると、『Chronoblast』の出来はかなり良いほうだ。レベルデザインはしっかりしており(もっとも、恐ろしく難しいが)、ステージの長さも適切だ。弾幕は威力としても見た目にも激しく、文句をつける気には到底ならない。

 ただし、遊んでいてもよくわからない。具体的にいえば、自分が対象だとは思えないのである。それも当然で、本作は家庭用据置機に慣れた人たちに、アーケードゲーム、延いては弾幕STGの楽しさを教えようとする要素はほとんどないのだ。

 コンティニューもランキングに乗らないモードですら2回しかなく、条件を細かく設定できるプラクティスモードはあるが、これはあくまで既に熱中している人が練習するためのモードだろう。つまり本作、元よりCaveの弾幕STGが好きな人に向けられた作品なわけで、門外漢や初心者など最初から対象にしていないのであり、楽しいと思わなくとも当然なのだ。

弾幕STG好きのGluonPさんから見た本作

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弾幕STGをあまりやらないプレイヤーにはまともに避けることもかなわない弾幕だ

 よって、『Chronoblast』はだいぶニッチな作品になるのだろう。その部分はやや気にかかるものの、元からそれを狙っているのだから問題はあるまい。そのため今回は、普段から弾幕STGをプレイしている方にも意見を聞いてきた。

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GluonPさんの弾幕STGプレイ環境

 協力していただいたのはGluonPさんという方で、『怒首領蜂 大往生』を2-1まで、『ケツイ~絆地獄たち~』は表2-5まで到達し、『レイフォース』や『レイクライシス』を1コインクリアするなど、とにかくシューティングゲームをかなりプレイされているようだ。また、上記写真のような環境もきちんと揃えている方である。

 そんなGluonPさんが『Chronoblast』を遊んで持った感想を箇条書きにすると、以下のようになる。
  • Caveの弾幕STGを意識していることが、それもどのタイトルの何を持ってきているかまでわかる。
  • 難易度が高く、ゲームバランスに難点あり。
  • 元の作品と違う点があり、説明不足の感がある。
  • キャラクターは……すごくアメリカン。
  • とはいえ、全体的な出来はなかなかで、Caveの作品を深く理解していると感心した。
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ボスの形状や、弾幕の形もオマージュになっているとのこと

 では、意見を具体的に見ていこう。まずはバランスについては、スーパーシステム(オマージュ元ではハイパーシステムにあたるもの)で撃てるショットが手間の割にあまり強くなく、オートボムでアイテムが消えてしまうのも気になったり、変則軌道弾を撃つ中型機がやたら堅くて強く、エクステンドはあるが自機が少なすぎるとのこと。

 つまり、この手の弾幕STGをプレイしている人からしても、かなり難易度が高い調整だと見えるようだ。ましてや本作、本家に比べて自機が弱体化していたりするようなので、その難しさもより際立つのだろう。


※ GluonPさんによると、バランスについては慣れないうちは難しかったが、慣れればかなり簡単とのこと。特にスーパーショットの活用による弾消しやエクステンドが重要だとか。

 また、背景に白いレーザーの様なエフェクトがあり紛らわしく感じたり、背景の変化が少なくステージの進展がわかりづらいなど、本家のCaveシューティングより劣化してしまう点が気になるようだ。

 とはいえ、安価ということもあって良く評価している面もある。が、結局のところ、これなら本家をやるだろうという結論に至るようだ。

好きな作品の単なる模倣では終わって欲しくなかった

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隠しボスはこの何十倍も無茶苦茶な弾幕を出してくる

 さて、改めてGluonPさんの意見をみてみると、大半が元の作品、つまり本家であるCaveの作品と比較して問題がある箇所を指摘していることがわかる。それも当然で、本作は“Caveシューティング・クローン”といっても過言でないくらい、真似て要素を詰め込んでいるようなのだ。

 ところで、あくまでn0rty gamesはn0rty gamesであり、CaveはCaveである。どれだけ本家に恋焦がれて憧れようとも、それは違う存在だ。ましてやその規模の大きさや構成など、違う部分はいくらでもある。そんな状況で、同じようなものを制作して、真正面から戦って勝てるだろうか? 正直なところ、無謀ではないだろうか。ならば、似ていても違うやり方をせねばなるまい。

 となると『Chronoblast』の問題は、独創性が足りなかったことではないか。確かにn0rty gamesはCaveの弾幕STGが好きなのだろう。それはよくわかる。だからといって猿真似をしたところで、しかもその真似がかなりうまかったとしても、やはりただの模倣にすぎない。だからこそ細かい部分ばかりが気になるのだろう。

 よって、少なくとも僕は、『Chronoblast』に「Caveを超えてみせる!」という意思、そして要素が宿っていて欲しかった。もしその高い理想があれば、インディーズゲームの強みを生かせるうえ、Caveのファンからもただの真似た作品だと思われず、Caveの意思を受け継ぐ新たな弾幕STGとして見てもらえたのではないだろうか。


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Chronoblast 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:n0rty ジャンル:シューティング 2013/02/25

 とてつもなく激しすぎ、多くの人はプレイすることすら許されないであろう弾幕STG。
 Caveの弾幕STGから多大な影響を受けているアーケードライクな超高難易度の作品。
 オンラインハイスコアやオフラインCoop、画面サイズの変更や回転にも対応している。

コメント

以前から貴サイトを拝見していて疑問に思っていたのですが、2DSTGに興味をお持ちでない筆者様がXBOX360に手を出された理由はなんなのでしょうか?

360の「2DSTGのラインナップが充実」以外の他機種に対するアドバンテージというと、
・すべてのパッケージソフトをHDDにインストールできる
・基本的にすべてのDL販売ソフトに体験版がある
・ゲーム起動・終了時にやたら映像出力信号が切り替わったりしない
・ゲームストアにスクリーンショットがある
・ゲームが動作したままストアにログインしてDLCを購入できる
・DL販売ソフトはコントローラーのホームボタンを押さなくてもゲーム内のメニューからゲーム終了できる

逆に、デメリットは、
◎JRPG系のラインナップが貧弱
◎光学メディアの容量が少ない
◎すべてのオンライン複数人プレイに有料会員登録が必要
・HDDバックアップの手段が標準で提供されていない
・パッケージ・DL両販売ソフトのDL版をプリペイドカードで購入できない
・正規のHDD増設手段がぼったくり
・ACアダプタが外付けで巨大
・ソフトごとのアップデートパッチの容量制限が厳しい
・ウェブブラウザが有料会員でないと使えない

重箱の隅的なものも含め、思いつく限り列挙してみましたが、XBOX360のメリットよりデメリットのほうがまさっていると感じます。
海外ゲームのラインナップも既に差は埋まっていると感じますし、宜しければ理由をお聞かせ願えると幸いです。

Re: タイトルなし

やりたいゲーム(作品)があったからXbox360を買っただけです。
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