続編としての枷があれども、基本プレイ無料ゲームやDLCに対するシニカルなジョークは衰えない! 『DLC Quest Live Freemium or Die』 レビュー

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DLCを買わないとジャンプもできないゲームに続編がやってきた

 『DLC Quest Live Freemium or Die』は2013年3月18日にXbox LIVE Indie Gamesで配信された「基本プレイ無料のゲームやダウンロード・コンテンツ(DLC)を皮肉り、ジョークにした作品」である。開発はGoing Loud Studios。価格は80マイクロソフトポイント。

 ゲーム内でDLCを買わないとジャンプもできず音も出ずキャラがまともに動かないという『DLC Quest』の続編であり、今度は基本プレイ無料(Free to PlayもしくはFreemium)のゲームを題材にし、刺激的で笑えるシニカルな冗談ばかりが詰め込まれている。

 ゲーム内容の詳細については、特集記事を参照されたし。

○ あの「DLCを買わないとジャンプもできないゲーム」が「追加コンテンツを買わなければ村人の話もまともに聞かせないゲーム」になって帰ってきた! 『DLC Quest Live Freemium or Die』 特集
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1579.html

続編ならではの問題も抱えていることは事実か

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 『DLC Quest』はその題材自体が続くようなものではなかったため、続編を遊ぶ前は期待と恐怖が半々だった。実際にはどうだったかといえば、作品としては進歩している上にジョークも変わらず冴えているが、やはり無理に続けたであろうことも否定できないといったところだろうか。

 いや、Going Loud Studiosの皮肉が盛りだくさんの冗談は今回も見事なのだ。笑わせる回数も増えたし、ジョークの種類も多岐に渡るようになり、相変わらず鋭いところを突いてくる。

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 やはり本作の魅力は、金を取ることに対する不信感を笑いにしたことだ。無論、金を得ようとすることは一切悪くないのだが、時には無茶な課金形態をとっているゲームもあり、それはプレイヤーにとって不満の種である。それを愚痴という形でなく風刺という形で笑いに、しかも「100円のみできっちり遊べるゲーム」という当てこすり的な形式で配信するわけで、まさしく憂さ晴らしに最適だろう。

 今回は特にNPCとの会話にひどく笑えるものが多く、「ネットやゲームですごく流行っているありがちなジョークを、もはや面白くもなんともないのに自信満々に言うコメディアン」がいたり、「その名のとおりDLCとして存在するだけで、それ以上でもそれ以下でもないDLCマン」というヤツがおり、彼らの惨めな姿は指を刺して笑ってやるべきだろう。

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 一方で、作中で発売されるDLCについては既に種類が尽きたように見えてしまう。確かに「パーティクル・パック」のような無駄にしか見えないDLCが売り出されるあたり、冗談なのだろう。が、前作のレビューでも記したように、これらの要素はあまり強烈に笑えない。

 本作は続編ということもあり、作中で発売されるDLCに“あまりにも理不尽なものに金を払わなければならない”という要素が薄いのだ。というより、前作の最序盤における「ゲーム中の音・ジャンプ・ポーズなどあらゆる要素をDLCとして買わなければならない」という状況に比べると、やはりいささか衝撃が少ない。これは続けるのが難しいジョークなのだろう。

やはりジョークを魅せつけるのだから、笑えるかどうかが問題だ

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 とはいえ、その欠点はあくまでも「序盤の掴みが弱くなる」ということになるだけだ。『DLC Quest Live Freemium or Die』は前作にあった中だるみをなくそうと努力しているし、ボリューム自体もだいぶ増えているのだ(プレイ時間は1時間弱程度になるだろう)。

 何より本作は基本プレイ無料の世界を題材にしているので、それを逆手に取った今までと毛色の違うジョークも取り込んでいる。ネット接続して遊ぶゲームという設定を使ったジョークもあり、ラスボス戦は「ひたすらに追加コンテンツを買わせることに執着することの愚かさ」を描いており、敵があまりにもマヌケに見えて笑えると同時に、少しの物悲しさも覚える終わりになっている。

 これらは飽きなくて良いような、ややテーマが散漫になりつつあるようにも感じられるが、さておき最初から最後までいろいろなジョークが山盛りなことは事実なのだ。

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 ただし注意しておきたいのは、前作と同じく、今の基本プレイ無料(もしくはDLC)に対する価値観を利用したジョークが多いので、若干の前提知識が必要であり、同時に経年劣化の早い作品に違いないということだ。とはいえ、これは使う題材の定めなので致し方あるまい。

 もっとも、この見事すぎるジョーク技術を利用した違うジャンルの新作にしたほうが、続編による細かい問題点が気にかからない完璧な出来になったのではないかとも思う。……とはいえ、骨子である作中のジョークはそれでもうますぎる皮肉なので、良好な作品だと判断すべきだろう。

 何より、面白くもないのに誰もが言う「The Cake is a lie!」という冗談を、思い切り馬鹿にして笑ってしまっていいと教えてくれた『DLC Quest Live Freemium or Die』は、本当にいいヤツだ。


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DLC Quest Live Freemium or Die 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Going Loud Studios ジャンル:キャラクター アクション 2013/03/18

 とにかくDLCを買わないと何もできないゲームである。
 もっとも、それは実際のゲームにおける無茶な課金形態を皮肉で笑うジョークなのだ。
 なお、『DLC Quest』の続編である。
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