続編は飽き、あるいは陳腐化との戦いでもある 『Quiet Christmas』

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今回は極めて手短に話そうではないか

 同じことを繰り返せばいずれ飽きるというのは至極当然なことだろう。ビデオゲームにおいてもそれは同じだが、やはり大規模な作品よりも小規模なもののほうが特に飽きやすい。続編としてどちらも50%ずつ新しい要素を入れたとしても、小さいほうが元が大きくないのだから、変化の割合も自然と少なくなる。

 ましてや、その作品自体が特異性をウリにしていた場合、二度目というのは難しくなるだろう。無論、必ず失敗するというわけでもないが、特に手を打たなかった場合は……。

 今回紹介する『Quiet Christmas』はまさにその状態に陥っている。なお、本作は家庭内騒音排除アドベンチャー『Quiet, Please!』のクリスマス版となっているので、続編というべきだろう。

○ Quiet, Please! 特集
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1318.html

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騒音を出すモノをすべて黙らせるアドベンチャー

 本作は家の中にあるありきたりなモノを駆使し、騒音を排除するシンプルなアドベンチャーである。配信日は2013年3月29日、開発はNostatic Software、価格は80MSP。

同じことを二度も三度もするのは簡単ではない

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眠りたい少女が眠りたいアドベンチャーなのは変わりないのだが、それが問題だ

 今回もひとりの少女が眠れないことからゲームは始まり、彼女を操作して睡眠の障害になるものを取り除いていく。前作と同じく、家庭内でありきたりに完結するという設定がかえって奇異で印象深い。

 作品の出来自体は前作とほとんど変わりないため、前作を知らない人が遊べば新鮮味があるだろう。……のだが、さすがに二作両方を遊ぶことになると困るとしか言いようがない。なぜなら、本作の主題かつ長所は“家の中でありきたりなもののみで、アドベンチャーが完結する”という「冒険なのに家庭内で済む」要素が目を引くのだから、それを繰り返されてしまうともう目新しくもなんともないのだ。

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今回はクッキーを作ったりもするが、騒音とは直接の関係がない

 こうなってしまうと魅力は失せてしまい、細かいところばかりが目についてしまう。たとえば、携帯端末向けの本作はきちんとクリスマスに配信されたが、Xbox360版は3月も終わりになってから配信されたし(これは細かくないか?)、どうも攻略の手順を誤ると特定のフラグが立たないようだし、クリスマスが題材になり騒音排除という主題すらブレつつある……、といった部分がそうだ。

 いや、冷静に『Quiet Christmas』の評価をするのであれば、小さくまとまっていて良いということもいえるだろうが、それは前作とまったく同じことなのだ。本作は続編なのに、その続編として評価すべき部分、つまり続けることに関する努力や変化については、ほとんど見られないのである。

 続編として出す作品というものは、同じことを続けていても変わり映えするような努力を続けているのだろう。Xbox360のインディーズゲームもかなり長く続いており、本作だけでなくさまざまな続編が出るようになってきた。が、そもそも続編としてうまく成立するかという部分も考える必要があるだろう。


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Quiet Christmas 80MSP Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Nostatic Software ジャンル:ファミリー 2013/03/29

 家庭内騒音排除アドベンチャー、クリスマスVer。『Quiet, Please!』の続編。
 家庭内という牧歌的かつ逆に物珍しい作風が特徴である。
 だが、二度目はないのではなかろうか。
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