美しき空中都市コロンビアで、少女と行く血塗られた贖罪の道 『バイオショック インフィニット』

要はレビュー記事のための概要まとめだ

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『バイオショック インフィニット』タイトル画面

 『バイオショック インフィニット』(『Bioshock Infinite』)は、2013年4月25日に発売されたFPS(一人称視点シューティング)形式のアクション・アドベンチャー。「バイオショック」シリーズの最新作である。

 物語を追ってひとりでプレイをする形式の作品であり、今回は作中の概要説明のため、簡単に全体像を説明しておこう。

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少女のモニュメントにいる少女を奪うのが目的

 主人公であるブッカー・デュイットは、重ねに重ねた借金を帳消しにしてもらうため、とある仕事を引き受けることになる。それは空中都市コロンビアへ行き、ある少女を奪ってくるというものであった。

 コロンビアの光景はまさしく素晴らしいものであり、美しくないとは口が裂けても言えないだろう。街並みは洗練されており、人々は優雅に暮らしており、20世紀初頭のアメリカ文化の良いところが凝縮されている。

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やたらと信仰を集めているカムストック

 なお、このコロンビアを建設したのは預言者であるカムストックという男のようだ。そう、預言者という肩書きのように、彼は宗教に熱心であり、そもそもこの街に入るにも洗礼を受けねばならないのだ。

 そして、この男は英雄ぶっているが、当然のようにあくどい面もある。言ってしまえば、こいつこそがブッカーの敵なのだ。
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偉大なるコロンビアの偉大さを思い知る

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食べ物はわざわざ見た目も用意されている

 それにしてもコロンビアはものすごい街だ。立派であるという意味でもメタ的な意味でもそれは同じことで、回復アイテムとして登場する食べ物は種類が豊富すぎるし、店の種類もさまざまなものがあるし、街人たちの会話なども多数用意されている。これだけ美しい街を作るのは、どれほどたいへんだったのだろうか。カムストックと開発者に聞いてみたい。

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キネトスコープはカムストック関連のものが多い

 そして、いわゆる昔のひとり用映画に近いキネトスコープも用意されており、場合によっては望遠鏡を覗くこともできたり、おまけにラジオ番組や音楽もさまざまだ。ここに足を運べば、コロンビアという都市がいかにすごいか理解できるだろう。

生き残るためのツールたち

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初回特典などで手に入る特殊なギアも多数存在する

 続いては戦闘について説明しよう。基本は銃で敵を撃って殺すFPSなのだが、今までのシリーズ作から継承したシステムが存在する。そのひとつがこの「ギア」システムで、これは体の四ヶ所に装備することができ、特殊な効果をつけたりブッカーの能力を上昇させることができる。

 ギアは今までの「トニック」に該当するシステムであり、名前や効果こそ変化しているが、基本は同じものだと思ってもらって問題ない。

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左手がグロくなるのも相変わらず

 そして、左手から発射する「ビガー」という特殊能力も忘れてはならない。これは敵を浮かせたり、電気・炎を発したり、敵を一定時間だけ寝返らせることなどが可能だ。銃だけで戦うのは非常に難しいので、この能力を駆使していくことが大切となる。

 これは今までの「プラスミド」に該当するシステムだろう。もっとも今回は、特殊な飲料を飲んで手に入れる形になっており、しかもストーリーの進行によって少しずつ手に入るという形式で、多数あるものから好きなものを選ぶという形にはなっていない。

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高速移動しながら銃で狙うのは現実的ではないが

 一方、まったくの新規となる要素が空を伝わる線路のような「スカイライン」だ。これは序盤で手に入る装備を使い、島ごとの移動ができるものである。場面によっては高速で移動しながら戦闘することにもなるうえに、飛び降りて敵に直接攻撃ができたりと、新鮮な戦いを味わうことができるだろう。

楽園のようなコロンビアと、地獄のようなコロンビア

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豊富な知識と鍵開けの技術、そして投擲技術がウリのエリザベス

 さて、それらの能力を駆使してブッカーが奪う女性というのが、このエリザベスである。彼女はなぜかコロンビアのモニュメント内に監禁されており、しかもなんらかの実験対象として扱われていたのだ。

 それもそのはずで、右手の小指が欠けている以外の見た目はふつうの少女である彼女だが、とてつもない能力を持っているのだ。そのためにカムストックは彼女を幽閉して利用しようとしているし、ブッカーも奪うよう依頼をされたのだろう。

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座ってくれたりするのはいいのだが、シリアスなシーンでもやってしまうのが難点か

 それにしてもエリザベス、実に表情豊かで愛嬌がある。これまたふたつの意味でものすごく、街中にある面白いものを見ていちいち反応をしてくれたり、椅子があれば座ってみてくれたり、壁に背をもたれて休憩してみたりと、ゲームの登場人物でこんな子がいるとは思えないほどである。

 更に、落ちているアイテムを見つけてくれたり、戦闘中に役立つアイテムを見つけて投げてくれたり、時には倒れたブッカーを助けてくれたり……と、ただ単に後ろからついてくるだけのオマケではないのだ。そんな彼女と一緒に行くコロンビアの旅は、楽しいものとなるに違いない。

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労働者が差別されるあたり、当時らしいというかなんというか

 もっとも、楽しいばかりがコロンビアではない。ここには人種差別や労働者差別が当たり前のように存在しており、胸糞が悪くなる場面を見ることも多々あるだろう。特に、はじめてそういった場面を見る時の衝撃は、実に強烈なものとなるはずだ。

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やはり恐ろしい描写があるのも本シリーズの魅力だ

 無論、その問題は物語にも絡んでくることになる。虐げられた人々はただ黙っているだけでなく、それがコロンビアに大きな変化をもたらすことになるだろう。それにより、あの美しかった景色も、正体を表すかのように不安な様相になっていく。

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もはや彼女を奪うだけでは済まなくなる

 そして、エリザベスとの旅も血塗られた道へと突入していく。ブッカーはただ借金を返すためだけに、いわば自身の荒れた生活の贖罪として行動していたが、それは違った意味を帯びてくるようになる。その核心に近づき、驚くべき真実を知ることが、この作品の物語であり醍醐味なのだ。

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