やはりMGS3も大作であった 『METAL GEAR SOLID HD EDITION』 06

確かにMGS3が素晴らしい作品と言われても納得できる

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潔いほどにアクションらしい場面が多かった

 思ったよりあっさりと『METAL GEAR SOLID 3』(以下、MGS3)をクリアすることができた。とりあえず、今回は間違いなく単純明快なアクションだといえる。前作がああも無茶苦茶だったせいか、とにかくわかりやすくしたようだ。

 具体的にどんな内容かといえば、渋くてカッコいいスネークのアクションあり、美人のエヴァとのロマンスあり、ところどころにジョークがあり、「戦争はくだらないよ!」という単純なメッセージがあり、最後に真相を知れば感動が待っているという、豪華な映画のようなものであった。

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暇さえあればすぐに誘惑しようとするエヴァ

 やはりカットシーン(ムービー)は数も多く時間も長く、たいていはアクションかエヴァとのイチャつき(寸止め)である。特に後者はやたらと回数が多く、本当だったらもっと珍妙な設定語りにしたかったのではと思わざるを得ない。

 ともあれ、アクションありお色気あり笑いあり感動ありで、なるほどこれは大作らしい作品である。高評価になってもなんらおかしくないが、しかしながら気にかかる部分がないほど完璧なわけでもなく。
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大作という形式をとれば不得意な点もあるということだろう

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ザ・ボスとの対決は人生最高のゲームプレイとはならなかった

 気になった箇所はふたつあり、ひとつはこの作品は映像を見せたいのかゲームをやらせたいのかよくわからないところ。もうひとつは、最後の感動をきちんと描けてはいるものの、そこに大きな穴があるということ。

 MGS3はとにかく映像部分とゲームプレイ部分が何度も入れ替わり、不快になってしまった。本作はアクション・ゲームなのに、アクション部分を操作できず、ムービーで処理されてしまうことが多い。では見るだけで良いのかと思いきや、部分部分で操作を要求してくる。まるで「映像だけで通したいけど、それじゃゲームにならないから操作もしろよ」と言われているような気分だ。

 また、そういうゲームプレイが円滑でないという点はほかにもあり、たとえばザ・ボスとの対決時は盛り上がる演出もあるのに、それをいちいち途切らせる骨折治療要素があったりと、映像作品にしてもゲームにしても水を注される場面が多い。単純に、どちらに注目させたいのか意図が不明である。無論、両立もしていない。

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ここからエピローグにかけてのくだりがまた凝ってはいるのだが……

 そして。やはり“なんだかすごい感動できるような気がする演出”は本当に一流で、本作の終わりは泣けると言われてもなんらおかしくないだろう。特に、スネークがザ・ボスを殺してから真実を知るという流れには力が入っている。

 ただ、ザ・ボスを殺すシーンは用意された操作が特に効果的でないし、物語としては、スネークとザ・ボスがいかに深い絆で結ばれていたかの描写が不足している。スネークがいくら「ザ・ボスが裏切るだなんて……」と思って後悔したり、複雑な気持ちで戦っていたとしても、こちらとしてはその複雑さがさっぱりわからないので、どうしても他人ごとに見えてしまう。

 その葛藤が描けていなければ、感動が完全に機能するとは言い難い。にも関わらず、本作は感動を雰囲気で成立させようとしている。これは個人的には歓迎したがいのだが、まァ十分に通用する出来ではある。

 なんだか長くなったが、やはりMGS3は大作なのだ。はっきりいって、ビデオゲームとしては満点はつけられないだろうし、物語などにも粗がある。が、要素はいろいろ揃っており、どれも比較的に高品質となっている。となれば、それが最大公約数的に受け入れられる大作ということなのだろう。

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