「なぜロックマンやマリオが自分の手から攻撃を出すのか」を教えてくれるアクション・ゲーム 『X S.E.E.D』

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アクションとしての新機軸を狙って失敗した作品か?

 なぜロックマンは自分の腕からロックバスターを撃つのか。どうしてマリオは手からファイアボールを出すのか。彼らが自分の体から攻撃を発するから、敵に近寄らねばならず危険な目にあうのだ。ならばロックバスターやらファイアボールを出すマシンでも置いて、自分が逃げられれば安全ではないか!

 ……という発想から作られたのかは知らないが、今回紹介する『X S.E.E.D』はそういうゲームである。2Dアクション・ゲームで、弾を撃って敵を攻撃する。しかしながら、それは植えた花がやってくれるのだ。

 もっとも、遊んでみれば「なぜロックマンやマリオが自分の手から攻撃を出すのか」が、すぐにわかる。2Dアクションに秘められた設定は、理由なくそうしているわけではないのだ。

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花を植えて凶暴化した植物を倒す2Dアクション

 さておき、『X S.E.E.D』は2013年9月28日にXbox360インディーズゲームで配信された2Dアクションである。開発はMikael Tillander。価格は100円。
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攻撃のこない場所から花の種を投げまくるだけのゲーム


 ここでゲームプレイ動画を掲載しておくが、これを見た時点で「なぜロックマンやマリオが自分の手から攻撃を出すのか」がすぐにわかるかもしれない。というのもこのゲーム、安全地帯から花を出しまくっていればよく、ルールが破綻寸前なのである。

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とにかく種をポイポイと植えまくる

 一応、はじめから説明しておこう。本作は「S.E.E.D」なる研究集団がある小さな島で起きたアウトブレイクを鎮圧するため、ひとりの「S.E.E.D」科学者が立ち上がるという物語だ。ここでは奇妙な植物の研究をしており、おかげで島には攻撃的な花やら草だらけ。無論、主人公もその花を使って対抗していくというわけだ。

 花の種を手にいれれば、それを投げて自動で攻撃してくれる花を植えることができる。盾となるツルやら3方向のショット、水上で足場となる蓮のような植物など、種類はかなり豊富である。いや、豊富すぎる。

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何をしているかわからないだろうが、これでもボス戦である

 そして、ゲームプレイの大半はツルの向こう側から種を植えまくっているだけで終わる。こうなる理由は以下の4つの原因があるからだ。
  1. 植えた花は自動で攻撃してくれるので、自分が危険な場所へ行く必要はない。
  2. ツル(盾)が非常に強く、それで安全地帯を強引に作り出せる。
  3. 敵はほぼ画面外でも当たり判定があり、ほとんどの敵は植物なので動かない。
  4. これだけだと低難易度なせいかシビアな仕様もあり、敵の攻撃に触れると即死で、残機制で1UPもコンティニューもない。が、そのせいでより安全地帯からの攻撃をしたほうがよくなる。
 このように、危険を冒すよりも花に任せて種を植えまくっていたほうがいいのだ。これの何がアクション・ゲームなのかと悩まされるが、初見殺しであっさりゲームオーバーなんてこともあるのでイライラする。

突飛な思いつきはアイデアとは呼べない

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ラスボスも安全地帯からの連打で終わる

 さて、これで「なぜロックマンやマリオが自分の手から攻撃を出すのか」がはっきりわかっただろう。“攻撃は花にまかせて自分はただ安全地帯にいる”だなんてアクション・ゲームの根本を否定する行為を禁止するためだ。安全地帯からひたすら攻撃をするだけなんて、掃除されていない便器より汚い顔の悪役がやることである。

 更にこのゲーム、入手できる種類の花が多すぎて困ったことにもなっているのだ。意味がない攻撃が多いし、そもそも数が多すぎて選択が煩わしすぎ、後半になるとツル(盾)とその隣にあるやつくらいしか使いたくならないのだから本末転倒だ。

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エンディングは一切なくスコアが表示されるだけ

 こうして見てみると、「なぜロックマンやマリオが自分の手から攻撃を出すのか」だけでなく、「なぜアクション・ゲームの敵は動くのか」だとか「なぜアクション・ゲームにおける特殊武器がそこまで多くないのか」といった話にも発展しそうである。

 インディー作品は新機軸を狙おうとする姿勢もあるが、既に決まりきっていることにはやはり相応の理由があるのだ。温故知新という言葉があるように、それを知らずして新しいものは生み出せないのであろう。


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X S.E.E.D ¥100 Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:Mikael Tillander ジャンル:アクション & アドベンチャー 2013/09/28

 花を植えてそれに頼る2Dアクション。
 しかしながら、安全地帯から種を投げまくるゲームになっている。
 残機制でコンティニューもなく、意外と面倒臭いあたりがまたイラつく。

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