『Colaris』や『How To Get Girls』を手がけたあのメイサク・クリエイター、クレイ・シュバイナーが、自身の秘密について口を開いた!

Xbox LIVE インディーズゲームを支えたあの開発者にメールでインタビュー!

 僕は、そのメールを受け取った瞬間に腰を抜かしていた。なんと、Xbox360インディーズゲームをひと通り触ったものであれば知らない者はいない有名クリエイター、クレイ・シュバイナー(Clay Schubiner)氏からの連絡が来ていたのだから!

 ……まったくもって人に伝わらない文章だが、驚いたことと、あのメイサク・クリエイターからメールをいただいたことは事実だ。して、クレイ・シュバイナーがどんな人物かというと、一口に言って「とんでもないゲームを作る人」だ。詳しくは、以下の記事を読んでもらうといいだろう。

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○ あのメイサク・クリエイター、Clay Schubinerが帰ってきた 【Xbox360 IndieGamesで石を拾う 30】
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1424.html

 画面いっぱいに原色の赤・青・黄が点滅してプレイヤーの健康を害そうとしているような作品を作ったり、100万回ボタンを押すだけのゲームを作ったり、『GET THE BALL』というかなり困ったミニゲームを執拗に使いまわしたりと、そういう人物である。当サイトの尖った石を拾って紹介するコーナーに登場するような作品を制作されている。

 更に、彼は何度か名義を変えたりと謎の深い人物でもある。今回は、彼のほうから質問を受け付けると言っていただいたので、メールで簡単なインタビューをさせていただいた。
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名義の謎についての答えが明らかに

 さて、さっそく質問とその答えを見ていこう。やりとりは英語で行われたが、それを僕の手で翻訳して掲載している。まずは、僕が最も気になっている話からだ。

質問:「Fusion Gaming」は、あなたなのでしょうか。

 いいえ、違います。しかし、「Fusion Gaming」の中の人は、私の親友です。最近の私は「Snow-Capped Studios」というアカウントで活動しています。

 ここで出ている「Fusion Gaming」とは、『Sexy Island Adventure』を制作したデベロッパのことである。美少女の一枚絵が見られるだけのアドベンチャー(作品については下記記事を参照されたし)で、評価も高いとはいえない。

 しかしこの開発元、どう考えてもクレイ・シュバイナーの臭いがするうえ、そして本人ならば今までの困った作品から大きな成長を遂げているわけで、目をギラギラとさせつつ聞いてみたわけだ。

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○ “無難でエロ推しで卑怯なゲーム”を作ることが素晴らしい事実になることもある! 『Sexy Island Adventure』
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1646.html

 なお、Fusion Gamingは『How to Get a Girlfriend』という作品も出しており、それはクレイ・シュバイナーのヒット作『How to Get Girls』とそっくりというか、遺伝子レベルで同一ではないのかというくらいに類似点が多い。よって、同一人物である可能性が非常に高く、聞かずにいられなかったのだ。

 しかし、帰ってきた答えは“自分の親友”だという答え……。これは「僕の友達が~」という語り口で自分のことを話すような行為ではないのかと疑っているのだが、しかしNoと言われているわけで……。いずれにせよ、Fusion Gamingという存在には、クレイ・シュバイナーの影響があることは間違いないようだ。

質問:名義を変えていましたが、どのような事情があったのですか?

 私が名義を変えたのは、古いアカウントがBANされてしまったからです。

 Xbox LIVE インディーズゲームのマーケットプレイスは、ピアレビュー(開発者同士の審査)が行われています。それは、開発者がどのようなゲームを配信するか決めるということです。私が友人と共に開発したゲームには問題があり、それを必死に修正しようとしたのですが、ピアレビューで落とされました。そして、マーケットプレイスからBANされてしまいました。

 それは私にとって災難でした。なぜなら、『How to Get Girls』という作品がかなり売れていたからです。これはランクNo.1になるほどダウンロードされたゲームで、人気があったころは6日間で6,000ドルほど売上げを記録していました。しかしBANされてしまい、『How to Get Girls』の売上げによって得られたであろう数千ドルが消えてしまいました。

 クレイ・シュバイナーは「Black Hat Games」と名義を変え、その後にまた名前を変えている。てっきり、それはやり直すためだと思っていたのだが、BANされたというのだから驚きだ。提出した作品にどのような問題があったのかは教えてもらえなかったが、作品自体にはこれといった問題があるとは思えなかった。

 そのため、質問の答えとしては曖昧なところだが、とりあえず「外的要因によって名前を変えざるを得なかった」ということのようである。自分で名義を変えたくて変えたのではないということなのだろう。

Xbox LIVE インディーズゲームのこれからと、クレイ・シュバイナーのこれから

質問:あなたが開発したゲームで、一番お気に入りの作品はなんですか?

 私が開発したゲームで最も気に入っているのは、Xbox LIVE インディーズゲームであれば『How To Get Girls』です。全体を通してだと、iOSで配信している『Star Stream』です。『Star Stream』は革新的な物理エンジンを積んだゲームで、ワンタッチで惑星間を移動して星を集めていきます。


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『Star Stream』ゲーム画面

質問:では、開発したゲームで、一番プレイヤーに売れた(人気があった)作品は?

 『Star Stream』です。次点では、『How To Get Girls』です。これは一週間で100,000以上も体験版がダウンロードされ、10,000以上も製品版が購入されました。


bbox_howtogetgirls.jpg 何度か話に出ている『How To Get Girls』は、女の子の口説き方を四択クイズ形式で教えてくれる作品である。しかも、出来はお世辞にも良いとはいえない。もっとも、それがかなり売れた作品というのは知っていたのだが、それにしても実数を見ると驚くほど売れている。

 ちなみに、前述の「6日間で6,000ドル」という記述に噛み合わない(この作品は1本1ドルなので、数字はもっと上がるはずである)ように見えるが、これはおそらくマイクロソフトの取り分などを差し引いた売上げなのだろう。

 また、iOS向けに配信されている『Star Stream』に関わっていたという情報は新鮮だ。これはスタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学のような、名の知れている大学に通う学生たちによって作られた作品である。おそらく、クレイ・シュバイナーの情報だけを集めていても辿り着かないはずなので、ファンの方はぜひチェックして欲しい。

 そして最後に、Xbox LIVE インディーズゲームについての思いを語ってもらった。

質問:Xbox LIVE インディーズゲーム(Xbox360のインディーズゲーム)について、どう思われますか。

 もし、あなたがプロに匹敵する品質のゲームを作るのでないならば、あるいは、ちょうどそこで何かを得たいのならば、ここは良い場所です。あなたのゲームが最高品質でない場合、App StoreやGoogle Playでの成功は難しいことでしょうし。

 しかしながら、最近のマイクロソフトはインディーズゲーム開発者に関心を払うことが少なくなり、この市場は隅に追いやられ、魅力的に感じられなくなってしまいました。私は、Xbox LIVE インディーズゲームでゲームを制作していない開発者に、この市場をおすすめしません。


 やはり、クレイ・シュバイナーから見てもXbox LIVE インディーズゲームは寂れていると感じられるようである。しかしながら、この市場もかなり長い年月が経っているわけで、致し方ない部分もあるだろう。

 さて、これで彼のことを少しは理解できるようになっただろうか? 僕は正直なところ、曖昧な答えがいくつかあったため、むしろ悩むようになってしまった。しかしながら、あれほど奇妙ともいえる作品を作るクリエイターなわけで、そういう謎めいた魅力があって当然なのかもしれない。そして、このインタビューは、少なくともその謎を解くヒントにはなっていることだろう。

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