「Xbox LIVE インディーズゲーム 配信作品3000本突破記念 5年間、3000本の歴史を振り返る」 第一部 何が求められているのかを模索し、導かれた答えは……

2010年になると、国内でも注目されるような作品が登場し始める


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SSDM2010年に入ると、日本でも有名な作品が登場し始めます。あのゲーム作曲家として有名な古代祐三さんが率いるエインシャントが制作した『まもって騎士』なんかは僕も好きです。あとは、既存人気キャラを持ち込んだ『ゆっくりの迷宮』も出ていますね。
工作員あのー、『ゆっくりの迷宮』のほうは人気のある題材なのですが、権利的に問題があったとかなんとかで……。
SSDMいやいや、そこははっきり言わないとダメですよ。東方です! 大人気の同人ゲーム、東方Projectの二次創作ゲーム!
工作員ええと、ニコニコでも大人気だった「ゆっくりしていってね!」というキャラが出てくるわけですね。声もそのままで。
SSDMこれもゾンビの全方位シューティングと同じで、既存の人気を持ち込んだわけですね。一方、『まもって騎士』は名のある方が制作に関わっているというのはありますが、XBLIGで挑戦してみようという意欲的なオリジナル作だったわけです。

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『まもって騎士』ゲーム画面
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思わぬ人気を得るデベロッパもいれば、思い通りの結果を得るデベロッパも

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SSDMこうして国内でも盛り上がりを見せつつあったXBLIGは、2010年6月、国内向けに配信されたタイトル数が1000本を越えます。
工作員これはもちろん、XBLCGのころからある作品も含みますが、いずれにせよ速いペースですよね。
SSDMしかも、ここから1年4ヶ月くらいで2000本になるので、最も脂の乗った時期と言えるでしょう。このあたりだと、『Decimation X3』というインベーター・ゲームを弾幕シューティングにした作品の人気がありました。既存の人気要素でありながら新しいものも入れたという、個人的には望ましい形ですね。
工作員日本ではゲームセンターにあるようなシューティング・ゲームを好きな方がXbox360を持っていましたし、そういった人たちから取り上げられたりしましたね。
SSDMXbox360はマイナーなハードの宿命か、パッケージでもシューティング・ゲームが多かったですね。この『Decimation X3』は日本を意識した作品ではなかったようなのですが、日本の土壌に合っていたという結果になりました。
工作員それも世界に繋がっている据置機だからこそという感じがありますね。
SSDMそれはどのゲームにも言えることで、特定の場所で面白くないと言われたとしても、母数が多い場所や文化の違う場所に行けば人気が出るということはあり得ますから。
  ただまァ、それにも限度があるというのが2011年5月の例として載せている作品なんですけれども……。

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『Why Did I Buy This?』ゲーム画面

工作員このディベロッパーさんもXBLIGを代表する方ですね。
SSDMタイトルを読んだだけでキレそうなのですが、『Why Did I Buy This?』ですね。「なんでこれ買っちゃったんだろう?」という、ゲーム内でこの作品を買えといろいろトークされるのですが、買っても絵を見られるだけなので、我慢するというゲームです。
工作員XBLIGはすべての作品に体験版があるので、それを逆手に取った作品ですね。これのデモを遊ぶと作中で「俺たち儲ける気はないから!」と制作者が言ってしまうくらい買わせる気がない妙な作品なわけです。
SSDMそういう一発ネタとでも言うべきゲームなのですが、開発チームであるシルバー・ダラー・ゲームスはこういう困ったゲームをずっと前から配信されていらっしゃるわけですね。
工作員こ、困った? いやいや!
SSDMメタルバンドのPVを流しながら人の首を切るゲームとか、人間のエサに寄ってくるネコを退けたりするだけのゲームとか、実写女性が出てくるだけのゲームだとか、それこそ最初期の雰囲気をずっと引きずっているような感じですね。
工作員ダウンロード用のゲーム市場だと目立つことが本当に強みになるので、それを理解しているディベロッパーさんだと思います。一発ネタや本数の多さにかけては誰にも負けませんからね。
SSDMこの「XBLIGで最もファックと言われているデベロッパ」は改心したのか、しばらく休んだあと2013年に『One Finger Death Punch』という本当にステキな作品を制作されるのですが、その後またファック・メーカーに戻ったりもしています。
工作員こういうところもXBLIGの性格を表しているのかなと思いますね。

そして、2011年に、今でも人気が続く『Minecraft』クローンが登場する

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SSDMそれに関しては、次の作品のほうがもっとわかりやすいんじゃないかと。そんなわけで、PCで大流行していた『Minecraft』というゲームの……、パクローン? いやいや、真似た作品が、2011年6月から出始めたわけです。最初は『Total Miner: Forge』で、これが週間ランク1位になるくらいには売れました。
  さて、ここでクイズです。すごい売れたゲームが出ると、どうなるでしょう?
工作員えーとですね、すごい売れたゲームがあるということは、すごい売れたゲームと同じようなものを作ると、すごい売れるゲームになると思います!

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『Total Miner: Forge』ゲーム画面

SSDMはい、正解です! というわけで、この後に『Minecraft』のクローン作がいくつも出ました(具体的には十数作品)。もちろん、『Total Miner: Forge』とほぼ同時期に『Minecraft』クローンを出したところもありましたし、中には意欲的な作品もあり、ゾンビやドラゴンの出るサバイバル要素を強めた『CastleMiner Z』といった作品もあります。
工作員あとは『Minecraft』をやりながらFPSをやるという、『Miner Of Duty』なんかですかね。
SSDMひとつ流行があったらみんなでそれを真似するという、これでもう何度目ですかね。ここもインディーではありますが、そういう流れもあるわけですよ。そして、だんだんと品質が落ちてきてしまうというのも共通していますね。
工作員最初はいいのですが、後の方になるとブロックを積むだけで2Dになってしまって、何を真似しているのかわからなくなった作品もありましたね。
SSDMまァ、『Minecraft』クローンが人気ではあったのですが、当然ながら傍流とでも言える作品もあったわけです。たとえば、スマートフォンで人気を取っているデベロッパがXBLIGに挑戦したり、逆ですが、XBLIG発のスマホ人気のゲームのような『Techno Kitten Adventure!』が出たわけです。

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『Techno Kitten Adventure!』ゲーム画面

工作員『Techno Kitten Adventure!』は、めちゃくちゃ光る画面でテクノを聞きながらイライラ棒をやるというゲームなんです。あまり据置機向けではなかったですが、XBLIGでも人気が出て、スマホのほうでも人気があるみたいです。
SSDM逆にiOS向けの人気作品がXBLIGに移植されたものの、人気が出なかったというのもありますね。これは移植がやっつけだったというのもありますが、よその人気が必ずしもXBLIGで通用するとは限らないということでしょう。
工作員スマホ市場とXBLIGは似ていると言う人は開発者の方にもいますが、やはり違いがあるということなのでしょうね。

Xbox360の特徴を活かしたゲームと、別に活かそうとも考えなかったゲーム

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SSDM人気の違いという意味で特に象徴的と言えるのが、『DLC Quest』でしょうか。これは昨今の流行りであるDLC(ダウンロード・コンテンツ)を揶揄しまくっており、皮肉なジョークを楽しめるアドベンチャーです。これなんかはスマホで出しても話が通用しないでしょう。
工作員Xbox360を遊んでいる人たちの共通認識のうえに成り立つような作品ですよね。特に大きいのが、Xbox360の有名なゲームが例として出ているところです。
SSDMスマホで出すなら『ソーシャルゲーム廃課金クエスト』にしないとダメですよね。
工作員いやだなあ(苦笑) これもXBLIGの自由さのおかげで出た作品だと思います。

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『DLC Quest』ゲーム画面

SSDMそしてもうひとつ、XBLIGらしいといえるような、プレイヤーを悪夢の底へ突き落とすゲームも並行して紹介しておきましょうか。
工作員だから、そういうフリで説明させるのやめてくださいよ! ええと、XBLIGの大人気キャラクターをすべて集合させたら、すごい面白いゲームができるのでは! という思想の元に作られたゲームですね。『Angry Zombie Ninja Cats』という名前です。ゾンビ、ニンジャ、キャッツ! どの要素も大人気ですね。
SSDMしかも、スマホで大人気に怒っていそうな鳥的な要素もありますからねー。XBLIGでは『魚が怒っていました』が。
工作員ただ別に、このアングリーなゾンビ・ニンジャ・キャット、ゲーム内容は怒ってもいないし、ゾンビでもないし、あまりニンジャでもないし、特にキャットでもない2Dアクションです。

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『Angry Zombie Ninja Cats』ゲーム画面

SSDMこういうゲームはほかにもあって、ポーカーとゾンビとタワー・ディフェンスを混ぜた『Zombie Poker Defense』なんかも、要素だけ借りたはいいものの、まるでダメなゲームの典型ですね。借りただけですわ。
工作員なんか、とりあえず人気のものを集めておけばいいだろうという作品も多いですね。
SSDMこれもマーケティング先行型と言えばいいのでしょうか。もっとも、ステキなものをいっぱい集めて出来上がったのは、パワーパフ・ガールズではなくうんこだったわけですが。
工作員まあまあまあまあ! ただ、これは開発者の方だけが作りたかっただけではなく、XBLIGを遊ぶユーザーの需要でもあったということは間違いないですよね。
SSDM読み違えてはいますけどね! でも、マッサージをするソフトなんかが売れたのは事実ですから。

○ 「Xbox LIVE インディーズゲーム 配信作品3000本突破記念 5年間、3000本の歴史を振り返る」 第一部 そして歴史は繰り返す
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