「Xbox LIVE インディーズゲーム 配信作品3000本突破記念 5年間、3000本の歴史を振り返る」 第二部 奇妙なものも、おいしいものも、すべてまとめたXBLIG

完璧でないゲームであっても美点はあるのだ


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Xbox LIVE インディーズゲーム3000本突破記念、対談企画


SSDM

工作員

めづかれ

しごと

ことり
毎日ムキムキの管理人で4流ゲームライター。低評価ゲームを追い続ける強靭な狂人。プチデポットのリーダー。プチデポットの開発担当。プチデポットの画像担当。

SSDMでは単純に、XBLIGの作品で気に入っているものはありますか?
しごとマイちゃぶ台』や『どっすんアイランド』です。あとは、最初に出た『MADRISM』なんかにも惹かれました。
ことりああー! 『MADRISM』は良かったね。思わず5つ星をつけちゃいました。
SSDM『マイちゃぶ台』はRPG要素のあるSTGで、『どっすんワールド』は奇妙な2Dアクションですよね。なかなか魅力を理解できない人が多いと思うのですが、どのあたりが気に入っていらっしゃるのでしょうか。
しごと明確には言い難いのですけれども、あのドッスンする動きがたまらなくて!
工作員キャラの動きをきちんと作っていらっしゃるんですよね。むやみに滑るところとかも。
しごとそうそう! 無敵の置いてある間隔の短さとかもいいですね。
工作員ああ、続編の『どっすんワールド』のほうですね。取るより無視したほうがいいような無敵……って、これが伝わるの僕だけじゃないですか!(笑)

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『Dossun World』ゲーム画面

SSDMいやホントですよ(笑) まァ、僕から言わせてもらうとその作品というのはつたない部分が多いのですが、そういう作品にも良く感じられる部分もあるということでいいのでしょうか?
しごとそうですね。必ずしも完璧な作品だけが素晴らしいわけではないというか。疲れた時にやると、純粋さを感じて心が洗われます。
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海外進出は良い面もあれど、一筋縄でないのも当然であって

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SSDMプチデポットさんが制作された『メゾン・ド・魔王』は、最初にXBLIG、次にプレーイズム、そしてSteamで配信されていますね。それぞれで配信する際の違いはありましたか?
しごとプレーイズム、Steamで出す時の手間はそんなに時間がかかりませんでしたね。そう考えると、やっぱりXBLIGのピアレビューが一番たいへんでした。
ことりプレーイズムさんが頑張ってくださったので、Steamに出すあたりはおまかせできたのが大きいですね。
しごとそもそも海外版とかPC版は、少なくとも僕はあまり考えてなかったんです。ただ、XBLIGでの英語版は出そうとしていたのですが、ピアレビューでリジェクトされてしまい、そこでむしろ絶対に出してやると奮起しました。そのため、きちんとした英語版を作れるプレーイズムさんに、まずはPC版としてお願いした形です。
工作員XBLIGのファンとしては嬉しい話ですね。Xbox360の英語版ありきの話で進んだというのがすごいですよ。
SSDMかたやマッサージ・ソフトのクローンを出している人がいる一方でねえ。
工作員それ、僕としてはノーコメントですけど……!

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SSDMでは、Steamで販売をはじめて販売本数は延びましたか? やはりPCで配信したほうが売れると考える人も多く、XBLIGからそちらへ移行する人もいましたし。
しごと確かに、今だとXBLIGの開発者の方が、Steamのグリーンライト(ユーザーの投票によって、Steamで配信されるか否かが決まるシステム)で出しているというのをよく見ますね。
めづかれやはりSteamはユーザーの母数がとても大きいので、確実に増えはしました。めちゃくちゃというわけではないですね。
SSDMプレイヤーからの反応なんかもPC版のほうが多いですか?
ことりどうだろう……。英語だしね。
しごと結局のところ、英語だからわかんないというのも大きいです(笑)
めづかれ確かに、海外だとたくさんのサイトがあって取り上げては頂いてます。ただおそらく、PCでゲームをするという層は、据置機とかに比べるとやはり多数派ではないのではないかという印象がありますね。あとは単純に、日本から世界にアプローチすることはあんまりないですから、なかなか下地がなくて受け入れにくいのかもしれません。
ことりあとは、すぐ埋もれちゃう環境になってしまったのもありますね。
SSDMやはり数が増えると目立つのは難しいですよね。XBLIGも3000本となると、埋もれまくる作品が多くなって、いかにトップに表示されるかを苦心されていることもありますから。

XBLIGは“喫茶マウンテン”だった?

めづかれスマートフォン向けの市場なんかは更に競争が激しいですからね。XBLIGはほかの問題もあって厳しくはあるのですが、ただ、Xbox360のような、手軽ではあるものの敷居が低すぎることもない市場というのは、実は狙い目かもしれない。それに、やっぱり、ジョイパッド(コントローラー)でゲームをやりたいよねというのがありました。
しごとそもそもスマートフォンなんかで出しても、それを自分でやるのかと言ったらあまり自信がないんですよ。逆にXbox360であればやるでしょ! というね。
ことりゲームはゲーム機でやるでしょ! って感じでね。

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工作員僕はiPhoneでもゲームをよくやりますけれども、やっぱりそれすら家で腰を落ち着けてやってしまいますね。
SSDM落ち着いた環境でやらないと記憶に残りませんね。携帯電話なんかで遊んでも、何年かあとにタイトルすら思い出せないんですよ。もちろん、据置機のパッケージ・ソフトなら忘れないわけでもないし、スマホのアプリだから劣っているわけでもないのですが、消耗の質が違うというか、熱中の仕方が形式によって違うのは当然ですよね。なので、僕は据置機が一番好きですし、携帯機でも家でやります。
工作員外でやると、どうしても暇つぶしにやる感じになってしまいますからね。
しごとあるいは、コミュニケーションの一端として使われるみたいなのもありますよね。
めづかれ食事にたとえると、フランチャイズ店でとる食事みたいなものでしょうか。もちろん味はいいんですが、そこで食べたことってあんまり記憶に残らないわけじゃないですか。なので、少なくとも、『メゾン・ド・魔王』の場合は記憶に残るものを目指しています。
SSDM旅行先でわざわざマクドナルドに行くなんてのもアレですからねえ。ただ、それを重たいと感じる人もいなくはないですよね。ゲームに対する捉え方が違うのでしょうが。
しごと今のたとえで言うと、XBLIGはご飯どころかたまにとんでもないものが出てきてしまう場所なわけですよね(笑) そういうのは逆に記憶に残りますし。
SSDM道端に落ちてる銀杏を処理せずそのまま食べちゃったみたいなね。
工作員ちょっと! もう少しいい例えないんですか!
  (一同笑い)
めづかれそうそう、名古屋に変なものを出す喫茶店があるんですよ。量もメニューも多くて。ご存知ですか?
SSDMああ、喫茶マウンテンですか! あのー、甘口小倉抹茶スパゲッティやカラいかき氷なんてのがあるという、奇妙なことで有名なお店ですね。

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めづかれよその方とマウンテンに一緒に行くと、だいたい遭難(無茶なメニューを頼んで食べ残すこと)をするわけですよ。なのに、みんなわかっていて行くんですよね。おいしいメニューもあるというのに、あえてそれを狙っていく。なので、XBLIGはそういう場じゃないのかなと思います。おいしいものもあれば、面白かったり、奇抜すぎるメニューもあるような。
工作員僕は何度もマウンテンに通ってますが、あそこは店員さんがおいしいと思ったものを提供しているので、その信頼関係で成り立っているわけですよね。
めづかれそういう関係があるから、XBLIGも妙なゲームに100円を出しても納得できる場所になっているのかもしれません。
SSDMそうかー、XBLIGは喫茶マウンテンだったんですね。そっかー、マウンテンかー。マウンテンだったのかー……。
工作員大丈夫ですか? 3000本のまとめが「XBLIGはマウンテンだった」というオチなのは。
SSDMその例えはいいんですよ! ただ、なんというかこう、僕の立場的に納得がいきませんね。
工作員SSDMさんはマウンテンに行って「この料理がまずい!」とか本気で言ってる人ですからね。
SSDMそれ、ただの空気を読めてないだけの人じゃないですか!
  (一同笑い)

銀杏の臭さもまた一興……か?

 さて、このように対談は非常に和やかなムードで行われた。開発者の側からすると、XBLIGに自由はあったものの、それ故に苦しんだり、困ったりすることも多かったようだ。

 やはり、誰かが内容について言わなければ品質は上がらないわけだが、かといって自由であるという前提ならばそれを言うことは、はばかられる。結果として、遊ぶ側からは困った作品が出ると見られてしまったわけであり、XBLIGにはこのあたりの調整が足りなかったのかもしれない。

 しかしながら、それでも自由であることは必ずしも悪いことではない(なんせ未処理の銀杏を食えるのはここくらいのものだ)し、家庭用据置機に魅力がないわけでもない。3000本の間に築かれた歴史は、奇妙でありつつも、味わい深くもあったのだ。

コメント

ピアレビューで思い出しましたが、萌えめくり製作者のkoheiさんは同作2、3をピアレビューに出した際やたらと難癖をつけてくるレビュアーについてぼやいていました。どこにでもそういう人はいるんだなと思ったものです。

それに関連して、ゲーム中に英語が少しでも入っていると英語圏の人からの審査が必要になっただとか、審査できない言語を使ってはいけないなんて困ったルールもできてしまったそうですね。
ただでさえ審査なんて簡単なものではないのですから、それを人任せにすると問題が起こっても不思議ではないですよね。
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