バイオショック インフィニット DLC第二弾『ベリアル・アット・シー EPISODE1』はラプチャーの物語ではなく贖罪の物語

DLC第二弾は「インフィニット」のエピローグ、あるいは番外編

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 2013年11月12日、『バイオショック インフィニット』のダウンロード・コンテンツ(以下、DLC)第二弾『ベリアル・アット・シー EPISODE1』が配信された。これはシリーズ第一作で登場したラプチャーが舞台になっている番外編である。

 はじめに重要なことを言っておきたいが、このDLCは、あくまで『バイオショック インフィニット』本編終了後の続きものである。崩壊する前のラプチャーが再現されてはいるが、あくまで「インフィニット」本編をクリアした上で、その続き(ただし、本編の直接的な続きというわけではないもの)を見るという心構えで遊ぶべきだろう。

 なお、このDLCのローカライズは字幕のみで、吹き替えは存在していない。本編は音声も日本語になっていたので、残念なところではある。

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以前よりもケバケバしくなったエリザベス

 さて、今回も主人公はブッカーである。彼が机に突っ伏して寝ていると、この探偵事務所にいきなり女性が入り込んできた。彼女の名前はエリザベス。その女性はプレイヤーが以前に見た姿とは違い、大人びたというべきか世の中に染まったというような容姿をしている。

 エリザベスはなんのためにここへ来たのかといえば、「サリー」という少女を探す依頼をするためだった。そのサリーはブッカーにとっても親しい存在であり、なぜエリザベスがそれを依頼するのか不思議でたまらない。

 いずれにせよ、ブッカーにとってもサリーを探さねばならないのだ。昨今のラプチャーでは少女が行方不明になる事件が相次いでおり、サリーもその事件に巻き込まれたのかもしれない……。

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誰も見たことのなかった繁栄しているラプチャー

 そう、今回の舞台はコロンビアではなくラプチャーだ。まだ人々が理性を保っており、気の狂ったスプライサーたちが暴れている廃墟になる前の、アンドリュー・ライアンが統治を行っているころの、美しいラプチャーである。

 やはりこのDLCのウリは、最も衝撃の大きかった初代『バイオショック』の舞台に訪れることができるということだろう。その広告はとても良いのだが、ゲームの内容を見るとあまり歓迎しがたい売り方である。
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崩壊する前のラプチャーを見られる絶好の機会である

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もちろん、ラプチャー崩壊の前触れとも言えるリトル・シスターの存在もある

 というのも、本DLCはラプチャーの物語を求めれば失望し、「インフィニット」の物語を求めれば喜ばしい結果となる可能性が高そうなのだ。前述のように、あくまで本DLCは「インフィニット」の続きなのである。

 もっとも、再現されたラプチャーの探索が魅力となっていないわけではない。序盤は華やかな海底都市を歩き回れるし、そこにあるものを眺めたり、人の会話を聞いているだけで楽しめることだろう。

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このころのビッグダディは子守より外部の工事を優先していたようだ

 本編の序盤では空中都市の美しさが描かれていたように、ここでは海中都市の美しさが描かれている。ライティングを生かした建造物やオブジェクト、クラゲやチョウチンアンコウにウミウシが見られる水族館のような窓……。まさしく贅を尽くした海底都市である。

 この景色や会話を楽しんでいると、ブッカーはさておきプレイヤーには懐かしさがこみ上げることだろう。時折拾うボックスフォンなどからも聞いたことのある名前が出てくるし、まるでかつての悪友に再会した気分になる。

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偉大なる芸術家、サンダー・コーエン大先生も登場

 時系列としては、フォンテインがスプライサーたちを使って反逆しようとし、逮捕されたあたりである。そして、アンドリュー・ライアンはプラスミドの技術を奪い取り、これからプラスミドの副作用で人々がイカれたスプライサーになろうとしているころだ。

 ただし、ここはラプチャーではあるのだが、限りなくコロンビアの影響を受けている。決して初代のラプチャーではないのだ。

戦闘や追加要素などはあまり期待しても仕方がない

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今回の敵はスプライサーだが、倒し方は以前のとおり

 たとえば、戦闘のシステムとしても「インフィニット」をそのまま継承している。近接攻撃をしたり、高いところにあるフックを使うための道具はスカイフックならぬ「エアグラバー」だし、プラスミドの内容もビガーそのものだ(新規のビガーがひとつ存在しているが)。

 ボックスフォンを集めてみればわかるのだが、設定としてもラプチャーとコロンビアが混じったものである。ここはあくまで、“ブッカーがなぜか迷い込んでしまったラプチャーという世界”なのだ。

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「インフィニットの銃でスプライサーと戦う」ような戦闘である

 また、初代を意識したであろうホラー的な演出や、戦闘に関してはステルス要素も用意されてはいるが、これは完全におまけである。そもそも戦闘部分に重きを置いていないゲームということもあって、それを重視しても仕方がない。

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サムライをティアで実体化させることも可能

 では何が重要なのかといえば、やはりそれは物語である。なぜブッカーはラプチャーにいるのか? そしてエリザベスは何を求めて彼を導いたのか。そして、探し求めているサリーは……。

すべてはブッカーが罪を償うための物語なのである

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誰もが戦いたがるビッグダディは最後のお楽しみ

 やはり物語の展開も本編と同じく、一番最後に一番強い風が吹く。その真実を知った瞬間、驚きを受け入れると共に腑に落ち、この物語が「インフィニット」の続きであることを知るであろう。

 僕は設定の巧妙さを全面に押し出してきた本編より、その設定を十分に活かして物語を紡いだこのDLCのほうが気に入ったくらいである。ただし、前述のように初代を追い求めていたり、あまりにも違った可能性を想像していると確実に肩透かしになるだろう。やはり、今回の主役もブッカーなのだ。

 『バイオショック』は、奇妙な都市で語られる父と子の物語である。そして、「インフィニット」は贖罪の物語でもあるのだ。よって、その続きである『ベリアル・アット・シー』もまた、親子の物語であり、贖罪の物語でもある。後編となるEpisode 2が今から楽しみで仕方ない。

コメント

この前PC版をスチームで購入しましたが、エピソード1もエピソード2も吹き替え付きでした。
あとから吹き替え出すなら、最初からそうしておけばいいのにね。
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