スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ステルス・アクションには、そもそもステルスを否定する構造的な問題があるのではないか? 『Dishonored』 01

『Dishonored』を遊んだものの身に入らなかったという話

Dishonored_01_01.jpg
『Dishonored』タイトル画面

 先日にGame of the Year版が発売された『Dishonored』に手を出してみた。本作はステルス・アクション(厳密にはステルスFPS)であり、奇妙な仮面を被った主人公コルヴォを操作して、暗殺を繰り広げるゲームである。

Dishonored_01_02.jpg
死にゆく女王の遺言に従い、エミリーを守るために裏切り者を成敗する

 コルヴォは女王の側近だったのだが、彼女は何者かの策略によって暗殺されてしまう。更に、女王の娘であるエミリーがさらわれたうえ、コルヴォは女王殺しの罪まで着せられてしまい、もはや処刑されるのを待つだけになった。しかし、コルヴォは謎の友人の手によって脱走することに成功し、自分を利用した連中に対し復讐を始めるのである。

 ……というような物語であり、作品の評価が高いのは言うまでもない。だが、僕はこのゲームをほとんど楽しめず、むしろ遊んでいても疲れるばかりだ。その原因は自分か作品にあると思っていたのだが、どうもステルス・アクションというジャンルにも問題があるのではと思えるようになってきた。
このエントリーをはてなブックマークに追加


そもそも本作とは、ステルス・アクションとはどんなものか

Dishonored_01_03.jpg
背後からじっくりと近づき、喉笛を掻っ切るのが醍醐味

 さて、本題に入る前に簡単にゲームの説明をしておこう。前述のとおり、本作はステルス・アクションだ。敵から見つからないようにし、目標を暗殺することが目的となる(ただし本作は、できるだけ殺さないプレイも可能となっている)。

Dishonored_01_04.jpg
壁越しにも敵の存在を見られる「ダークビジョン」は優秀すぎる魔法

 また、コルヴォは黒魔術による特殊能力を使うことができ、敵の居場所や視覚を見えるようにしたり、時間を止めたり、離れた場所にワープする魔法を使うことなどができる。ただ隠れて行くだけでは難しいが、これでうまくステルスをこなせということになるわけだ。

 これでおおまかな説明は終わったが、気にかかるのはステルス・アクションの基礎についてである。この手のゲームというのはたいてい、
  • 特定のステージがあり、ある目的を達する必要がある。
  • しかし、いくつかの箇所に敵兵がいたり罠があるので、それを避けなければならない。
  • もっとも、プレイヤーは最初に障害の位置を知らないので、手持ちの装備などをうまく使う必要がある。
 という流れになると思われる。実際にはもっと複雑なルール(『Dishonored』では魔法など)が追加されるのだが、基本はこういう形であることが多い。

 よって、場所の特性や敵の動きを探りつつ、見つからずに解決する方法を探すという、パズルに近い要素もあるのがステルス・アクションなのである。(あるいはそうでなくとも、ここではそういうことにしておく。)

ステルス・アクションは前提知識を隠し過ぎではないのか

Dishonored_01_05.jpg
ネズミや人間に乗り移って移動する魔法も存在している

 いったいこれの何が問題なのかというと、パズルとして見ると前提条件があまりにも難解すぎるということだ。当たり前だが、どこの場所もたいてい初めて行く場所だし、敵兵の配置や動きは知るわけがないし、本作は誰が敵なのかもよくわからないケースもある。まるで、全体の絵柄やピースの形がわからないジクソーパズルをやるようなものだ。

 当然ながらアクションの要素も重要で、プレイヤーがうまく操作したり装備を活用すれば切り抜けることは可能になっている。ただし、それだけでステルス(隠れたまま目的を遂行すること)がすべてうまく行くわけでもない。

 やはりステルス・アクションは前提知識が非常に重要で、丹念な下調べや周回プレイが前提になっている側面がある。本作も何度もプレイできる作りになっており、ターゲットを殺すか否か選べるといった要素などが存在するのだ。

Dishonored_01_06.jpg
暗殺対象の殺し方もいくつかあり、もちろん遠距離から狙ってもOK

 まァ、そういう知識を溜めてから本番なのは良いのだが、では最初のプレイはなんなのか? これを解決するには、あえて失敗を前提として調査するようなプレイを何度かしなければならないわけで、そこがつまらないのである。

 失敗を前提にしてプレイをしていると、プレイ時間が無意味に長くなるだけではなく、見つかる回数が増えるので隠れているという緊張感がなくなるし、下手をすれば何度も同じことを繰り返すハメになる。更に、発見されたあとの展開にも問題が含まれているのが痛い。

Dishonored_01_07.jpg
じっくりと敵の動きを観察するのが重要となる

 ステルス・アクションは、敵から発見された時のペナルティとして、敵がたくさんこちらに向かってくることが多い。これは“プレイヤーが発見されたので不利になる”というルールなわけだが、ゲームの根本を破壊している要素でもあるように思う。

 何が言いたいのかというと、敵に見つかった場合、相手を殲滅させるかリセットするかの二択になりやすいのが問題だと言いたいのだ。正面から敵をガンガン倒せば隠密任務でもなんでもなくなるし、逆にステルスを遂行しようとリセットすると、同じことを繰り返すことになりやすいし、少しずつセーブして地道に進むと強引に進んでいる印象がついてしまう。なので、やはり発見されるのは最低限に抑えることが前提だ。

 従って、ステルスを成功させるには、前提知識をつける必要があり、しかし前提知識をつけるには失敗を含んだ下調べをする必要がある。つまり、ステルス・アクションなのにステルスをしない過程を踏まねばならない。この構造こそ、最初からステルスして遊ぼうと考えるプレイヤーに対し、大きな齟齬を産んで不快になるのではないか? 少なくとも、本作に関してはそう痛感する。

とりあえず、こんな話を書くくらいにはゲームに集中できてないということだ

Dishonored_01_07.jpg
見ているだけで気分が悪くなりそうな顔をしているエミリー王女

 もっとも、ステルス・アクション自体が欠陥だらけだと言うつもりはない。恐ろしいほど慎重な人は一周目からステルスを楽しめるだろうし、あるいは単純に見つかることを心から驚ける人は、発見されてもドキドキできるだろう。ただし、構造的な問題を抱えているのではないかということだ。

 僕は発見されて敵を殲滅するか、しつこいほどのセーブ&ロードでなんとか見つからずに進むというプレイになってしまい、本作を楽しむどころではなく、やっていてもただただ疲れるのだ。本当は一周クリアしてから何か書くつもりだったのだが、あまりにもこの問題が気になって、ゲームが中盤でも書かずにはいられなかった。

 とはいえ、二周目から本番だというのは前述のとおり。今はつらいが、いずれ楽しくなるかもしれない……。

コメント

逃げれば大丈夫?

一周目を、ほとんど殺さずにクリアしたのですが、
発見された場合、魔法を使って逃げていました。
逃げ切れなかった場合は殺されてからロードです。

フォールアウトとかTESシリーズでも、
スニーキングを多用する臆病なプレイヤーには、
すごく面白いゲームでした。

ポゼッションで乗り移っても見失ってもらえるとかもありますね。ただあれ、ちょっと卑怯で興ざめしてしまいます。

僕も『Fallout 3』や『Skyrim』なんかでは必ずスニーク・シーフを遊ぶんですけどねえ。敵に発見されても大して驚かないというところが問題なのかもしれません。

Thiefとは違って主人公が過剰な強さを持っていること自体がこのゲームの構造的な欠陥な気はしないでもないです
Fallout3やSkyrimだと成長途中であればスニーク以外は頼りなく、暗殺以外の手段もある
Thiefであれば闇夜の中であれば圧倒的な優位の中で観察が可能になる

ディスオナードは正面戦闘のための戦闘力がありすぎるんですよね
一種のカジュアル化ではあるんですけれども、影の中であれば圧倒的な優位をとれるThiefと比べるとどうもクールではない

ダークヴィジョンと望遠を丁寧に使って進めば大丈夫なのに「構造的欠陥」とかそれ下手なだけじゃ・・・
非公開コメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。