8才の少女がスマホで棒立ちのデーモンを記念撮影するホラー・ゲーム 『Vital Force』

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主役はなんと幼すぎる少女で、武器はスマートフォンのカメラだ!

 恐怖と一口に言ってもさまざまで、日本の古典的ホラーと言われる『番町皿屋敷』などは、現代の人が聞いても同情するような話になってしまうだろう。よって、共通項はあれども、文化の差によって恐怖の対象には差が出るのだ。

 既に全体像が見えてしまった気もするが、さておき今回紹介するのは、Xbox360インディーズゲームで2014年2月7日に配信された『Vital Force』という少女が主役のホラー・ゲームである。開発はmancebo gamesで、価格は100円だ。

 Xbox360インディーズゲームでは『White Noise Online』のようなホラー・ゲームが好まれている背景があり、本作もそれに似た方向性で制作されたと思われる。

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明かりとしても恐怖への対抗策としても、スマートフォンが重要となる
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スマートフォンで霊を退治していく現代っ子ジェシカ


 プレイヤーは、スマートフォンを持った8才の少女であるジェシカを操作し、恐怖と冷たさに満ちた謎の施設を脱出していくことになる。道中には霊やバケモノが出てくるのだが、連中はカメラに弱いため、スマートフォンの撮影機能を駆使して先へと進んでいくことになる。

 カメラでバケモノを撮影して倒すというと『零』シリーズを思い浮かべる人もいるだろうが、それを一切忘れるか、あるいは、思い切りそういうものを想像してくれれると本作の楽しみが増すと思われる。

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はじめに出てくるバケモノは人の霊に近いものが多い

 さて、ゲームの展開は単純で、スマートフォンのバッテリーとメディキット(体力回復)を拾いつつマップを探索していくだけだ。操作体系はFPS(一人称視点シューティング)に準じているあたりも、文化の違いを感じるかもしれない。

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謎の施設を探検していくのだが、本当にどんな場所なのかは謎である

 そして、本作の恐怖はビックリ系と呼ぶべきもので作られている。要は“いきなりバケモノが登場し、大きな音も鳴ってプレイヤーを驚かせる”という性質の怖さであり、そこらにびっくり箱が仕掛けられているようなものだ。

ラスボスはデーモン

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カメラで魔法陣を確認しつつジャンプで渡るという謎の場面

 こういった基本システムや序盤まではホラーとして特に問題がないものの、中盤あたりから雰囲気があやしくなってくる。たとえば、コンクリート作りの施設だったのにいきなりマグマが出てくるうえ、そこをうまくジャンプで超えていかねばならなかったり、スマホがある現代の設定なのになぜか魔法のルーン文字が登場したり、今までの敵は霊だったのに巨大サソリや巨大クモといった種類の違うものが敵として登場するようになるのだ。

 スマホのバッテリーがやたらと置いてある場所というだけでも疑問が浮かぶのに、敵は霊から生物になりしかもカメラで撮影すると死んでしまうし、もはや何が何やら。そうしてプレイヤーが混乱し始めると、トドメとしてラスボスの悪魔が登場する。

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雑魚よりも圧倒的に優しそうな顔をしているデーモンさん

 この悪魔とは比喩でもなんでもなく、デーモンである。ヤツは棒立ちでジェシカに襲いかかってくるため、それを撮影してあげて戦うというのだから、もはやファックと言うどころか笑ってしまう。

 はじめこそ不気味な雰囲気があったものの、皮を剥いでみれば単なるファンタジーすぎるうえ、おまけに最大の敵は間抜けなデーモンである。こうなると、少女である設定が無意味であることや、ロード画面やタイトル画面が無骨なこと、結局最後まで話はないようなものなところまで悪い意味でしか捉えられないだろう。

 もっとも、本作はXbox360インディーズゲームという枠であれば、それなりの評価を受けそうである。なぜなら、とりあえず驚かすところはできており、とにかく安いからだ。それに、8才くらいのプレイヤーが遊べばかなりの恐怖となりえるだろう。たとえ最後がデーモンとの記念撮影だとしても……。


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Vital Force ¥100 Xbox.com詳細ページ
デベロッパー:mancebo ジャンル:アクション & アドベンチャー 2014/02/07

 8才の少女であるジェシカがスマートフォンを手に、謎の施設を探索するホラー・ゲーム。
 しかし、その実はファンタジーであり、最後はデーモンの撮影をするハメになる。
 とはいえ、極めて安価なビックリ系ホラーとしてならば評価されるかも。

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