鉱山の謎より、金や装備が充実することに喜びを見出す穴掘りアクション 『スチームワールド ディグ』

とにかく穴を掘って鉱石を持ち帰りまくるゲームである

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 ニンテンドー3DSの『スチームワールド ディグ』を遊んだのだが、終えたあとに出た感想は「必要な量さえあれば十分と理解したのは、いつからだっただろうか?」ということであった。

 さて、本作は2013年11月20日に発売されたDLソフトで、スチーム・ロボの「ラスティ」が謎の地下鉱山を掘りまくるスチーム・パンクな穴掘りアクション・アドベンチャーだ。開発はスウェーデンのImage & Formで、販売はインターグローが担当している。

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 親戚のジョーおじさんから鉱山の権利書を受け取ったラスティは、なぜ彼が自分にそれを託したのかを探るため、この地下鉱山をツルハシで掘り進むことになる。道などあるわけがないので、たまに出る敵を退けつつ、自分で掘って通路を作らねばならないのだ。

 ただし、掘る行為は苦痛ではないどころか、ダイヤや黒曜石などの鉱石を掘り出せる楽しみですらある。つまり、自分の行く道を作りつつも、ゴールド・ラッシュの醍醐味を味わっていけるのだ。なお、考えなしに掘っていると戻れなくもなるが、救済措置も多いので安心して掘り進めるといいだろう。

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 そして、地上にある町タンブルトンでは隣人たちが探索を手助けしてくれる。ラスティの代わりに鉱石を売ってくれるスチーム・ロボもいれば、探索に便利な道具を売ってくれるスチーム・ロボもおり、ラスティが鉱石を持ち込めば持ち込むほど、町も発展していくのだ。

 このようにゲームの基本は単純で、「掘ってお宝を得て地上に戻る」行為を繰り返すスチーム・パンクでゴールド・ラッシュな穴掘りゲームなのだ。
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どうも本作の主題は、数字の蓄積だとか貯蓄を楽しむことにありそうだ

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 また、探索を続けていると道中に扉が見つかることもあり、そこでは珍しい鉱石や新たなアイテムを入手することができる。名前のとおり早く走れる「ダッシュブーツ」から、岩までも砕けるようになる「ドリル」など、これらを手に入れることによって、より深い階層に潜れるようになるのだ。

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 なお、そういった重要アイテムのある小部屋はアクション・ステージとなっており、簡単な仕掛けを解いてパワーアップを目指していくことになる。つまり本作は、
  1. 自由な穴掘り探索による資金の獲得
  2. 小部屋を探して装備を強化
  3. 更に深い場所へと潜っていく
 というような流れになっており、アクションとアドベンチャーを両立している作品といえるだろう。

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 こう見ると2Dアクション・アドベンチャーにも見えるが、本作における最大の楽しみというのは、ちまちまと数値や装備を集めていくことにあるはずだ。鉱石を手に入れて町に戻ると、累計でいくら金が溜まったかわかる。そして、それで更に良い装備を手に入れ、また鉱石を求めて潜る……という、要はトレジャー・ハントの占める割合のほうが大きい。

 Xbox360のインディーズゲームでも『Miner Dig Deep』という作品があるように、穴を掘って物を集めて楽しむ作品類が存在する。あるいは、現実で金やポイントを溜めていくような行為、RPGで無意味にちまちまレベルを上げるような行為とでもいうべき、穴掘り貯蓄ゲームの延長線上にある作品なのだ。

数を増やす楽しみと、アクション・アドベンチャーの二律背反か?


 ちなみに、本作を探索アクションという意味で『メトロイド』などに例える人もいるようだが、あれは仕掛けを解いて先へ進むことが目的なので、似ているようで違うだろう。こちらは鉱石や装備を集めるのが主題で、そこに軽いアクション・アドベンチャー(明確な目的達成)要素を付け足している形なのだ。なお、物語の部分もそれと同じく、あってないようなものである。

 そして本作、かなりカジュアルな調整をしているため、さっさと進むとかなり問題なく終わってしまう。僕はほぼ真下に掘って近くにある鉱石を拾うだけのプレイになったが、これはとにかく面白くない。なぜそうしたかといえば、ゲームの提示する目的が「最下層に辿り着け」だったからだが、前述のようにそれはあまり正しくない。こうなったのには、穴掘り貯蓄とアクション・アドベンチャーを掛けあわせ、問題が発生したからだと思われる。

 通常のアクションやアドベンチャーの目標は「最終的な目的を達成する」ことになりやすいが、数値を稼ぐゲームは「ひたすらに金やモノを集める」のが目的である。この作品では前者を推されているように見えるが、作品の構造としては後者の比重が大きいため、方向性に矛盾を孕んでいるのだ。これは曖昧な目的を明確にしたとも言えるが、どっちつかずでもあり、物足りなさを生む要因にもなっている。

 かなり昔の僕であれば、RPGではぐれメタルを潰してレベル上げをする行為も、余計にアイテムを収集することも楽しめていた。よって、この『スチームワールド ディグ』もダラダラ横に掘って楽しめたはずである。……だが、余計に稼ぐことが虚しくなったのは、いつからだっただろうか? この作品を遊ぶと、そんなことばかり考えてしまうのだ。

コメント

私は実績をあまり気にしない方ですが

では、このゲームに実績があった場合、SSDMさんの評価は上がっていたか、下がっていたか…

実績が気になってしまう方には、実績も「ゲームバランス」の一つになっているのかも知れませんねー。

Steam版は実績があるみたいですが、僕のゲームプレイに影響を与えそうな要素はこれといってなさそうですね。
まァ、そもそもXbox360以外の実績ややり込みは興味ないですからねー。PCでやっても即効で掘って終わって同じようなことを言っていたと思われます。
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