無料になった『電波人間のRPG FREE!』は楽しいような面倒くさいような、そのハザマのゲームである

珍しく基本プレイ無料ものに手を出す

 “基本プレイ無料”のゲームを蛇蝎の如く嫌う人もいるが、その気持ちはわかるようなわからないような。窓口を広げて資金を得ることは間違いなく大事だが、興ざめすることがあるのも事実である。

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『電波人間のRPG FREE!』タイトル画面

 さて、ニンテンドー3DSの『電波人間のRPG FREE!』をはじめてみた。本作は2014年7月23日に配信された基本プレイ無料のRPGだ。『電波人間のRPG』シリーズ第四作で、開発はジニアス・ソノリティである。

 特に本シリーズはこれまで買い切り型だったこともあり、否定的な意見をよく目にする。しかし僕のような今まで興味を持たなかったプレイヤーも遊ぶようになったわけで、一概にも悪いと言えないのではないか。興味の対象が増えることは、ゲームプレイヤーにとっても喜ばしい話である。

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はじめのボスがケーキだったりと、かなりほんわかした雰囲気である

 ……というような趣旨で記事にしようと思っていたのだが、やはり基本プレイ無料が嬉しいような嬉しくないような気分になるのであった。
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基本プレイ無料を念頭に置いたシステム

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シンボルエンカウントで、フィールドは小分けされており小さめ

 本作は、あたりに漂うが目には見えない“電波人間”をニンテンドー3DSで捕まえ、一緒に冒険の旅に出るというゲームである。ジャンルとしてはコマンド選択式RPGで、要は『ドラゴンクエスト』的であると言うのが早いだろう。

 ただし基本プレイ無料のため、スタミナ制になっている。今回はミッションを選んで冒険に出るのだがその際にはスタミナを消費するので、課金アイテム「ジュエル」を使わないとプレイできる時間に制限が発生するのだ。

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住人との会話もあっさりだが、ジョークは割と多め

 また、ジュエルはスタミナを回復できるだけでなく、特別なアイテムを購入したり、ゲームオーバー時にコンティニューするためのアイテムとしても使える。

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成長には限界があるので、それを伸ばしまくるのが醍醐味のひとつ

 制限といえば、キャラクターの成長にも限度があり、特定のレベルに達するとそれ以上は育たなくなる。そのため、出生(ふたりの電波人間をかけあわせて新たな電波人間を作る)や転生(愛情度をあげて次世代に成長させる)を行う必要があるわけだ。どちらかという本作は冒険の物語や戦闘を楽しむというより、この成長させたり装備を整える楽しみのほうが大きい。

 これらのシステムのため、遊んでいると息苦しく感じ通常のプレイに制限がかかっているような印象も受けるだろう。しかし、必ずしもこれが問題ではないのだ。たとえば、『とびだせ どうぶつの森』も一日で遊べる時間は制限されているが、それは「一日に少しずつ遊ぶシステムによって、ゲームの魅力がより引き出される」という考えがあるからだ。本作にも似たようなものがあればいいのである。

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栽培要素はリアルタイム連動性

 それを意識してか、本作は自分の拠点となる島で花・植物の栽培を楽しむことができる。こういった植物は一気に咲くことが現実的ではないし、のんびりと育てながら移り変わりを楽しむものだ。

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家の中には電波人間をひとり住まわせることができる

 ほかにも家を配置したり、その屋内を好きに飾ることができる。それらインテリアやエクステリアは日替わりで購入できるのだが、これも毎日少しずつ遊ぶというシステムに合致している。

 これらの設置するオブジェクトは全種類が一気に出されると迷うため、少しずつ入れ替えたほうが適切だ。そして、植物を育てるのは時間がかかるのがむしろ当然で、待つのを楽しむところすらある。

ある意味ではカジュアルなゲームとして適している……のか?

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ダンジョンの内容も極端に複雑ではないが、隠しは多い

 では、『電波人間のRPG FREE!』で用意された足かせをプレイヤーは喜ぶか? という話になるのだが、これはかなり微妙なところである。

 まず、島や家を徐々に飾り立てるというのはなんら問題がない。しかし、アイテムを集めたり、電波人間をコツコツ育てる部分は難しい。単純になりがちな作業を分断することで長く続けられはするだろうが、しかし単に待ち時間が増えただけといえるし、制限があるとレベル上げや金稼ぎの作業が更にたいへんになるのだ。特に序盤はかなりつらい。

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日替わりミッションがプレイをかなり楽にする

 しかし、それらに救いの手は用意されている。毎日チェックイン(ログイン)するとボーナスがもらえるうえ、曜日ごとに特別なミッションに挑戦できる。そこでは不足しがちなアイテムや金、経験値などが手に入りやすくなっているのだ。

 また、メイン・ミッションにひとつはスタミナ最大値UPアイテムが置いてあり、隠し場所を見つけると更にスタミナ最大値UPアイテムを入手できる。繰り返し同じミッションを遊び、徐々にレベルを上げつつ行動範囲を広げていくという、あまり課金しない人向けの救済もなくはない。

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狩られまくるあわれな歯

 ……と褒めきりたいところなのだが、そういった話を知らない序盤はかなりつらい。レベルが上がらないし、全滅すれば得たアイテムはなくなるし、とにかく軌道に乗るまでが苦しいのだ。なぜそうもプレイヤーを苦しめようとしているのかといえば、それは課金してもらわねば困るからなのだろう。

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メイン・ミッション後のエンドコンテンツは強敵出現が該当するようだ

 無論、その課金をさせたい姿勢はコアなプレイヤーに対しても同じである。メインとなるミッションを9つクリアしたあとは、強化ボスと戦うステージがどんどん解禁されていくようだが、無課金では次第に鍛えるのがしんどくなっていきそうだ。まァ、これに関しては好きな人が金をつぎ込むのだから問題はあるまい。

 このように、はっきり言って良い面も悪い面もあって判断に困るのである。島カスタマイズはともかく、RPGとしてはただ単に制限をかけただけとも言える。僕個人としては、無料でそこそこ楽しんではいるが、しかし面倒臭さを感じることもあるので盛り上がりもなく近いうちに飽きるだろう……という歯切れの悪い感じだ。こういうのが暇つぶしに遊ぶゲームなのかもしれない。

 しかし、とりあえず僕はこう思う。「基本プレイ無料のシステムを土台とするならば、しっかりとそのシステムに沿ったゲーム内容にして欲しい」と。そうでなければ素直に、そして激しく楽しめないのだ。まァ、そんな作品にする気は毛頭ないのかもしれないが。基本プレイ無料だろうが買い切りだろうが、楽しすぎて金を払いたくなる作品をやりたいのだ。

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