ピッチャー返しで悪人を倒し、血を舐めてゲロを吐き、しかし失った妻を取り戻そうとするシリアスな物語 『D4』

とにかく“D”と“4”がよく出るゲームだ

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『D4: Dark Dreams Don’t Die』タイトル画面

 Xbox One用ゲームソフト『D4: Dark Dreams Don’t Die』(以下、『D4』)を遊んだ。本作は“メメント”を使い過去へ行くことのできる私立探偵が主役のミステリー・アドベンチャーである。なお、シーズン形式での販売になっており、シーズン1となる本作ではエピソード2まで遊ぶことができる。

 開発はアクセスゲームス(ACCESS GAMES)で、Xbox 360 / PS3の『レッド シーズ プロファイル』を手がけたSWERY(末弘秀孝)氏がディレクターを務めている。『レッド シーズ プロファイル』も癖のあるゲームとして人気があったが、本作はKinect操作を全面に押し出しているアドベンチャーとして評価が高いらしいので、遊んでみた。

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主人公「デイビッド・ヤング」

 してどうだったかといえば、ミステリー・アドベンチャーだと思っていたら悪人をピッチャー返しで倒したり、変態デザイナーのブーメラン・パンツを漁ったり、閉まるシャッターに飛び込むポーズを取るのが面白かったというのだからよくわからなくなるだろう。
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おおまかな物語&探索シーン

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幻覚として現れる亡き妻「リトル・ペギー」

 さて、本作の主人公は元刑事で私立探偵の「デイビッド・ヤング」である。彼は以前に事件に巻き込まれており、その際に妻である「リトル・ペギー」を失っている。そして、彼女は死に際に「“D”を探して…(LOOK FOR D)」という意味深長な言葉を残しており、ヤングはそれ以降ずっと“D”を追い続けているのであった。

 ヤングは事件の記憶などを失ってしまっているのだが、遺留品“メメント”を使い過去へ飛ぶというとんでもない能力を持っている。そのため、相棒の刑事であるフォレスト・ケイスンの力を借り、関連のありそうなメメントを使い“D”を探す捜査を続けているわけだ。

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探索(捜査)パート

 『D4』はKinect操作がよく話題にのぼるのだが、探索シーンはいわゆるポイント・クリック・アドベンチャーと同じである。いくつか調べられる箇所があるので、それをチェックしてアイテムを手に入れたりフラグを立てるわけだ。ちなみにコントローラーでの操作にも対応しており、はっきりいって探索する時はそちらのほうが良いと感じられた。

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何かをするたびに手の動きを真似する必要がある

 特徴があるとすれば、何かを手にした際はジェスチャーで実行(本を開いたり、ドアノブをひねったり)することだろうか。ただしこの操作、Kinectだとやや違和感を覚えた。

 没入感を高めるためにこの操作を入れているようだが、何をするにも「モニターに向かって手を横(あるいは上下)に動かす」という不自然極まりない動きをしなければならない。一方コントローラーであれば、ボタンを押したらスティックを倒し続ければいいわけで、場合によってはこちらのほうが劇中の動作に似ていたりもする。

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居候であるアマンダはショップを開いてくれる

 ちなみに、探索をする際には行動力が必要となっており、それが尽きると捜査が強制終了になってしまうようだ。また、何にアクションが起こせるかわかる「ビジョン」も洞察力が必要になっている。

 ……のだが、このあたりのシステムはほぼ無意味になっている。今回は手に入るクレジットで回復アイテムがたくさん買えるので、この制限はわざわざショップで回復しなければならない足かせだけのような。よって、探索シーンはもう少し調整が欲しいか。

最大の魅力であるスタントシーン

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Kinectによるスタントシーンこそ本作の魅力だ

 そして、探索が佳境に差し掛かると「スタントシーン」が発生する。これはいわゆるQTE(クイック・タイム・イベント)で、画面に表示された行動をする(コントローラーの場合は指定されたボタンを押す)わけである。

 このスタントシーンは、むしろKinectでなければ魅力が激減すると言ってもいいだろう。大捕り物で相手をパンチしたり、障害物を避けるために手で押しのけたり、前述のようにボールを打ち返すシーンなど、ボタンを押すより実際にジェスチャーで行ったほうが没入できるに決まっているではないか!

 よって、このシーンだけKinectで遊びそれ以外はコントローラー操作で遊ぶことを推奨したいのだが、本作はどちらかへの切り替えしかできず、しかもいつスタントシーンが発生するかよくわからないので困る。次はハイブリット操作に対応して欲しい。

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食べているものはネズミ

 『D4』の何が新機軸かといえば、このスタントシーンだろう。何しろ口に飛んできたネズミを避けるというようなシーンが、それも実際に体を動かしてやるシステムがミステリー・アドベンチャーにあるというのだから、風変わりである。

はたして物語はどう転ぶのか?

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イカれたファッション・デザイナーであるダンカンとマネキン

 変わっているのはスタントシーンだけでなく、登場キャラクターや物語もそうである。シーズン1では名前に“D”のつく容疑者が何名も出てくるのだが、どいつもこいつもイカれている。精神疾患を抱えていそうな“D”もいれば、変態スレスレのファッションをしている“D”もおり、一度見たら忘れないだろう。

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豪快すぎる食事を披露してくれるケイスン

 また、場違いにも思えるミニゲームや笑いどころがたくさんあるのも特徴か。ヤングは常にペギーのことを思い返す傷心の二枚目にも見えるのだが、切ったホットドッグでブロッコリー・サッカーをしたり、うっかり血を舐めてゲロを吐くという三枚目の性格も兼ね揃えている。

 失った妻を追い求め過去にすら行く男が、笑えることをする。これをなんと呼べばいいのかわからないが、不思議なことにこのギャップによる違和感はあまりないのだ。

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ホクロなどがリトル・ペギーにやたらと似ているオリビア・ジョーンズ

 やはり物語自体はシリアスなのだが、展開はほぼ予測不可能であるし、推理もするだけ無駄だろう。伏線はあるものの、その繋ぎ方がなかなかぶっ飛んでいる。それこそ、悲劇のヒーローとおちゃらけた三枚目を繋ぐヤングのように。

 『D4』はまだシーズン1なので、物語も序盤である。とりあえず掴みはそこそこ良いのだが、面白いかどうかを考える間もなく終わってしまったという印象だ。しかしこういう分割での販売には良い印象がないのだが、きちんと最後まで楽しませてくれるのだろうかと不安で仕方がない。

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