ウソの体験を真実と思い込めそうなほど臨場感があるらしい『Use of Force』に興味津々

ゲームと現実の間には大きな隔たりがある

 ゲームの中で大火災が起こっているシーンは何度か見たことがある。しかし、自宅で小火を見た時の緊張にすらかなわない。たとえば、『バイオショック インフィニット』のDLCでは拷問されることになるが、映画『シティ・オブ・ゴッド』のほうがおぞましかった。そしておそらく、ゲームの人殺しや事故も現実とは大きな差があるのだろう。

 無論、ゲームはあえて恐ろしい表現を避けている可能性もあるし、そもそも現実を完全に再現する必要がないのかもしれない。僕が家庭用機ばかり遊んでいるから、表現がぬるいこともあろう。そして、ゲームのルール上で生み出される興奮が存在しており、それはそれで魅力だ。また、安全圏から危険な追体験ができるのも、ゲームにおける重要な価値のひとつである。

 ファミ通.comの記事で、『Use of Force』というインディーゲームを紹介する記事があった。とても興味がそそられる作品である。

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○ 目の前で男が殴られ続けている。できるのは告発ビデオを撮ることだけ――暴行死事件をVRで“目撃”する問題作『Use of Force』【Indiecade 2014】 - ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201410/11063432.html

 このゲームは、カルフォルニア州で起こった実際の事件を題材にした作品である。2010年5月に、国境警備隊が無抵抗のアナスタシオ・ヘルナンデス=ロハス氏を暴行し殺しており、現場に居合わせていた人がその様子を携帯電話で撮影していたのだという。その傍観者の役割を、ヘッドマウントディスプレイで追体験するのがこのゲームなわけだ。

 ゲーム内の死というものは安くなりがちだが、本作ではそれがとても恐ろしく見えるらしい。この記事では「もし作為的に誇張されたり、まったくの嘘の体験を作られたらと考えると、恐ろしくもある」と書かれているほど、つまり虚構であったとしても現実と錯覚しかねないほどの没入感があるということなのだろう。

 ゲームと現実の隔たりがあっさり埋まるものであるならば、ぜひ味わってみたいものだ。
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