『サンセットオーバードライブ』でミュータントを殺しまくるのは最高だぜ! この夢から冷めなければな

メインストーリーをクリアした雑感

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Insomniac Games開発『サンセットオーバードライブ』起動画面

 『サンセットオーバードライブ』のミッション(メインストーリー)を終え、ひとまずクリアした。クエストやミッションがまだまだ残っているが、ひとまず話をせねば気が収まらない。

 さて、本作はアクションとしてはかなり見所のある作品だが、オープンワールドとしては物足りないというのがクリアしての心境である。面白いことは間違いないし、文句を言いたいわけでもないが、鼻息を荒くしながら夢中で遊んだというほどでもなかったか。

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遊園地ではファンタジーな攻防戦(?)が楽しめる

 確かに「あの気持ち悪いミュータント(それも元人間!)をぶっ殺してやるぜ!」という意気込みで始め、殺しまくるのは楽しめたものの、殺すというよりはゲーム的な理屈で処理している気がしてならないのだ。
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とにかく大暴れするアクション

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人類どもがミュータント「OD'd」と化す最高のはじまり

 『サンセットオーバードライブ』の物語は、超巨大企業であるフィジコ社が新たなエナジードリンクを配布したことから始まる。はじめこそドリンク配布イベントは盛り上がり、今回も大成功を収める……と思いきや、なんとドリンクを飲んだ人々がミュータントに変貌したではないか。

 うだつのあがらない掃除屋であった“プレイヤー”は、これを機にアポカリプスを暴れまわるヒーローとなったのだ。……というような導入である。

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街中のあらゆる箇所を滑ることができる

 こうしてミュータント「OD'd」が溢れてしまったオープンワールド「サンセットシティ」を舞台に、さまざまなクエストをこなしていくアクション・シューティングがこのゲームなのだ。

 大きな特徴としては、主人公の身体能力が半端ないことだろうか。線路や電線などラインがあればそこを滑って移動することができるし、少しでも跳ねそうなものがあれば大ジャンプが可能で、当然ながら壁を走ることだってできる! ふざけきった身体能力だが、そういうふざけたゲームなのだからおかしくはないのだ。

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飛び出るミュータント

 武器もナイスなものが多数登場し、爆発するテディベアという定番どころや、かわいいロボット犬をけしかけて敵を爆散させるもの、そして最強の剣など豊富に用意されている。

 また、武器に特殊効果を付与する「アンプ」や身体能力などを高める「オーバードライブ」といったシステムもあり、収集品やエナジードリンクを集めて能力を鍛え、更に暴れまわっていくのだ。

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マルチプレイの夜警はとにかく豪快すぎるのなんの

 また、いくつかのミニゲームや防衛戦「夜警」を楽しめる8人までのマルチプレイも用意されている。「夜警」はクエストとしても存在しているが、この人数で遊ぶと敵も味方も多くてとにかくカオスだ。

 とはいえ、マルチプレイはあくまでおまけに近いか。ゲーム内の資金を稼ぐことには向いているものの、あくまで補助的な要素であり、触れないままゲームを終えてしまってもおかしくはない。

 なお、物語も似たようなもので、たいへんにどうでもいいだろう。要は「このアポカリプスから逃げて、悪のフィジコ社をなんとかしよう!」というだけで、それ以上でも以下でもない。合間合間に挟まれているたくさんのジョークのほうが、むしろ主題だ。

世界に入り込む要素はあまりないかも

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オタク系代表で立ち位置は悪いが活躍する「サム」

 そう、このゲームはあくまで暴れるアクションがウリなので、物語にはそこまで注力していない。無論、それ自体はなんら悪いことではないのだが、どうにもこの世界にのめり込めない理由のひとつではありそうだ。

 というのも、オープンワールドでやることはだいたい“お使い”だろう。広い世界で誰かに指令を受け、何かを運ぶだとか一定数の敵の退治を行う。それ自体はシンプルなゲームシステムで、単純に言われたことを聞く“お使い”であり、つまらないと言われかねないものなのだ。

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ストーリー中にもミニゲーム的なものが用意されている

 では、それにも関わらず楽しく感じられる場合があるのは、たとえ単純作業であっても行為がその世界にとって大きな意味を持つからである。このゲームで言えば、フィジコ社が悪ければ悪いほどプレイヤーは感情移入して倒してやろうと思えるようになり、ミッションがより楽しくなるのだ。

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唯一の明確な悪役と言えるマスコット「フィジー」

 しかし、前述のように物語はあってないようなもので、登場キャラクターも印象には残るがジョークのためにいる存在がほとんど。よって、アクションは良くとも戦うことに意味が持てず、お使い感とでも言うべきものがそのままなのだ。

 とはいえ、それくらいならばアクションや冗談が楽しければすべてが吹き飛ぶわけだが、ひとつジョークに問題がある。

メタ的としか言いようのないジョーク

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カットシーンなのに武器チェンジ画面が出るジョーク

 実は本作、いわゆるメタ的な冗談が多いのである。つまり、作中の“プレイヤー”がゲームの外の世界(現実世界 ≒ われわれの見ているゲーム世界)について言及する事が多く、ゲーム再開時はカメラを殴るし、名前を聞かれれば「マルチなら頭の上に見えるはず」などと言うのだ。

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画面上のゲージを取り出して攻撃するシーン

 確かに笑えるジョークだし、そもそもそれはなんら悪くはない。ただ、こういったメタ的なジョークとオープンワールドの相性が悪い気がしてならないのだ。

 前述のように、オープンワールドでは世界にのめり込むことが楽しむひとつの方法である。しかし『サンセットオーバードライブ』は、そもそも操作するキャラクターが“プレイヤー”という名前であってこの世界の人物ではないし、入り込めるような物語はなく、ジョークの多くはゲームの外を意識させるものだ。これでは世界に入り込むことができず、遊んでいる状況が冷めて見えてしまう。

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メタクソすぎる最後の展開

 アクションに振り切るという部分は良いにしても、サンセットシティがゲームの話だと意識させすぎる姿勢は褒めづらい。なぜなら、プレイヤーは外の世界から『サンセットオーバードライブ』を楽しもうとしているのではなく、それこそサンセットシティの住人になって遊ぼうとしているのだから。そうでなければ、命も軽いし勝利も安くなる。

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街は大きく分けて3つになっており、特色は出ている

 多数の武器を使いミュータントをぶち殺し、あらゆる場所を走り回り、ジョークで笑い飛ばすのは間違いなく楽しい。類似したゲームはあるだろうが、さまざまなアイデアをまとめ、ここまで激しい内容にしたゲームは珍しかろう。

 ただ、その世界があからさまにウソだと何度も感じさせられると、ふざけている自分に少し冷めてしまう気がするのだ。

コメント

具体的に鼻息荒くしながら楽しめたタイトル近年あったのかな?
このライターさんは
ゲームの問題以外じゃないの?
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