『進め!キノピオ隊長』は、アクションとパズルと箱庭を融合させた“箱庭アドベンチャー”である

とにかく“箱庭アドベンチャー”のシステムが見事

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限られた箱庭世界がひとつのステージとなる

 Wii U用ゲームソフト『進め!キノピオ隊長』をクリアした。そこそこ楽しめたのも嬉しいが、このゲームは箱庭世界を巡るゲーム・システムが特によくできていると感心させられた。

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『進め!キノピオ隊長』タイトル画面

 前回の記事にも書いたが、本作は「キノピオ隊長」を操作してゴール(パワースター)を目指すゲームである。ジャンルとしては、敵を避け謎を解いて道を切り開くアクション・パズルに近いが、公式サイトなどに“箱庭アドベンチャー”と表記されている意味も理解できる。

 というのも、アクション・パズルとしてはだいぶ低難易度なのだ。無論、後半になれば少し手強い場面も出てくるが、それにしても割と容易である。なぜ簡単なのかというと、ゲームが提示してくれる情報が非常に多いうえに、あまり急かさないからだ。
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遊びやすく、しかしそれがデメリットになっていないゲーム・システム

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くるりとカメラを回転させて、さまざまな場所を探索しつつゴールを目指す

 『進め!キノピオ隊長』では、ステージが箱庭になっている。そして、右スティックでその世界をぐるりと見回すことができる。さらに、キノピオ隊長はジャンプもできず移動手段が限定的。ということはつまり、「この先どうすればゴールに辿り着けるのか」がとても明確なのだ。

 どのようなアクション or パズルで進むことができるかわかれば、あとはそれを間違えないよう実行するだけである。情報が足りず正解ルートがわからない状態での試行錯誤が少ないため、難易度が低めなように感じられる(≒理不尽さがとても少ない)わけだ。

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まるで水槽のようなステージも

 また、箱庭アドベンチャーならではの利点はほかにもある。まずは単純に、ステージそのものが眺めるひとつの作品になるということだ。ビジュアルにこだわっている作品は数多くあれど、全体をこうしてじっくりと見回すことができるゲームは珍しいだろう。

 そして、眺めることが前提なのでゆっくり操作できる作りになっているのも大きな要素だ。本作は2Dではなく3Dなので、右スティックでのカメラ操作をしなければならない。これはゲームに不慣れな人にとって障害になりうる要素だが、少しずつ進み足を止めてカメラを動かして見回し、先への進み方がわかったらいざ動く……、という形でプレイできるため、とても遊びやすくなっているのである。

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ステージは明るいものから毒沼のように危険なステージまでさまざま

 このように、単にアクションを行いパズルを解くだけではなく、穏やかだったり激しかったりする箱庭の様子を楽しめるうえ、より多くの人に冒険を楽しませることができる内容なわけだ。となれば、既存のアクション・パズルとは一味違った具合になるわけで、“箱庭アドベンチャー”というジャンル名にしたのもわかるわけである。

箱庭アドベンチャーの次回作はまだか

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走り続けるようなアクション要素が試されるのは一部ステージのみ

 では、このゲームに一切の不満がないかと言えばそういうわけでもない。本作はミドルプライス(3,700円)で発売されているのだが、ところどころそれに見合った部分も感じられる。

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「ガボンコング」とでも言うべきステージ

 具体的には、ボスやカットシーンなどに使い回しが目立つ。また、ステージ選択画面は絵本風になっており決して悪くはないのだが、手軽に済む形で落とし込んだなとも思えてしまう。このあたり、フルプライスであればもっとリッチな作りになったのだろうかと、どうしても頭に浮かぶ。

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Wii U Game Padを使ったトロッコステージ

 とはいえ、そもそも『スーパーマリオ 3Dワールド』のミニゲームを一本のソフトにしたわけで、このあたりの落とし所が適切なのだろう。

 ゲーム・システムがしっかりしていることからわかるように、ステージごとの緩急もしっかりついているし、ステージ数もそこそこあり、オマケ要素まで遊ぼうとすればなかなかのボリュームとなっており、Wii U Game Padも補助的にとはいえ活かせている。このシステムを活かした新たなゲームに期待したいところだ。

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