角川つばさ文庫『星のカービィ』ノベライズ小説(小学校中級向け)をニンマリと読む

本当は甥に読ませてみようと思って買ったのだが

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 君は角川つばさ文庫から『星のカービィ』のノベライズ本が出ていると知っていただろうか。僕は知らなかったので買った。

 というわけで、今回は『星のカービィ あぶないグルメ屋敷!?の巻』と『星のカービィ くらやみ森で大さわぎ!の巻』の話をしよう。これは前述の角川つばさ文庫の『星のカービィ』ノベル第一弾と第二弾であり、現在は第四弾まで登場している。

 このシリーズの作者は、『グローランサー』や『わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言!』などのノベライズや、ライトノベルなどを手がける高瀬美恵である。なお、このレーベルは主に小学生向けのものとなっており、本作品も例外ではなく。ゲームで興味を持った子供に本を読ませようということなのだろう。

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 ゲーム『星のカービィ』シリーズと同じように、本作はのんびりとした雰囲気のある気楽な本である(ゲームのほうは宇宙の危機なんかも頻繁にあったりするが)。おなじみの食いしん坊「カービィ」が友達の「ワドルディ」と事件に巻き込まれ、「デデデ大王」や「メタナイト」たちも一緒にちょっとした冒険を繰り広げていくわけだ。

 小学生中級からが対象読者なので、字数も少なく漢字はすべてふりがな付きである。それはともかく、「子供向けだから刺激がないのでは……」と読む前は不安だったものの、割と杞憂であった。

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 確かにこの作品、強烈な起伏はないのだが、馴染みあるキャラクターたちの愛嬌はきちんと描けているのだ。食べ物のことしか考えていないカービィ、性格こそ悪いがどこか憎めないデデデ大王、そしてふたりをなだめたりするワドルディやメタナイト。そんなマスコット・キャラクターたちが、穏やかにかわいらしさを振りまいている。

 当然ながらカービィのコピー能力も要所要所で話に絡んでくるし、ゲームの設定を意識した場面もちらりと見えたりする。ちなみに、『星のカービィ あぶないグルメ屋敷!?の巻』のほうではカービィが女装しており(上記画像)、思わず笑ってしまった。

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 また、この作品にもいわゆる悪役が登場するわけだが、その処理の仕方がうまいと感じられた。というのも、悪役は間違いなくあくどいのだが、のんびりとしたカービィが後味を悪くせずにうまく解決するのだ。そのため、事件の問題発生や解決に納得がいき、かつ限りなく明るい雰囲気を持続できているのである。

 堅苦しいことを書いたが、要は「丸くてピンクでぽよぽよなカービィのイメージ」を押し出せている作品である。無論、『星のカービィ』を知らない人に読ませるほどではないし、激しいアクションやシリアスな話とは縁遠い。が、あきれかえるほど平和なプププランドの日常は、確かにこんな感じな気がする。

 さて、続きのほうも買ってみるとするか。

○ 角川つばさ文庫『星のカービィ メタナイトとあやつり姫』が渋い、たとえ小学生向け小説としても
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