『レゴシティ アンダーカバー』はあくまで“子供たちの憧れ”を描いたゲームだったか

レゴの世界で暴れまわるゲームはひとまず終わり

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『レゴシティ アンダーカバー』起動画面

 Wii Uの『レゴシティ アンダーカバー』をクリアした。このゲームはクリア後からが本番なのだが、ひとまずメインとなるミッションは終えたので話をまとめておこう。

 僕が本作を遊んで思ったのは、このゲームはオープンワールドに慣れていない人、あるいは低年齢層向けなのだろうということだ。「そんなこと買う前からわかるだろ!」と言われればぐうの音も出ないのだが、やはりきちんと言うべきだろう。

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主人公「チェイス・マケイン」(左)と相棒「フランク・ハニー」(右)

 『レゴシティ アンダーカバー』は警察官の「チェイス・マケイン」を操作して、脱獄犯「レックス・フューリー」を追いかけるといったアクション・ゲームになっている。しかし、前述のように不慣れな人に向けられたゲームなのか、遊んでいくとかなり気になるところがあった。
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おそらくは子供に向けられた丁寧すぎる7つの職業訓練

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レゴブロックでできたものは破壊可能

 さて、本作はレゴで作られた世界が舞台なので、ブロックで作られたものを好きに壊すことができるうえ、その世界を自由に動きまわることができる(ジャンルで言うとオープンワールドというやつだ)。また、物語は犯罪が絡んだ内容となっており、実際にプレイヤーは数々の犯罪行為を行っていく。だが、主人公は警察官なので、あくまで潜入捜査のためにしぶしぶ犯罪行為をしているという構成なのだ。

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街中を暴走するのはオープンワールドのたしなみ

 クライム・アクションというジャンルがあるように、オープンワールドと犯罪行為は相性が良い。とはいえ、それでは子供たちが遊べないゲームになってしまうわけで、レゴという世界で刺激的な内容をうまくマイルドにした作品になるわけだ。

 また、『レゴシティ アンダーカバー』には、ゲームの進行や登場する題材も子供に向けたであろうと思える部分がある。

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メインミッションを進めるたびにさまざまな要素がアンロックされる

 本作では、7つの職業を使ってメインミッションを進めていくことになる。「警察官」にはじまり、「泥棒」「宇宙飛行士」「現場作業員」などがあるわけだが、考えてみればこれはどれも子供が憧れるであろう職業だ。

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働く車を操作する場面もある

 この題材の時点で気づくべきだったが、本作は“子供の夢を叶える疑似体験ゲーム”としての面が大きいわけである。僕のようにプレイヤーが大人の場合、宇宙飛行士の訓練の苛酷さ、警察官の肩身の狭さ、泥棒などという反社会的すぎる生業など避けたいと思ってもなんらおかしくはない。

 とはいえ、子供のころそういった職業に憧れた大人であれば、このあたりの印象はまだ良いのかもしれない。僕は幼いころからそういったものが好きではなかったので(今も昔もゲームばかりだ)、特に不満が募ったのだろう。

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危険な場所を登って飛び降りるのもオープンワールドのたしなみ

 そして、そんな子供向けタイトルでもあるからこそ、ゲームの進行はゆっくりである。7つの職業すべての要素はロックされており、メインミッションを進めていくことで徐々に解放され、すべてクリアしてようやく基本システムが全解放になるのだ。

 要は、メインミッションは超丁寧なチュートリアル(練習、あるいは職業訓練)である。それ自体はいいのだが、実はそれをクリアするまで街中の探索は自由にできないということが問題である。無論やろうと思えばやれるのだが、結局は職業の能力が足りずに足止めとなる。つまり、自由に街中で遊べるゲームと言いつつ、実は大きな制限があるのだ。

オープンワールドとメインミッションの矛盾

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「カラーガン」であらゆるものを染めまくる

 この制限がとにかく厄介で、メインミッションをクリアする十数時間まではずっと探索がしづらい。しかもこのメインミッション自体が面白いとは言えないものなのが致命的である。

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最悪の仕掛け

 ミッションは基本的に、そこで手に入れた新しい職業・道具を使って謎を解いていくというものだ。しかし、とにかく無意味な仕掛けが多い。たとえば、泥棒のバールも消防士の消防斧もどちらも扉を開けるだけなのだが、わざわざ種類が違う。最もカスな仕掛けは宇宙飛行士のブロックを呼ぶレーダーで、これは単なる二度手間でしかない。

 また、後半になればなるほど使う職業・道具が増えてくるので煩わしいのなんの。自由に街を探索して遊びたいが、そのためにはミッションをこなせばならず、しかしミッションはあまり優れたものではなく……。こうしてとにかくテンションが下がってしまった。

 これは子供向けにクソ丁寧にしたのかと皮肉のひとつでも言いたくなるが、おそらくアクション要素を煮詰めきれなかったのだろう。あくまでも本作はオープンワールドのゲームなわけで、その広いレゴシティを作るのが優先のはずだ。

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フランクのボケが最高なゲームでもある

 では『レゴシティ アンダーカバー』が駄作なのかといえば、そんなことはない。このゲームで特に良いのは山ほどあるジョークである。中でも、相棒の「フランク・ハニー」は笑えること以外しない最高の相棒だ。馬に乗れば前後逆で、車を運転すればステージに突っ込み、コーヒーを入れようとすればマシーンを全力で破壊するというヤツである。

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博物館はジョークの宝庫

 しかも、本作のジョークはどれも下品すぎない。やはり低年齢層に向けているからか、どれもわかりやすいうえに下ネタなどもなく。一部のパロディや大人向けのジョークが仮にわからなかったとしても、雰囲気で笑える作りになっているだろう。

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任天堂関連のキャラを探すのも楽しみのひとつ

 そして、クリア後に遊ぶ探索も楽しいというか、オープンワールドであるならば最初からこれが遊びたかった……。とにかく最初にプレイせねばならないメインミッションがだいぶ苦痛で、かつ題材も興味がないものだったので印象が悪くなりすぎた。これから少しずつ探索を続けていく予定だが、そのころになってようやく心証がよくなっていくだろう。

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手に入れた変装グッズで容姿のカスタマイズも可能

 探索は要素がそこそこあり、変装・車・レゴブロックなどの収集やミニゲームなどが存在している。更に要素が多いと嬉しいのだが(特に中に入れない建物がほとんどだったり、人々の生活が見えてこないのはつらい)、それはさておき。

 『レゴシティ アンダーカバー』は自由に遊べるゲームでありながら、制限も大きいという矛盾した構造である。それは子供向けの措置なのかもしれないが、見る人が変われば単なる矛盾でしかないのだろう。

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