「ねえお母さん、このおとぎ話の教訓とかテーマってなんなの?」 ─ 『チャイルド オブ ライト』

少女が主人公の薄味PRG

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『チャイルド オブ ライト』タイトル画面

 Xbox One版の『チャイルド オブ ライト』をクリアした。本作はUbisoft Montrealが手がけるRPGで、少女「オーロラ」がおとぎ話のような幻想的な世界を冒険するといった内容になっている。


 無料配信でもらった本作(配信日自体は2014年9月4日で、他機種版は同年5月1日から出ている)だが、序盤はタダの割にだいぶ楽しめていた。しかし進めていくたび、はたしてこのゲームは一体何が主題なのだろうか……? と思い悩むようになっていったのである。
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JRPGを意識したらしいゲームシステム

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剣を手にして冒険に旅立つオーロラ

 さて、主人公のオーロラは、1895年のオーストリアに暮らしていた王女である。しかし、彼女は父親の再婚を切欠に死んでしまうことになるのだが、気づけばなぜか不思議の国“レムリア”の地に立っていた。

 彼女はそこで小さなホタル「イグニキュラス」や、そのほか大勢の仲間たちと出会い、冒険を繰り広げる。そして、彼女の成長や闇の女王との戦いが描かれていくという、要は成長譚のような物語なわけだ。

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姉妹でグリフォンとのバトル

 戦闘はターン制のコマンド入力式で、画面下部にあるタイムラインの管理が重要となる。「ウェイト」を終え行動を入力すると「キャスト」状態になり、その状態で攻撃を食らうと行動が止まってしまうのだ。

 この行動停止は敵味方ともに同じ条件なので、いかに相手の行動を止めていくかがポイントになる。行動ごとに発動速度が決まっていたり、あるいはイグニキュラスで敵の動きを遅くすることができるので、それを使いこなしていくというわけだ。

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中盤で仲間になる姉「ノラ」との会話

 また、さまざまな要素が簡略化されているのも特徴か。ストーリーのカットシーンや文章も短く、キャラクターの装備は「オキュライ」という宝石のみで、育成もシンプルなスキル制度となっており、各地の作りも簡素なものだ。低価格のダウンロード・タイトルということもあるが、全体的に薄口な仕立て方である。

記憶に残りそうもないゲーム

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美しい花を咲かす木の周囲のクモ退治(サブクエスト)

 そう、薄口のせいか、どれが主題なのかいまひとつわからない。とりあえず言えることは、グラフィックにはかなり気を使っているであろう点だ。オーロラが訪れる場所はどこも印象的だし、物語が語られる時はステンドグラス風のグラフィックが登場するなど、こだわりが見て取れる。

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物語のはじまりに語り部が誘うシーン

 そして、見た目以外の点はどうか。まず物語は、子供に聞かせるおとぎ話のような体で始まり、あとは簡素な会話シーンで進んでいく。内容の方向性はともかく、説明・描写不足に見える箇所が多くありどうも物足りない。

 何が足りないのかというと、オーロラが決意を固めた理由だとか、仲間それぞれのエピソードだとか、「ノラ」が母親の連れ子であるという当たり前の説明の描写だとか、闇の女王がなぜ世界を狙うのか……、という大半の部分が足りていない。よって、これは添え物に近いわけだ。

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エリアごとに登場する敵の属性が変わるあたりはベタか

 そして、バトルはどうか。僕はこのゲームの戦闘がなかなか楽しかったのだが、それは難易度エキスパートを選択し、バトルスピードを最速にしていたからである。通常設定だと戦闘は割と簡単になるようだし、デフォルトのゲームスピードは遅すぎるくらいなのだ。

 また、そのバトルシステムも中盤には慣れて飽きてしまった。このバトルは要するに手数が多いほうが勝つという内容で、一方的に殴るか殴られるかの二択である。これで更に難易度が低くテンポが悪いとなると悪夢だが、とりあえずこのバトルが最大の魅力というわけでもなかろう。

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巨人の心臓にて

 あとは音楽も悪くはないのだが、それを特に目立たせようとしている内容ではなく。こうなると、ゲーム全体の品質は良いほうだが、どれが主題なのだろうかとわからなくなってしまう。

 無論、僕が主題を理解できていない可能性もある。本作はオーストリアの伝承という意味で価値があるのかもしれないし、すべて薄味なのは子供向けなのかもしれない。もしくは、グラフィックや音楽で不思議の国“レムリア”を表現することだけが目的で、RPGが付属品なのかも。それに、これといった主題がないのも悪いことではないだろう。

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下へと続く水晶の道

 しかしながら、クリアしたあとに面白いともつまらないとも言い難く、むしろこれはなんだったのだろうと悩むゲームは久々である。オーロラの冒険は確かに素敵なものと言っても間違いないのだが、心からそうは思えない。

コメント

僕も、プレイしてるうちに「何がしたいんだ貴様」と段々腹が立ってきたので、序盤で止めてました。
最近は、良し悪しはともかく、FFシリーズは偉大であるとすら思えてきましたよ……。

あら、しごとさんもプレイされていたのですか。このゲーム、PR記事がいろいろ出ていたので気になったのですよ。

本作は新規タイトルみたいですが、なんかこうダラダラと長くシリーズが続いている作品の「これといった目的はないけれども、とりあえずシリーズが続いているので、蓄積された高い技術を使ってなんだかよくわからないものが作られた」みたいな印象を受けました。よその評判は結構いいみたいですけどね。
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