かつての栄光を思い出すか、あるいは入門編として遊ぼう 『リズム天国 ザ・ベスト+』

ひさびさにリズムゲームでノりまくる

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『リズム天国 ザ・ベスト+』タイトル画面

 結論から言うと、『リズム天国 ザ・ベスト+』はシリーズ未体験者には特に向いているし、これまでの作品が好きでたまらない人には良い総集編となっているだろう。ただし、今回も初代のような衝撃はなかった。

 2015年6月11日に発売されたニンテンドー3DS用ゲームソフト『リズム天国 ザ・ベスト+』をクリアしたので、本作に関する話を書いておこう。


 このゲームは、音楽のリズムに乗ってボタンを押すだけの「リズムゲーム」を楽しむ作品である。音や絵に合わせるのではなくあくまでリズムに合わせるのが特徴で、2006年8月から続くシリーズ作品となっている。また、つんく♂氏がプロデュースしているのも目立つ点か。

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新たなリズムゲーム「マキネコ」

 最新作となる本作では、これまでのシリーズから厳選されたリズムゲームが70以上、そして新たなリズムゲームが30以上の合計100種類以上が用意されている。このほかにもいろいろ新しい要素があるのだが……、まずは本作の収録作品を見ながらシリーズの歴史を回顧してみよう。
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『リズム天国』シリーズを振り返る

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GBA版から復活した「ウサギとび」

 シリーズ初代となる作品は、ゲームボーイアドバンスで登場した『リズム天国』である。前述のようにボタンを押すだけのシンプルなゲームが揃っていたのだが、これがかなりの衝撃であり人気のあまりセガからアーケード版も登場した。

 とにかく、既存の音楽ゲームにおける“譜面を見てボタンを押しまくる”という概念が破壊されたことが大きい。そして、リズムに乗るということの気持ちよさを全面に押し出しており、音楽に合わせて指(もしくは体)を動かす楽しさの表現や、成功した時のリアクションなども実に丁寧である。

 リズムゲームには一定のリズムでボタンを押し続けるだけのものもあるのだが、それがやたらと楽しい。本当に重要なのはリズムにノることなのだということを、まさしく世間に知らしめた一作であった。

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DS版から復活した「ピンポン」

 続いて、2008年7月に発売されたのが『リズム天国ゴールド』である。ニンテンドーDSで登場したため、一部のキャラクターが3Dになったり縦持ちで遊ぶようになったりしたが、タッチペン操作になったことが特に大きいだろう。

 このタッチ入力にはかなりこだわられていたようだが、僕はそれが嫌だった。ボタン操作に比べるとワンテンポ遅れて操作している印象が拭えず、全ゲームを遊びはしたが好きになれなかったのだ。また、シンプルで面白いのがウリなのに、難易度が妙に高かったのも気になった。

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Wii版から続投となった「コロコロたんけん隊」

 その後は少し間が飽き、2011年7月にWiiで『みんなのリズム天国』が登場する。タイトルに「みんなの」とついているように、ゲームの基本は変わらないがビジュアル面がより強化され、見ているプレイヤーも楽しめるようになった。また、ふたりプレイが初めて追加された作品でもある。

 Wii版はまたもやボタン操作に戻り、ゲーム難易度もぐっと抑えられた印象を受けた。このあたりは初代の理念を思い出したように見える作りになっており、シリーズで二番目に楽しめた作品である。

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がに股の少女が特徴の「パジャマズ」

 そして、ニンテンドー3DSで最新作『リズム天国 ザ・ベスト+』が登場したわけだ。前述のように本作は総集編的な立ち位置になっており、歴代から選りすぐりのリズムゲームが採用されている。また、4人協力プレイに対応しているのも特徴か。なお、操作はボタンとタッチを選択できる。

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物語の中心的人物(?)となる「テビリ」

 最新作にはいろいろ新しい要素がある。中でも特徴的なのは、これまで一切なかったストーリーがついたところだろう。プレイヤーは天の国から落ちてしまった「テビリ」を助けるため、さまざまなリズムゲームに挑戦する……のだが、まァ話はあってないようなものだ。

 このほかにもいろいろな追加要素はあるのだが、僕はいまひとつこのゲームにノることができなかった。理由は簡単で、初代ほどの衝撃がないからである。

『リズム天国 ザ・ベスト+』はまさしくベスト盤

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『リズム天国』シリーズの代名詞とも言える「ナイトウォーク」も懐かしいスタイルで復活

 初代『リズム天国』の素晴らしさは、いわゆる“音ゲー”のようなジャンルで革命を起こし、リズムにノるのが楽しいという点を題材にしたことにある。その一点のみに集中したからこそ、極めてシンプルでも面白かったのだ。

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ヤギを育てる謎のミニゲーム

 では、最新作『リズム天国 ザ・ベスト+』はどうか? 歴代のリズムゲームも収録したのはいいが、物語は必要か? 立体視は確かによくできているが、リズムと関係あるのか? ヤギを育てたりすれ違いで遊べるミニゲームだとか、コインを溜めてアイテムを買うおまけ要素は増えて嬉しいのだろうか?

 いや、ないよりはあったほうがいいだろう。だが、僕が初代『リズム天国』で感じた面白さというのはそういう類のものではない。“操作はかなりワンパターンと言えるはずの「ナイトウォーク」が、リズムという要素を感じることによりなぜかすごく楽しい”という衝撃的な経験なのだ。

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ミュージアムでは各種リズムゲームや関連したグッズを閲覧可能

 とはいえ、シリーズ化することで刺激が減っていくのは仕方ないし難しいのだろう。何より、本作は本作で十二分に価値があるのだ。

 『リズム天国 ザ・ベスト+』は特にシリーズ入門作品として向いている。ゲーム序盤の難易度はこれまで以上に抑えられており、過去作の序盤にあったリズムゲームが中盤以降に配置されたことからもそれはわかるだろう。また、失敗し続けるとガイドが表示されたり、あるいはコインの使い方によって楽にゲームを進めることができるシステムもあるのだ。

 ただし、やはりベスト盤だ。『リズム天国 ザ・ベスト+』は、過去のものすごかった要素を収録しているのである。

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