「任天堂ゲームセミナー2014」の4作品を遊んでみた ── 『ジカンサタンサ』だけは見逃すな!

今年もゲームセミナー作品の配信時期がやってきた

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「任天堂ゲームセミナー2014」公式サイトより

 任天堂が学生向けに行った「任天堂ゲームセミナー2014」で制作された作品が、Wii Uで無料配信されている。2013年度のタイトルに続き、今回もなかなか見所がある作品が揃っているので紹介しよう。

 ちなみにこのセミナーは東京と大阪の二箇所で行われており、それぞれで2チーム(つまり合計4チーム)の作品が仕上げられ、配信されているというわけだ。なお、開発には「Unity for Wii U」が使われており、どれも2Dグラフィックのゲームタイトルとなっている。

かなり面白かった『ジカンサタンサ』

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『ジカンサタンサ』タイトル画面

 さて、4作品はどれも見所のあるゲームだと思うが、僕の一押しはチームXが制作した“時間差アクション”の『ジカンサタンサ』である。今回の中では最も面白くかつ可能性を感じた作品であり、更に磨き上げられた製品として遊びたいと思えたものだ。


 このゲームは、ロボットの「ペンタ」を操作して周囲を探索しつつゴールを目指すという内容である。だが、“時間差アクション”というジャンル名のように、操作とペンタが動くまでに時間差があるのが特徴だ。

 まず、プレイヤーはAボタンを押しつつWii U GamePadを傾けて、ペンタの移動ルートを教えてあげるわけである。すると、その後にペンタが指示通りの動きを行うので、あらかじめうまく動きを予想してあげる必要があるわけだ。

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「ペンタ」は教えられたルートをその通りに歩いていく

 この動きを予想するシステムも楽しいわけだが、さておき本作は手触りが良いのだ。ディレクターの高砂ゆい氏と浦井智崇氏も言っているとおり、本作は画面・ゲーム展開・音・振動のすべてがシンクロするように調整されている。

 たとえば、ペンタの歩調やサンゴや貝の動きは必ずBGMに合っているし、それに合わせてWii U GamePadは震えるのだ。また、ペンタの歩調は曲のリズムに合っているわけで、つまりリズムをカウントすればどれだけ歩いたかもわかるのである。

 とにかくもう、この手触りの良さが抜群に素晴らしい。これは実際に遊ばねばわからないだろう。

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喜ぶ仕草などがいちいちかわいいペンタ

 そして、Wii U GamePadのジャイロ操作も上手く活かせている。確かにジャイロ操作は細かい点まで動かせるわけだが、ボタン入力に比べると自分がどんな入力をしているのか手触りでわかりづらい。それを前述のようにリズムのヒントなどで考えつつ、試行錯誤するという味わいがあるのだ。

 更に、ペンタの愛らしさの表現も立派である。指示が終わったら出発する前にこちらへ手を振ってくれるし、水から出た時に体を振るだとか、宝を見つければこちらを見て喜んでくれるだとか、なんとあざといことか!

 リトライが欲しいなど気になる点も存在するが、そのあたりは次の機会に修正してくれればいい。そう、また遊びたいと思えるほどに面白かったのだ。
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星を目指して飛びまくる『ミチコジャンプ!』

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『ミチコジャンプ!』タイトル画面

 さて、残りの作品についても述べておこう。続いては、チームBが制作した“トビアガールアクション”の『ミチコジャンプ!』である。

 ジャンル名からしてジョークが冴えているゲームだが、内容はまさにそのまま。Wii U GamePadのジャイロ操作で女の子を動かし、ジャンプでより空高く登っていくという内容である。

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雲の近くに移動してAボタンでジャンプ……、を繰り返す

 要は『スプラトゥーン』の「イカジャンプ」のような、ああいうレトロなゲームを再解釈した作品である。視点が上から見下ろしたものになって、操作がジャイロになったというわけだ。

 きちんとシステムについて考えられており、演出もサウンドも良い。キャラクターはやや地味だが、キャッチーではあるだろう。何より“ジャンプの間”によって、より大ジャンプする感覚が表現できているのが大きい。上から見下ろしなので奥行きがわかりにくいが、ボタンを押すタイミングが感嘆符で表現されるといった親切心もある。

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星を集めると50個で1回コンティニューができる

 ただし、どこか平凡な印象を受けるのも事実か。見下ろし視点なのに落ちるスリルがあまりなかったり、ラストが長いという余計な点ばかり気になってしまうのは、やはり既存ゲームとの差を大きく感じられないからだろうか。

小学生気分で手紙を回す『ドキドキ手紙リレー』

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『ドキドキ手紙リレー』タイトル画面

 続いては、チームAが制作した“手紙まわしアクション”の『ドキドキ手紙リレー』である。こちらもわかりやすい名前のとおり、授業中に先生の目を盗みながら手紙を回すといった内容になっている。

 目立つのは、Wii U GamePadでの手紙を渡すアクションか。ジャイロ操作で前・左右・後ろの人のほうへパッドを動かし、押し出すような形で手紙を受け渡しする。

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教師が後ろを向いている隙に手紙を回していく

 小学生のころに体験したような“クラスで手紙を回すスリル”を表現した作品らしいが、どうもそのリスクが少ない気がする。現実では手紙がバレると叱られるわけだが、本作ではゲーム的なペナルティくらいであり、どうもその釣り合いが取れていないような。

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相手の手の位置や手紙の内容は、Wii U GamePadで確認できる

 また、手紙を回す操作にもやや疑問を覚える。後ろに回す際は実際にWii U GamePadを後ろに持っていくというのは面白いのだが、左右や紙飛行機で飛ばす時には渡しづらいように思えた。

 いや、根本的な問題は、僕が小学生のころにこういう手紙をあまりもらわなかった人間であることや、あるいは歳を取り過ぎたことなのかもしれないが。

歩いてクラッシュ『アルクラッシュ』

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『アルクラッシュ』タイトル画面

 最後は、チームYが制作した“てくてくバランスアクション”の『アルクラッシュ』である。なんだかこのセミナーのタイトルは、どれもわかりやすいタイトル&ジャンル名になっており好感が持てる。

 星が宿り動けるようになった恐竜の化石「アルバート」を操作し、ゴールを目指してひたすら右へ進むゲームである。簡単に言うと、ネットで有名な『QWOP』みたいな感じだろうか(あれよりは圧倒的に低難易度だが)。

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背景には回転するオブジェクトなどがあり、それも見所のひとつか

 本作では、右スティックで右足を、左スティックで左足を操作する。前に押し出すことでそれぞれの足が進むので、交互に入力して走ったり、同時に入力してジャンプするというわけだ。そして、ジャイロ操作は前後のバランスを取ることに使われている。

 はじめは操作に慣れないだろうが、動けるようになってくるまでの習熟が楽しいゲームであろう。時には急いで走るのみならず、無茶苦茶な高速で泳げたりするのも笑える。

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即死の状況が非常に多い「ゴロゴロン火山」ゾーン

 見た目もそこそこ良いし、システムにも不備はない。ただ、もう少し目新しさが欲しいように思えてしまうのが問題といえば問題か。まァ、堅実な作りなのは悪いわけではない。

終わりに

 さて、これでひと通り語り終えただろう。2014年度も粒ぞろいなゲームが揃っており、なかなか楽しめた。これが無料で配信されるのが意外と思うのは、僕のこれまでに問題があるからだろうが。

 しつこいほど書いたが、『ジカンサタンサ』は特に出来が良く可能性がある作品だと感じられた。素晴らしいゲームをありがとう。

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