『ヨッシー ウールワールド』レビュー 『アイランド』の血を受け継ぐ新鮮な毛糸の世界

毛糸なヨッシーの大冒険

yoshiWW_review_01.jpg
犬の「ポチ」と一緒に毛糸を目指して突き進むシーン

 スーパーファミコンの『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』から関連するシリーズをいろいろ遊んできたが、今回紹介する『ヨッシー ウールワールド』は素直に楽しいと言える作品であった。毛糸の世界がステキで、しかもアクションも抜かりないのだ。

 『ヨッシー ウールワールド』は、2015年7月16日に発売されたWii U用ソフトである。今度は“毛糸のヨッシー”が主人公になっており、編み物や手芸関連品で構成された世界を舞台に、さらわれた仲間たちを助けるために冒険を繰り広げていく。


 ジャンルとしては2Dアクションになっており、要はマリオ的なものだと思ってもらえばいいだろう。厳密に言うと『ヨッシーアイランド』の血を引き継ぐシリーズであり、基本システムはそれとほとんど同じである。

 なお、開発は『毛糸のカービィ』も制作したグッド・フィールが担当しており、その関連作品と言ってもいいだろう。
このエントリーをはてなブックマークに追加


ゲームシステムについて

yoshiWW_review_03.jpg
ワンワンいわを転がし玉突き状態で気分良く進む場面

 さて、本作の長所はなんと言っても毛糸や手芸品で構成された世界のよさであろう。主人公のヨッシーはもちろん、ほとんどの敵キャラクターや配置された物、そして背景も、この柔らかな印象で統一されているのである。

yoshiWW_review_04.jpg
ボスのチョロプーと編みかけのマフラーでバトル

 表現のこだわりはさまざまな箇所に見られる。たとえば敵の衝撃が布を伝わったり、あるいはその布の中に敵が潜った時の表現は、それこそ布地に触れている時のような感覚なのだ。また、マグマや水など、それぞれの表現もすべて毛糸らしくなっているし、場面によってヨッシーの足元が変形したりと細かい部分にも見どころがある。

 ゲームでありながらも機械的な印象とは程遠く、それこそ実際に遊んでいない人にも伝わる魅力があることだろう。この“もふもふ感”とでも呼ぶべきものはかなりのものである。

yoshiWW_review_05.jpg
柔らか素材の世界なので押せる壁も存在する

 ところで、ゲームシステムとしては前述のように『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』を継いだものになっている。基本的にはゴールを目指すだけでいいのだが、道中には「クラフトウール」や「スペシャルフラワー」などの収集品が用意されており、それを集めることでオマケ要素が解放される。

 このクラフトウールを1ステージで5つ集めると、仲間のヨッシーが一匹解放される。ヨッシーはそれぞれで柄が違っているため、好きなヨッシーを使って遊ぶことができるわけだ。

yoshiWW_review_07.jpg
『スプラトゥーン』の「ガール」amiiboを読み込むと、ヨッシーがこのデザインに

 また、キャラクターフィギュア「amiibo」に対応しているのも特徴か。それぞれのamiiboを読み込ませると、ヨッシーがそのキャラクターに関連したデザインへと変化する。

yoshiWW_review_08.jpg
「あみぐるみヨッシー」amiiboと一緒にプレイ

 あるいはヨッシー関連のamiiboを使うと、ゲーム内に更なるヨッシーが登場する。本作はふたりプレイにも対応しているのだが、これによってひとりでも擬似的なふたりプレイが楽しめるというわけだ。

yoshiWW_review_09.jpg
「パワーバッジ」の使用選択画面

 そして、もうひとつ本作の特徴的な要素が「パワーバッジ」か。これは集めたビーズを使うことにより、冒険を有利に進めることができるというもの。単に簡単にするだけでなくプレイ感覚が変化するものもあり、特に「スイカたべほうだい」なんかは少し違ったゲームになって楽しい。

 なお、救済要素として「エンジョイモード」というものもあり、このモードではヨッシーが空を飛べるうえに回復アイテムも多くなる。そもそも本作の難易度はそう高いわけでもないが、ほとんどゲームを遊ばない層を取り込むこういった要素もあるというわけである。

yoshiWW_review_14.jpg
音楽を鑑賞できるモードも存在している

 また、音楽もいつもとは違う印象を受けた。ふわふわした印象を壊すかのような激しいロックが流れることもあれば、迷いやすいステージでは立ち止まって聞きたくなる曲がBGMになっていることも。あるいは、お化け屋敷のステージはむしろ近年のマリオのような音楽が採用されていたりと、これも印象を新しく感じさせる要素だろう。

新しくなった『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』

yoshiWW_review_10.jpg
イカダで急流下り

 さて、『ヨッシー ウールワールド』の真の長所というのは、見た目のよさとアクションがとても噛み合っているというところである。単に印象を与えるためだけに毛糸の世界になっているわけではないのだ。

 ステージにある糸の結び目はヨッシーが食べると隠し通路になり、点線の物体は毛糸を当てることで編み上がるといった基本システムはもちろん、ほかの仕掛けにもそういうものがある。

yoshiWW_review_11.jpg
後半に存在するマジックテープだらけのステージ

 僕が最も感心したのは、ベルトコンベアがマジックテープになっているという仕掛けだ。ヨッシーは毛糸なのでこれに触れるとくっつき、ジャンプして剥がれる時にも特別なアクションをするのだ。

 ほかにも、ワンワンやテレサといった敵キャラクターは毛糸を当てることで仕掛けに変化する要素があったり、あるいは綿でできた雪が降ってきて足場になったりすることも。見た目にも仕掛け的にも目新しく、かつどちらとしても意味のある考えられたギミックなわけである。

 これまでに登場していた『ヨッシーアイランドDS』『ヨッシー New アイランド』は、見た目もアクションも過去作からの変化に乏しく、どうしても新鮮味がなかった。その点を考慮すると、本作は『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』の系譜として一番優秀な作品と言っていいかもしれない。

yoshiWW_review_06.jpg
ヘリコプターに変身(編み直し?)して進むボーナスステージ的な場所

 ただし本作は、“ヨッシーの2Dアクションにおける革命的作品”というわけではない。あくまでこれまでのヨッシーに新しい要素を加えつつうまく解釈しなおし、かつ現代的にしたゲームなわけだ。

 ヨッシーは毛糸の見た目を手に入れ、確かに新しくなった。しかしその中には『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』の血が流れているわけである。

コメント

非公開コメント