『Fallout 4』冒険者の手記 #1「幸か不幸か」

Vault 111からの旅立ち

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 薄々予感はしていたが、なぜこうも世界の終わりは急激なのだろうか。愛しい妻と息子に囲まれた幸福な生活は、突然の核戦争によって終わりを迎えた。

 テレビ番組でおぞましいニュースを見た私たち家族は、契約していた地下シェルター「Vault 111」へと走ることになる。不安とともに息子を抱いている妻を見ると、ただただ胸が痛い。

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 かろうじてVault 111に入ることができたものの、更なる不幸が我々を襲う。地下ではVaultのスタッフに誘導されるがまま“除染装置”に入ることになったのだが、実はこれが冷凍睡眠装置なのであった。

 あとからわかったことだが、Vaultを管理しているVault-Tech社は、入居者たちをただのモルモットだとしか思っていなかった。このVault 111の入居者たちは「長期間肉体を停止させられた場合の生命力を調査するため」の研究材料なのだ。

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 だが、そんなことはもはやどうでもいい。冷凍睡眠装置の中で目を覚ました私の目に飛び込んできたのは、Vault-Tech社に騙されたということ以上に大きな問題だったのだから。

 外にはふたりの人間がいた。彼らは妻と息子がいるポッドを強引に開け、なぜか我々の愛しき息子「ショーン」を誘拐したのだ。妻は必死に抵抗したが……、ああ、こうして思い出すだけで形容しがたい感情が湧き出す。

 ポッドの中で悔しさを噛みしめる私をあざ笑いつつ、スキンヘッドの男は外から冷凍睡眠装置を操作した。それからどれくらい経ったのだろう。もう一度私は目を覚まし、さらわれた息子を助けに行かねばならないことを思い出す。

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 Vault 111の冷凍睡眠装置は故障していたらしく、残念なことに私以外の全員は凍えて死んでいた。妻を含め丁寧に埋葬したいが余裕はない。私は彼女の婚約指輪を手にし、息子を取り戻すことを約束する。

 そして、ここは巨大なゴキブリ「ラッドローチ」の巣となっていた。あとは白骨死体ばかりが転がる墓地のような場所である。何が核戦争でも安全なシェルターだ。掃き溜めよりひどい。

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 出口の近くには携帯型端末「Pip-Boy」が落ちていた。白骨化した遺体の持ち物だろうが、もはやこの人には不要であろう。外の世界がいったいどのようになっているかはわからないが、必要があれば死者の持ち物ですら活用するしかない。

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 こうして私はVaultを飛び出し、ウェイストランドをさまようことになる。私が冷凍睡眠装置で死ななかったのは幸運なのか、不幸なのか。むしろ何も知らずに死んだほうが良かったのではないかという考えも浮かんだが、この歩みは止まらない。

○ 『Fallout 4』冒険者の手記 #2「崩壊した世界での仲間」
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