『星のカービィ ロボボプラネット』は最高峰のカービィだ ── 昔の衝撃を忘れられれば

『星のカービィ』最新作を遊んだ

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 2016年4月28日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『星のカービィ ロボボプラネット』をクリアした。相も変わらず『星のカービィ』シリーズは良いアクション・ゲームである。

 主人公である「カービィ」たちが暮らす星「ポップスター」は、いつもなんらかの災難に襲われるものの平和な場所である。今回は、「ハルトマンワークスカンパニー」なる企業が侵略を行い、世界がキカイ化してしまったのだ。

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キカイ化されたポップスターを眺めるカービィ

 自然が多いはずのポップスターの周囲は幾何学的になり、星に住む生き物たちもキカイへと改造されてしまう。カービィは新たなコピー能力や「ロボボアーマー」を使いこなし、平和を取り戻しに向かうのであった。……というような物語となっている。

新要素「ロボボアーマー」が登場し、いろいろパワーアップ

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どんな時でもマスコットキャラクターとしての風格があるカービィ

 『星のカービィ』シリーズは、比較的に簡単なアクション・ゲームとして知られる。難易度は低めだが、多彩なコピー能力を活かした戦い方をしたり、「ロボボアーマー」に乗り込んで暴れたりと、多くの層が気持ちよく遊べるであろう点が特徴だ。なお、おまけ要素としてはなかなか歯ごたえのあるものも用意されている。

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ロボボアーマー搭乗シーン

 さて、本作における最大の魅力はやはりロボボアーマーであろう。2011年にWiiで発売された『星のカービィ Wii』には「スーパー能力」という要素、そして2014年にニンテンドー3DSで登場した『星のカービィ トリプルデラックス』では「ビッグバンすいこみ」という能力が存在していたのだが、ロボボアーマーはそれを更にうまくアクション・ゲームとして取り込んだものとなっている。

 「スーパー能力」も「ビッグバンすいこみ」も、演出重視の“一気に敵を倒すイベント”と呼ぶべきものであった。そのため、アクションというよりは見ているだけの感覚が強かったのである。一方ロボボアーマーは、それまでカービィで壊せなかった障害物を破壊できたり、ふつうのカービィでは入れない場所に行けたり、更にはコピー能力もカービィが使うものとは違うものに変化する。そして、それを自分の意思で自由に使いこなすことができるのだ。

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ロボボアーマーでホイールをコピーしてあらゆるものをぶっちぎる

 敵をなぎ倒し、障害物を殴り飛ばし、お宝を手に入れて一気にゴールへ駆けてゆく……。ロボボアーマーという要素が、“プレイヤーが極端に有利でひたすら心地よく遊べるアクション”として非常に完成度が高くなっているのは、やはり過去作から積み重ねたものがあるからだろう。

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新コピー能力「ドクター」でボスとのバトル

 また、その他の面も順調に進歩している。スクリーンショットでは伝わらないだろうが、ニンテンドー3DSの裸眼立体視要素も強化された。敵が奥から攻撃してくるケースも増え、シューティング面では積極的に奥行きを使った攻撃パターンが飛んでくるくらいだ。

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あまりにも懐かしすぎる「アイスドラゴン」の再登場

 そして、過去シリーズ作品のオマージュもにくい。ロボボアーマーに貼れるステッカーには過去キャラがたくさんデザインされているし、懐かしいボスが登場したり、新たなBGMにはどこかで聴いたことのあるフレーズが入っていたり……。カービィのことを知っていればいるほど喜べる作りだ。

 これまでのシリーズの要素を突き詰めており、はじめて遊ぶ人はもちろん、過去の『星のカービィ』を追い続けてきた人も満足させるであろう作りとなっている。シリーズ最高峰の作品と言っても過言ではなかろう。

最高値と衝撃の大きさ

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新キャラクターの「秘書スージー」の過去は……

 ……べた褒めだが、実を言うと僕はこのゲームにのめり込むまでかなり時間がかかった。序盤は本当にやる気が出ず、中盤からようやくまともにプレイできるようになり、終盤(ラストバトル)はその激しさに感動したくらいではあるのだが……。

 なぜ最初にあまり乗り気でなかったかというと、これは前作『星のカービィ トリプルデラックス』とプレイ感覚がだいぶ似ていたからである。『New スーパーマリオブラザーズ』シリーズでも感じるのだが、ベースが同じすぎるといまひとつ熱中できないのだ(これは年齢を重ねてきたせいだろうか?)。

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新コピー能力「ポイズン」は地面に残る毒がポイント

 そもそも、前作となる『星のカービィ トリプルデラックス』が築き上げたものはあまりにも大きい。過去作のオマージュを重視すること、より演出寄りのボスバトル、マルチプレイできるミニゲームなど、基礎となる部分はその時点で決まっていたのだ。そして、『星のカービィ ロボボプラネット』はそれをそのまま鍛え上げただけで、方向性を変えるほどの新鮮さはなかったともいえる。

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ラストバトルにおけるロボボアーマーの活躍はまさに必見と言える

 数字に例えよう。『星のカービィ トリプルデラックス』が“過去作の5”を10に進歩させたのであれば、『星のカービィ ロボボプラネット』は“過去作の10”を12に鍛え上げたような功績なのだ。

 僕がゲーム慣れしすぎているというのもあるだろうが、ゲームというのは新しい体験であるとより楽しさを感じるという傾向がある。本作が『星のカービィ』シリーズ最高峰というのは間違いないだろうが、体感としての衝撃は前作のほうが大きかったのだ。
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